【今日の一句】

 

葉桜の

かぶさつて来る

チューリップ

 

中村汀女

 

 

 

 

富山県でのチューリップ栽培の歴史は大正7年にさかのぼると言われています

水田の裏作に球根栽培が導入され、出荷量日本一の産地として発展しました

 

 

近年は海外からの輸入球根の増加に苦戦しているようですし

年によって鹿児島県と新潟県を含めた三大産地で順位が入れ替わっているみたい

ちなみに我が新潟県はチューリップの切り花の出荷量では全国1位です

 

 

 

砺波市は富山県のチューリップ栽培発祥の地で、今でも出荷量は県のトップです

第75回目となる今年のチューリップフェアは4/22~5/5の開催となっていますが、

暖かい日が多かったので、開花はすでにピークを過ぎたかもしれません

 

 

 

栽培しているチューリップは球根の肥育のため花はもぎ取られます

畑の隅に捨てられる花なので農家さんに聞けば欲しいだけ持ってけと言うでしょう

自ら花摘みのお手伝いを申し出てもいいかもしれません

短い命だから飾ってはおけないですが、オブジェの写真撮影とか染色体験には使えると思います

 

 

 

以前、仕事で2年ほど富山県に住んだことがあります

写真は砺波のチューリップ公園とか市内の農地で撮ったものです

 

 

 

【今日の一首】

 

なぞへには

胡蝶花(しゃが)のしげみに

風ふきて

貧しく住し

去年(こぞ)のおもかげ

 

佐藤佐太郎

(1909~1987)

 宮城県出身、幼少期に茨城県に移る

日本芸術院会員、岩波書店勤務

「アララギ」斎藤茂吉に師事

 

 

山の家の西側、杉木立の半日陰にシャガが茂っている

生育環境の好みが似ているのかミョウガと縄張りを競いながら

だれもいなくなった家だけど庭の草花は昔と変わらず季節が来れば咲いている

そんな四季折々の花を見るたびに30年近くここに独居していた母を思い出す

「なぞへ」は斜面のこと

 

写真はシャガの花に集う昆虫いろいろ

名前はGレンズに教えてもらいましたが、正確かどうかはわかりません

 

バッタの赤ちゃん

 

 

ヒゲボソゾウムシ

 

 

ハナムグリ

 

 

クロウリハムシ

 

 

ヨツボシハムシ

 

 

ジョウカイボンのペア2組

近頃、植物の名前のいわれが気になってしかたがない

 

桜もそうだけど山の中で花の時期だけ存在感を示す「ウワミズザクラ」という樹があります

これが桜?って感じの花だけど、桜と同じバラ科の仲間

 

 

古代、シカの肩甲骨(または亀の甲羅)の裏に溝を彫り、この木の樹皮で焼き、溝の周辺に生じる割れ目を見て吉凶を占った

その亀占に用いる「裏の溝を焼く桜」を文字に表す時に「上溝桜」と書いたらしい

それが転じてウワミズザクラと呼ぶようになったとのこと

(ふむふむ、よくわからんけど)

話は日本神話の天岩戸伝説まで遡り、今も大嘗祭に用いられる由緒正しき樹らしいです

 

 

若い頃、魚沼地方に住んだことがあり、この花のツボミを山菜として食べたことがあります(1枚目の写真の花が開く前の頃)

蕾や未成熟果を塩漬けにしたものを、杏仁子(あんにんご)と呼んで、食用にしてました

花穂をそのままつまんで生で食べたこともあります

桜餅が好物の方ならいけますよ

果実酒も作ったことがあります

 

 

 

【今日の一首】

 

さやさやに我にささやく声の如し

ウワミズザクラ日毎の朱実(あけみ)

 

高安国世 

(たかやすくによ、男性、1913~1984)

歌人、ドイツ文学者、翻訳家

大阪市生まれ、「アララギ」土屋文明に師事

短歌結社「塔」創設者

 

ウワミズザクラの実は山桜と同じで緑→黄→赤→黒と熟すに従って変化します

鳥もそうだけど熊の好物らしいので、近寄りがたい木になりました アセアセ

 

【今日の一句】

 

きみが名か

一人静と

いひにけり 

 

室生犀星

 

 

 

 

フォロー中のブロガーさんのしみじみと心に響く「ひとりしずか」の詩に魅かれて、

その優美な花の名の由来を訪ねてみました

 

ヒトリシズカは早春の林床にひっそりと咲く目立たない花

花の名は源義経の愛妾だった静御前に由来していて

二人の悲恋と、花言葉「静謐」「隠された美」も重なって静御前のイメージが膨らむ

 

 

いつの時代に誰によって名付けられた花なのか

この花を見て静御前が頭に浮かんだのはどんな人だったのだろう

調べてみても名付親は特定できません

 

江戸中期の百科事典「和漢三才図会」に

「静とは源義経の寵妾にして吉野山に於て歌舞のことあり

好事者、其美を比して以って之に名づく」

と記されているそうです

名付親は性別、年齢不詳の「好事者」なんだけど、

きっとある程度地位のある趣味人だったのでしょう

 

 

この花は吉野山で一人舞う静御前の姿に見立てられました

そのため古名としてヨシノシズカ(吉野静) という呼び方も伝わっているとのこと

それと、私は見たことはありませんが(真剣に探していない)、同じような場所に似たような「二人静」も咲いているそうです

より憐れを誘う「ふたりしずか」の物語は長くなるので省略します

 

 

花の場所は上杉家重臣の大熊氏が城主だった戦国時代の山城の箕冠城跡

以前は山頂の本丸を除いて草木に覆われていましたが、史跡指定があってから整備が進み

曲輪・堀切・土塁・虎口・横堀・井戸などの跡が確認できます

藪が刈り払われると植生も変化して、多くの春の妖精も見られるようになりました

 

 

本丸跡から見た山側、残雪の山は長野県境

 

 

本丸跡から見た海側

上越妙高駅を出た新幹線が飯山トンネルに入る

 

 

【今日の一句】

 

たんぽぽや

日はいつまでも

大空に

 

中村汀女

 

 

 

 

たんぽぽが咲く野道はのどかで絵になる

だけど近ごろ花数が多くない?

日本の在来種は繁殖力の強い西洋タンポポに置き換わったと言われている

正確に言うと両者の雑種が増えているとの研究者の説明

なんだけど、タンポポくらいの背丈なら邪魔にはならないしどっちでもいいや

 

 

変り映えしない花々ですが今朝の庭から

 

ユキヤナギ

 

ヤマブキ

 

チューリップ

 

アネモネ

 

ムスカリ

 

ボケ(赤・白)

 

八重桜

家の周りの最後の雪(4月9日)

 

 

この冬に伐採した檜2本と桐1本を割って積み上げました

このまま乾燥して、来年の秋には屋内に取り込みます

別の場所にも一昨年の冬に玉切りしたまま放置している杉があるので、暑くなる前に片付ける予定

 

 

田んぼの荒起こしをしました

いつもの年は雪解け水が溜まっているので、荒起こしはしないでいきなり代掻きしていたのですが、昨年の干ばつのひび割れが冬の間も修復せずにカラカラに乾いたままです

進行方向の稲の株の間に深い亀裂(20㎝くらいか)が入っています

このままでは固くて代掻きができないので、ひび割れへの土の充填の期待を込めて丁寧に耕起しました

 

 

田んぼはこの一枚だけなので、機械類はすべて歩行式の昭和初期の農業です

このあと水を入れてから、籠車輪に交換して代掻きです

どうか水が溜まりますようにと祈りながら

 

 

裏庭の杉の落葉を片付けました

杉の日陰にゼンマイ、ウド、行者ニンニクが植わっています

行者ニンニクは初め知り合いから分けてもらった10本ほどでしたが、気まぐれで種を蒔いてたら段々と増えてきました

種の発芽率は採取のタイミングと蒔いた後の水分の関係から年によってかなり違います

去年蒔いたのは乾燥し過ぎたのか、ほとんど芽が出ていません

もう少ししたら大きめの株の葉っぱの半分くらいを摘んで食べてます

 

 

一か月後の5月末のようす

まもなくネギ坊主みたいな花が咲きます

 

 

 

妙高山の春の雪形「跳ね馬」がはっきりしてきました

(ここからは牛に見える)

頚城平野の水がめ「笹ヶ峰ダム」では積雪量が少なくて早くも番水の予定を検討しているとか言ってました

今年の夏もまた猛暑と少雨の予感 アセアセ

 

 

 

 

【今日の一句】

 

妙高山 豊作約す 斑雪馬

 

山本達人

 

 

 

 

 

 

なんだかんだと言っても桜が好きな私たち日本人

桜と言えばこの歌が頭に浮かびます

 

 

敷島の大和心を人問はば

朝日に匂ふ山桜花

本居宣長

 

 

 

日本は四季のうつろいがはっきりしてるから(最近はそうでもないけど)、私たちは季節の変化に敏感で、花鳥風月を愛でる民族

本居宣長は大和の国の心は朝日に照り映える美しい山桜のようだと言いました

ただ先の大戦時に愛国心を高揚するためにこの歌が引用されてイメージを損ねましたが、本居宣長は潔く散るのが大和魂だなんて言ってはいないと思います

 

他にも桜にまつわる有名な俳句や和歌を三つほど

 

 

散る桜 残る桜も 散る桜

良寛和尚(諸説あり)

 

 

 

 

 

明日ありと思う心の仇桜

夜半に嵐の吹かぬものかは

親鸞聖人

 

 

 

 

 

 

世の中は三日見ぬ間の桜かな

大島蓼太(江戸時代中期の俳人)

の句から生まれたことわざ

 

 

 

蛇足

元の句は「世の中は三日見ぬ間に桜かな」だったそうで

三日見ない間に既に満開になっている驚き(喜び)が感じられますが

一文字違うだけで

三日見ない間にもう散ってしまった、と時間の速さを諭しているように聞こえます

 

 

桜が咲くのは一年に一度だけ

満開の桜にあと何回会えるかな?

 

 

おまけ

桜の花、食べられないからボクどーでもいいし

 

 

今日は当地でもあちこちで見ることができる水芭蕉を詠んだ句を探してみました

引用はいつもの「俳誌のサロン」と「俳句季語ナビ」からです

 

 

冷え透る

水の花なり

水芭蕉

 

長谷川かな女

 

 

水芭蕉と言えば♪夏が来れば思い出す・・・

はるかな尾瀬遠い空ですね

水芭蕉は初夏のころの高原のイメージのためかどうか、俳句の世界では仲夏(6月上旬〜7月上旬)の季語とされているようです

本来は冷涼な地域の湿地に自生していたものが、今は各地で平地にも移植されていて、こちらでは雪どけ後まもなく4月には開花します

そして花が終われば可愛げのない巨大化した葉だけが茂っています

 

 

影つねに

水に流され

水芭蕉

 

木内怜子

 

 

 

写真の場所は上越市の標高100mに満たない里山です

地形を見ると、かつては水田だったのでしょう

ハンノキは既に直径40㎝くらいに育ったものもあり、耕作されなくなってから半世紀近くになると思われます

今は地域を周回する遊歩道の一部を担っていて、初夏にはホタルも舞う自然豊かな散策路となっています

 

 

ふるさとの

休耕田や

水芭蕉

 

仁平則子

 

 

 

俳句としては水芭蕉の特徴的な仏炎苞(仏像の背後の炎とか仏様の光背とか)のイメージを膨らませた句も多かったです

 

 

三尊仏

また千体仏

水芭蕉

 

百合山羽公

 

片栗の

花咲き遠嶺

雪きゆる

 

松村蒼石

まつむらそうせき(1887~1982)

 滋賀県出身の俳人、飯田蛇笏に師事

 

 

 

 

カタクリは落葉樹の林や木のない陽当りの良い場所に多い

この地では人間の手が加わって植生が管理されているような古戦場や城跡、古墳などに多く見られる

他の草花や木々がまだ目覚める前に一斉に葉を広げ赤紫の花を咲かせるが、中には稀に白い花や黄色い花もある

 

 

写真の場所は妙高市の「鮫ヶ尾城」跡

謙信亡き後の跡目争いに敗れ、ここで無念の最後を遂げた景虎とその妻児と思えば、花の見方も変る

 

 

 

併せて3句ほど

 

 

片栗の花のま中の山の神

 

武井美代子 風土 1999

 

 

 

 

 

片栗の花敷きつめて風の彩

 

玉川悠  遠嶺 2001

 

 

 

 

 

かたくりの花のなぞへも古戦場

 

村上沙央 狩 2005

(なぞへは斜面)

 

 

 

 

さらに次の句から万葉の歌に発展

 

花かたかご八十乙女らの声のして

 

神蔵器

かみくらうつわ 1927~2017

東京都出身の俳人

 

 

 

 

物部の八十娘子らが汲みまがふ

寺井の上の堅香子の花

 

大伴家持

 

もののふのやそをとめらがくみまがふてらゐのうへのかたかごのはな

多くの少女がにぎやかに水を汲むその寺の井戸の傍らに咲いているかたくりの花よ

 

万葉集の中でかたくりを詠んだ歌はこの一首だけらしいです(意外と少ない)

「寺井」の場所は越中の国府のあった高岡市の伏木古国府の勝興寺近辺とのことです

 

越中に赴任中の大伴家持については以前も触れました

 

 

 

ねがはくは

花の下にて春死なん

そのきさらぎの

もち月の頃

 

西行

 

 

 

西行にちなんで二句

 

花の下に

死なんといひし

人の忌や

 

加賀千代女

 

 

 

 

花あれば

西行の日と

おもふべし

 

角川源義

 

 

 

旧暦の「きさらぎのもち月の頃(2月15日頃)」を新暦によれば、今年は4月2日だったそうです

満月の「ピンクムーン」の日でしたね

西行はお釈迦様が入滅した日に満開の桜(山桜)の下で死にたいものだと願って、実際にそのように命を終えたというのは有名な話であり、2月15日は西行忌として俳句の季語にもなっています

 

 

 

 

こちらでは、3日からの観桜会に間にあって、1日に開花宣言がありました

その後、気温が上がり一気に開花が進み、昨日5日には満開になったとTVで言ってました

4日には花には試練の暴風がありましたが、大きな影響はなかったようです

 

 

 

 

開花の早かった地方ではとどめの風雨になってしまったでしょうか

花に嵐はつきものですが、これから開花する地方では穏やかな天候が続くよう願ってます

 

 

 

一度は載せたい桜の写真桜

リアルタイムではありませんが、5枚は高田城址公園

最後の1枚は看護大です(妙高山を入れたかった)

 

今夜は割と暖かく雨も降らないし風も弱いので夜桜見物にはベストの日でしょう

行かないけど イヒエヘ