これは、ある著名なピアニストが新進気鋭の人気若手ピアニストに向けた言葉。
その若手ピアニストは、人気に浮かれることなくきちんと王道を進んで成長するようにと、アドバイスの意味を正しく受け止めた。
あなたの実力じゃまだまだ私には追い付けないよと、イヤミで受け取るかも知れない。
著名なビアニストはその気持ちが多少あったかも知れないが、いい言葉である。
さらに、才能とはなんだろうと考える。
ピアニストは世の中に掃いて捨てるほどいる。
ピアニストと名乗るからには才能がある人ばかりだろう。
しかし、世界に名前が知られるピアニストになるのは、ほんの一握りである。
簡単に技術だけではなく、解釈も含めた表現力だというだろう。
だが、それだけだろうか。
本人がいくら努力しても絶対に獲ることが出来ない何かがあることを知っている。
運?ルックス?人間性?生きざま?
それら全てを引くるめて才能というのだろうか。
子供は誰でも何らかの才能を持っていると信じたい。
だが、才能も実力も備えていながら発揮できずに埋もれていく才能のなんと多いことか。
才能を評価されるまでに、多くの網の目(フィルター)を潜り抜けなければならない。
著名なピアニストの言葉は、かなり目の詰まったフィルターである。
少なくとも全ての子供に、最初の粗いフィルターでも潜るチャンスを与えたいものだ。
ちなみに著名なピアニストとは一昨年亡くなった中村宏子であり、若手ピアニストはピアノ王子と呼ばれる牛田智大である。