【DXはもう古い】6203
冨山和彦氏の心に響く言葉より…
「DXはもう古い」・・・こう言うと、多くのビジネスリーダーや官僚、コンサルタントたちは怪訝な顔をするかもしれない。
しかし、これは挑発ではなく、冷厳な現実である。
われわれは今、過去10年以上にわたり積み重ねてきた「DX(デジタルトランスフォーメーション=デジタルによる事業変革)」の常識が、根本からひっくり返る構造的転換点に立っている。
結論から言えば、これまでのDX、すなわち「デジタル人材による業務改革」と、これから始まる「AIによる根こそぎ変容」は本質的に異なるフェーズである。
DXは既存業務の効率性を上げ一定程度の省人効果はあるが、業務をまるごと代替するものではない。
しかしここに来て劇的進化を始めた対話型の生成AIによる業務変容力は、デスクワー ク業務、ホワイトカラー業務の多くについて組織と人材を根こそぎ代替する力を持っている。
そこでのDX人材やITコンサルの価値についても、その多くが今後急速にコモディティ化し、 陳腐化していく。
なぜなら、AI自身がソフトウェアの構築、運用、分析、改善までを代替し、 その自動変容力で従来その業務を担っていたエンジニアを次第に代替していくからだ。
加えて、 デジタルツールの導入、運用、改善を進めるプロセスでDX人材というテクノロジー翻訳者を介することさえも不要になる。
さらに言えば、AIの進化はDXフェーズに隆盛を極めたネット系、クラウド系、ウェブ系、コンサル系のビジネスモデルの多くを破壊する可能性を持っているのだ。
以前からコンピュータの能力の大幅な向上を背景に、機械学習の進歩、ディープラーニングなどのニューラルネットワーク系の技術の発達等でAIの進歩は新たなステージに入り、予測能力や視覚や聴覚をはじめとする知覚能力が飛躍的に向上していた。
自動運転が一気に現実的になってきたのはAI技術の急速な進歩があったからだ。
『日本経済AI成長戦略 (文春e-book)』(松尾豊監修)
「アマラの法則」と呼ばれているものがある。
未来学者ロイ・アマラ(Roy Amara)が提唱した、テクノロジーの影響に関する観察則だ。
「人は、新技術の影響を、短期的には過大評価し、長期的には過小評価する」という傾向があるという法則。
新技術が登場すると、人は過度な期待をいだく。
しかし、すぐに「思ったほどではない」とか、「たいしたことないね」と失望する。
だが、時間が経つにつれ、技術が改良され、普及、成熟した結果、「あれは、社会を根本から変えるような変革だった」と気づく。
人は、変化を線形に予測しがちだが、技術の普及は多くの場合、指数関数的に一気に進むため、このギャップが生まれる。
今、AIは爆発寸前の、まさにその瞬間にいる。
ここ1,2年で、AIは「使える」から「使わざるを得ない」ものへと変わった。
それは「AIエージェント」の登場による変化だ。
AIエージェントは、たとえば「家族4人で5月に沖縄に行きたい。予算20万で予約まで済ませて」と頼むと、複数のサイトを比較し、ホテルの空きを確認し、代わりに予約まで実行する。
これまでは人間が「プロンプト(指示文)」を工夫してAIを使いこなす必要があったが、AIエージェントが普及すると、「AIがAIを使いこなす」ようになるからだ。
「DXはもう古い」
AI革命は、恐ろしい勢いで進んでいる。
AIについての知見を爆速で深めたい。
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