【ケラケラするも一生】6200
医師、城所望(のぞみ)氏の心に響く言葉より…
小浜島は、八重山諸島のほぼ中央に位置し、石垣島から高速船で約30分。
さとうきび畑を風が渡り、牛がのんびり草を食むゆったりとした時間が流れる島です。
産業医の仕事で訪れるたび、私を癒やしてくれるのは、島の風景、そして“島のアイドルグループ”KBG84でした。
小浜(K) ばあちゃん(B) 合唱団(G)、平均年齢84歳!
「天国に一番近いアイドルグループ」と呼ばれる、世界最高齢のダンス&ボーカルユニットなのです!
KBG84の原点は、一人暮らしの高齢者を元気づけようと開かれた食事会でした。
そこでオバーたちが「初恋の話」で盛り上がったことをきっかけに、歌い踊る合唱団が結成されたのです。
島の伝統衣装をまとい、古謡(こよう)や民謡、労働歌を歌い出せば、自然と体が動き出す。
会場には次々と笑顔の花が咲き乱れます。
小浜島ちゅらさん祭はもちろん、北海道やシンガポールでの公演でも観客を魅了。
歌って踊れる「オバーパワー」、恐るべし!
島に響く笑い声が、病を遠ざけ、明日を照らしています。
笑いの絶えないオバーたちですが、その人生は決して平坦なものではありません。
数年前、KBG84のセンターとして人気を集めた目仲(めなか)トミさん(当時98歳)にお話を伺う機会がありました。
チャーミングでケラケラとよく笑う彼女は、「笑い袋」の異名を持つ一方で、最愛の長男と次男を亡くすという計り知れない大きな悲しみも経験していたのです。
夫を60歳で亡くしたあと、5人の子を育てるため、80歳まで懸命に働き続けたトミさん。
深い悲しみに包まれて泣き暮らす日々もあったそうです。
それでも80歳でKBG84に入団し、仲間と歌い、踊るうちに、「楽しくて仕方ない!」と本来の笑顔を取り戻したのでした。
KBG84 の入団条件は、「小浜島在住の80歳以上の女性」。
ウェディングドレスで記念撮影をするユニークな入団式を、島中の皆が楽しみにしています。
「忙しくて死んでいる場合じゃない! アッハッハ~!」・・・、豪快に笑うトミさんには、天国はまだまだ先のようです。
「長生きは人生のご褒美」
「クヨクヨするも一生、ケラケラするも一生」
そう笑うトミさんの顔に刻まれたシワは、人生の年輪そのもの。
「年を重ねること」は衰えることではなく、深まっていくことなのだと教えてくれます。
『医師が教える「健幸」になる休み方 沖縄式リトリート 「沖縄の知恵」×「最新の医学」による5つの処方箋 (三笠書房 電子書籍)』
人生の後半生、とりわけ晩年をどう過ごすかは、その人の一生を決めるとりわけ大事な時間だ。
それは、前半生、どんなに華やかでスポットライトを浴び、成功したとしても、晩年が幸せでなかったら、すべてが台無しになってしまうからだ。
終わりよければすべてよし、という言葉の通りだ。
お金や財産、社会的地位や名誉がなかったとしても、晩年、いつも、「機嫌がいい人」、「大笑いしている人」そして、「毎日を明るく楽しんでいる人」は幸せだ。
晩年を、明るく、上機嫌で、笑って暮らしている年寄りは、「ああ、あんなふうになりたいな」と生きるお手本となる。
反対に、晩年を、しかつめらしく、生真面目に、形式ばって、堅苦しく生きている年寄りは、まわりに人が寄りつかない。
「クヨクヨするも一生、ケラケラするも一生」
人生の晩年を・・・
「ケラケラするも一生」という気持ちで暮らしたい。
医師が教える「健幸」になる休み方 沖縄式リトリート 「沖縄の知恵」×「最新の医学」による5つの処方箋 (三笠書房 電子書籍)

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