【何も問題が起きない人生】6152

 

 

 

田口佳史(よしふみ)氏の心に響く言葉より…

 

 

《いいことも悪いことも「小さな芽」から》 

 

 

無為(むい)を為(な)し、無事を事とし、無味を味わう。 

 

小を大とし少を多とし、怨(うらみ)に報ゆるに徳を以てす。 

 

難を其(そ)の易(やす)きに図り、大を其の細(さい)に為(おさ)む。 

 

天下の難事は、必ず易きより作(おこ)り、 天下の大事は、必ず細より作る。 

 

是(ここ)を以て聖人は終(つい)に大を為さず。 

 

故に能く其の大を成す。(恩始第六十三) 

 

 

 

『物事には必ず「芽」がある。 

 

大事・難事も最初はごく小さな問題だし、対応も易しい。

 

大きな幸運は一朝一夕に得られるものではなく、初めは小さな芽である。

 

どんな物事も早いうちに対処すれば、悪い芽は摘み取られ、いい芽は育てることができる。

 

結果、周囲には「あの人は何も大したことはしていないのに、大きな事を成し遂げたね」というふうに映るのだ。』

 

 

老子は、大事・難事が「起きない」ことを良しとしているのではなく、「起こらないようにする」ことが大切だと言っているのです。

 

よく考えてみてください。どんな大事も難事も、ある日突然、降って湧くものでしょうか。

 

そんなことはありえないでしょう。

 

 

必ず、その「芽」があったはずです。

 

それを見逃してはいけない、ということなんです。

 

 

つまり、ここで言っている「無為・無事・無味」とは、何もしないことではなく、緊張感をもって現状を見守ること。

 

問題が小さいうちに、あるいは対応が易しいうちに、いち早く見つけて対処しておくことを意味するのです。

 

そうやって、問題の芽を摘み取っておけば、大きな問題になることはありません。

 

 

だから、何も問題が起きない人生を手にすることができるのです。

 

言い換えれば、「日常的に頻発する小さな問題を大事・難事に発展させなかった結果、得られるのが何も問題のない人生」だということです。

 

しかも、人生の行く手を阻む問題の芽をことごとく摘み取っていると、事がスムーズに運びます。

 

 

問題に対処する時間と手間が大幅に減るので、常にゆったりと落ち着いて事に当たることもできます。

 

だから、「無為」に徹する人は結果的に、難なく大きなことをやってのけるのです。

 

 

わが身を振り返ってみてください。いま手を打てば簡単に解決できる問題を放置したせいで、やがて大事・難事になって大変な苦労を強いられることが多いのではありませんか?

 

ちょっと厳しい言い方をしますが、問題を大きく、難しくしてしまうのは、自分自身の怠慢でしかないのです。

 

 

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「無事是貴人(ぶじこれきにん)」という禅語がある。

 

臨済宗の祖である臨済禅師の語録、『臨済録』の中に登場する言葉だ。

 

平穏無事な日々こそ尊い、という意味。

 

 

平穏無事な日であるためには、日頃の準備が必要だ。

 

それが、日々起こる小さな問題を「芽」のうちに摘み取ること。

 

 

たいして大きな問題もなく、人生をあまり苦労もなしに、ゆったり豊かに過ごしてきた人を見ると、我々は「この人は運がよかったのだ」「良い環境に生まれてきたのだ」とつい思ってしまう。

 

しかし、それはその人生をきわめて表面的に見ているに過ぎない。

 

それは本当は、日頃起こる「小さな不平や不満」「違和感」「問題」を、小さなうちに摘み取ってきた結果なのだ。

 

 

「因果応報」や、「鏡の法則」に則(のっと)って考えると、たいして大きな問題がなかったということは、それに対する「因」、すなわち原因があるはずだ。

 

「無事」であるには、日頃の淡々と、当たり前のことを当たり前に行うこと。

 

それは、「人に喜んでもらう生き方」「和顔愛語の実践」「いつも上機嫌でいる」「何事も丁寧に行う」「自分との約束を守る」「返事や挨拶をしっかりする」「後始末をキチンとする」「明るく朗らかに過ごす」「かけた情は忘れ、受けた恩は石に刻む」「誰もができる簡単なことを、誰もができないくらい長く続ける」「感謝とおかげさまの気持ちを忘れない」・・・。

 

 

一見すると、「のほほん」と苦労もなしに極楽とんぼのように機嫌よく生きているが、実は、人から必要とされ、喜ばれている人は、「無事是貴人」の人。

 

「何も問題が起きない人生」という言葉を胸に刻みたい。

 

 

 

 

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