似合うこと/似合わぬこと | ricky321のブログ

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『古今盛衰抄』田辺聖子/文春文庫19-099
★★★面白いところ、つまらぬところ、分かれた。
スサノオ(△)、卑弥呼(×)、持統天皇(△)、小野小町(○)、紫式部(○)、後白河院(○)、淀君(×)、井原西鶴(○)、芭蕉・蕪村・一茶(○)、喜多川歌麿(×)、樋口一葉(◎)、桂春団治(×) 12名(組)の人物を扱っているのだが、文学評論(つまり韻文散文の別なく作品を通して人となりを推し量る)として成り立っている章は概ね良く、とくに一葉は見事。単に人物について語る章は概してつまらなかった。

例えば、淀君に関しては「私はそういう淀君が好きなのである」と述べても読者はついていけない。これを吉川英治が描いた淀君と司馬遼太郎のそれではどうか、比較してみるといった趣向のほうが良かったのではないだろうか。それとも12篇の短編小説集にするか、である。
似つかわしいことをしないと、文化勲章作家でもドツボに嵌まる。