一瞬の夏 | ricky321のブログ

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スポーツは(野球?)筋書きのないドラマとはよくいいますが
本書ほど、期待を裏切った書物もないのでしょうか。
小説なら、カシアスは勝利をおさめ、否、負けたとしても素晴らしい見所を
作って美しく去って行くでしょう。でも、これは実話です。
予定調和すらないこの悲しい消化不良な結末。
読後、その人生に不安を抱かせる脇役たちも実在の人物なのです。
最後、これが小説であったなら・・と逆におもった私ですが。
その後ネットで検索して(こんな行動を私にさせること自体が、本書の読み
物としての価値を十分説明してくれるでしょう)、カシアス氏の近況、そし
てそれまでにおこった事件について知った時の何とも言いようのない苦い満足。


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以上はアマゾンのレビューより抜粋。
ちなみにカシアス氏の近況(レビューアさんが書かれたのが2004年)とは、おそらくは自分でボクシングジムを設立した頃なので、そのことを指すのではないか。

沢木耕太郎『一瞬の夏』
ボクシングとは興行である。観に行く観客がそこそこにいて成立する。世界チャンピオンになるか、よほどのタニマチがつくかしないとボクシングだけで食べていけるボクサーはいない。同時に資金豊富なジムというのも滅多にないと思われる。
カシアス内藤はボクサーとして類い希な素質(敏捷な運動神経とパンチ力の二つが必要である)を持ちながら、自分に甘いという問題を抱えている。つまりフィジカルとメンタルのアンバランスが常にある。
その才能に見せられた名トレーナーのエディも、作家でありながら私費を投じてまでマッチメイクをする沢木自身を苛立たせる。
最後の試合も、2回KOで破れ、まさに‘一瞬の夏’が終わる。

試合にはリング上の対戦を表とすれば、試合にこぎつけるまでの裏がある。対戦する双方のジムの合意やコミッショナーやボクシング協会や様々な組織が絡む。当然金銭の問題も出てくる。
『国宝』と同じくドロドロの人間模様がある。

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原作は連載をリアルタイムで読んでいたが、映像はまた別物として楽しめる。
逆に原作を知らないと映画の良さも分からないと思う。
映画よりも小説の方が露骨だが、結局芸能人ってのはヤクザとズブズブの関係
にならざるを得ない。そういう本音の部分があるね。
そもそも平安時代やその前から傀儡師(くぐつ)がいて、見世物もやれば売春も
やるみたいなこともあった筈。出雲阿国だって売春婦だったとか巫女だったとか
言われるけど、そんなもんだろうと思う。
いわゆる祭りだとか市だとかいうものも、ある程度やーさんたちの協力があって
成り立つもんだと思うけどね。寅さんみたいな商売もその変の筋との付き合いが
ないと出来ない。

色字
は某所に『国宝』の乾燥を小生が投稿したものだが、裏の世界はきちんとある。