【ブラック・スワン】6177

 

 

ロルフ・ドベリ氏の心に響く言葉より…

 

 

「白鳥はみな白い」・・・数百年ものあいだ、ヨーロッパでは誰もがそう信じていた。

 

白い白鳥を見かけるたびに、人々はそれが真実であるという確信をますます強めた。

 

別の色の白鳥が存在するなど、想像もできなかった。

 

 

1697年にオランダ人のウィレム・ド・ヴラミンが、オーストラリア探検中に初めて「黒い白鳥」を目にするまでは。

 

それ以来「ブラック・スワン」は、“ありそうにないこと”をあらわすシンボルになった。

 

 

あなたは株式市場に資金を投資する。

 

ダウジョーンズは年がら年じゅう、ほんの少し上がったり下がったりを繰り返している。

 

あなたはだんだんとこの株価のわずかな上下に慣れてくる。

 

 

ところが、ある日突然、1987年10月19日に起きた世界的な株価の大暴落のように、株式市場は22パーセントも下落する。

 

それも、なんの前触れもなく。

 

これがナシーム・タレブのいう「ブラック・スワン」だ。

 

 

元トレーダーのタレブが同名の著書を執筆して以来、この概念は投資家のあいだでよく知られるようになった。

 

「ブラック・スワン」とは、あなたの人生(資金状況や健康状態や事業など)にとてつもなく大きな影響をおよぼす、予想外の突発的な出来事のことである。

 

ポジティブな「ブラック・スワン」もあれば、ネガティブな「ブラック・スワン」もある。

 

 

落ちてきた隕石に当たって命を落とすのも、サッター(19世紀のアメリカの開拓者)がカリフォルニアで金を発見したのも(彼の所有地で金が見つかったことがきっかけでゴールド・ラッシュが起こった)、ソ連の崩壊も、トランジスターの発明も、エジプトのムバラク大統領が失脚したのも、あなたの人生を一変させた誰かとの出会いも、すべて、「ブラック・スワン」だ。

 

 

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昨今は、異例の出来事であるはずの「ブラック・スワン」が出現する回数が増えている。

 

石器時代には「異例」といわれるほどの出来事はほとんど起こらなかった。

 

人類の歴史において、こうしたことが起きるようになったのは、ごく最近のことだ、とロルフ・ドベリ氏はいう。

 

 

なぜ昨今は「ブラック・スワン」がこれほど増えたのか。

 

ロルフ・ドベリ氏は、その背景には人類の環境の劇的な変化があると示唆している。

 

かつて石器時代の人々は、極めてシンプルな世界に生きていた。

 

人間関係も、情報も、環境も限られており、変化のスピードも非常に遅かった。

 

 

ところが現代はどうだろう。

 

インターネットやAIによって世界は一瞬でつながり、経済も、政治も、テクノロジーも、複雑に絡み合っている。

 

一つの出来事が、連鎖的に世界中へ影響を及ぼす構造になっているのだ。

 

つまり、「複雑化」と「スピード化」が加速している。

 

 

しかも、AIは自律的に進化し、その変化は幾何級数的に早まっている。

 

かつての技術革新は、人間の手によって一歩一歩積み上げられてきた。

 

しかし今は違う。

 

AIはAIを生み出し、AIが改良され、そのスピードは人間の理解や想像を軽々と追い越していく。

 

つまり私たちは、「変化が速い時代」にいるのではない。

 

 

「変化の速さが加速し続ける時代」に生きているのだ。

 

「ブラック・スワン」という言葉を今一度胸に刻みたい。

 

 

 

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