山崎豐子にうんざり | ricky321のブログ

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綿矢りさ(3)の前に・・・・。

 

『華麗なる一族』山崎豊子/新潮社☆無し
もう中巻の途中で飽きました。《シチュエーションがリアルであること》を除けば、これといったウリがない。山崎作品全般に言えることだけれども、政財界(白い巨塔は医学界だが、こういう些少なことはいちいち書いているとキリがないのでご勘弁)の後ろ暗い部分に光を当てたことで、まあ、ほぼ売れる。出版社に何かと優遇されていたんじゃないか。連載途中で打ち切りはないとか、売れっ子のイラストレーターをつけるとか。一応はドラマチックな見せ場があって、映画やTV劇の原作にはもってこいであること。
しかし、ドラマ性はあっても、その実、人物を堀り下げるなど深味がない、セリフが死んでいたりする。『運命の人』(文藝春秋)と桐野夏生の『メタボラ』(朝日新聞)は月刊誌と日刊紙の違いはあれど、ほぼ同時期で沖縄が舞台である。登場人物の描写において、桐野が山崎を圧倒していたのです。

 

社会の日の当たらない部分を描いたということであれば、城山三郎の方が上でしょう。

戦国武将よろしく、大介が自ら経営する企業グループの繁栄の為に息子娘たちを政略結婚させる。斯くして出来た一族は殺伐としているのだけれども、それ以上にこの小説が殺伐。温もりを欠くのです。城山のそれには温かみがあるし、すっきりしているのです。
もう、どうせ長男の会社が破綻して父が助けを出さないどころか余所に肩代わりさせるのが見え見え。テンポも悪いしね。

 

ひたすら人間の欲望と確執のドロドロの小説を2年3年の長きに渡り連載する、取材も含めた山崎のエネルギーは認めるけれども、無味乾燥。敢えて書くけれども、感心できる作家ではありませんなあ。