愚生はTVというものを殆ど見ない。1時間本を読んだというのと、1時間TVを見たという行為を比較すれば、情報の量は圧倒的に書籍の方が多いからである。もちろんTV作成者側が貴重な映像を用いるなどすれば、印象度はTVの方に軍配が上がるかも知れない。
『竹村公太郎の「地形から読み解く」日本史』/宝島社19-104
★★いわゆるオールカラーのムック本。狙いどころは面白い本である。最初の方にあった古代奈良湖の存在と消滅に関して書いてある部分は読者に興味を抱かせる。奈良湖のあった場所と、現在の地図を重ね合わせる工夫はオールカラー本の真骨頂である。前回書いた高山貴久子の本は距離についての説明しかなく、こういう地形を含めた解説があれば、と惜しまれる。
しかし全体的に散漫で、今後人口が減少するであろう日本の将来云々という話と、廃藩置県に割いた頁は、地形とはまったく無縁の話であり不要だと思う。最後のエジプトのピラミッドに関する記述も日本史とは関係ない。それから、東日本大震災による海水浸水と広島市安佐区で起きた大雨による土砂崩れを例に、「昔から日本人はこういう災害と向き合ってきたんだよ」と示すことは結構だが、やたらに写真を使いすぎている。時代も奈良時代から江戸初期までに絞ったほうがいいと思う。
と、ここでTVの話をするが、最近感心している番組がある。BS日テレの「深層ニュース」である。中央公論誌で同番組で放送できなかった部分を補うという名目で毎回4ページ使ってまとめてある。試しに見てみたら毎回ワンテーマで、ニュースとその解説をじっくり行う。昨晩はトランプ大統領が考えていることを、遠藤誉と渡部恒雄(どこかで見た顔だと思ったら渡部恒三の息子)の2名の論客がうまく解説していた。非常に良質の番組ではないかと思った。書籍も斯く、絞るということが大事なのである。