林真理子『マイストーリー』 | ricky321のブログ

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(以下、数年前に書いたもの)
自費出版をテーマにした林真理子『マイストーリー』が文庫化された(※2018年7月の時点でこれを書いた)が、まさしくこの小説の連載時に"自費出版"氏と揉めた。面倒臭いのでYとしておく。掲示板で知り合った仲なので本名など詳しいことは知らない。小説本を出したというので、おつきあい感覚で買ってしまった。頁数は少なく値段は1728円だったか、とにかく高かった。まあ、ここまではいい。内容は稚拙、といっても並みの稚拙さではなく、起承転結が分からない。意味が分からないという低レベル書籍だった。最初はamazonのレビューに「ここはこういう風にしたら」というような書き方をしていたが、誤字を指摘する掲示板仲間への詫びも感謝へも無い。どころかちょっとした相槌を自分への賞賛だと勘違いし、「恋愛を語る宮沢賢治」だと名乗り始めた。何という僭称だろうか。私は再びレビューを書き直し、「言語道断、甘言は聴くが苦言は聴かない。宮沢を名乗る前にきちんと文章を書け」とした。Yはアラシと化してしまい、私の主宰する掲示板に悪口雑言を書いた。のみならず複数のアカウントを使って、自作に☆5をつけた。漫画とTVの話がもっぱらのYの相手をするだけ時間の無駄だった、買った自分が馬鹿だったと気持ちの整理が付くまで半年くらい掛かった。

話を林真理子作品に戻す。①女性経営者が自伝を出そうとするが、上手く書けずにゴーストライターに依頼する、②婆様が我が娘の芥川賞受賞にライバル心を燃やし、作家になりたかったのは私なのよ、と小説を書き始める…と、ここまではなかなか良かったのだ。
が、主人公の編集者が、亡くなった主人の思い出を綴った本を出したいと願い出てきた未亡人と恋に落ちるという展開になる。これが大失敗だった。私が林なら、③上手く書けずにプロの小説を盗作してしまう老人A、④自分の才能の無さに気が付きあきらめるB、⑤出版された自伝に履歴詐称があると指摘された政治家C、のように数人の中高年に代わる代わるスポットを当てる。

それはともかく、自費出版本を出そうなどという人間は、概して謙虚さが足りない。そもそもそれなりの読書家の殆どは作家という職業の大変さが分かるので、自分で書こうとは思うまい。ひたすら良書との出会いを期待しているのではないか。先述のYは、おそらく小中学校で課された作文を表彰された経験どころか、きちんと書いたという経験すらなかったはずだ。大学の経済学部を出たらしいが、真剣に本を読んだり(受験勉強以外の)勉強した経験はないに違いない。面白半分で書いていたものが少々書き溜まり、いつの間にか自己評価が膨張したのだろう。本を出した後で「しまった」と思った瞬間もあっただろうが、もう遅い。(以下略)