【出家とその弟子】
倉田 百三 著
ニンテンドーDS文学全集
岩波文庫 刊
1927(昭和2)年7月1日 発行
何気なく読んだ。
思いがけず、大当たり。
戯曲スタイルだそうだ。
平易な文章で読みやすいが、中身は深い。
こんな深いことをたった24歳の若造が書いたと思うと、脅威である。
長い物語なのだが、無駄がなく、ダレない。
当時、浄土真宗(親鸞)ブームを巻き起こしたというが、よく分かる気がする。
浄土真宗の教理の本質がすっきり理解できる。
そして、キリスト教ともかなり近いことに、驚かされる。
ストーリーテラーとしての、作者の力量は素晴らしい。
舞台設定なので、時間の切り替えがとても便利に行える。
弟子の唯円が書いた「歎異抄」がベースになっているという。
そちらも、読んでみたくなる。
若い人が必ず経験する通過儀礼のような悩みについて書いているのだが、誰もが思い当たるであろう。
親鸞が臨終の場面で、勘当していた息子の善鸞が枕元に駆けつけてくる場面で、読者は絶対に二人は和解するものとの読みしているが、それを完全に外してくれるところなんか、もう見事と言うしかない。
この本は、ぜひとも若い人たちに読んで欲しい。
数多く外国語に翻訳されたというのも、よく分かる。