あまり知られてませんが、きょうはレモンの日です。
彫刻家・詩人でもあった高村光太郎の妻であり、洋画家の
高村智恵子が亡くなる数時間前(1983年10月5日)に、
レモンを噛んだということにちなんでいるそうです。
「智恵子抄」の「レモン哀歌」にも、その様子が書かれています。
そんなにもあなたはレモンを待ってゐた
かなしく白いあかるい死の床で
私の手からとつた一つのレモンを
あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズいろの香気が立つ
その数滴の天のものなるレモンの汁は
ぱつとあなたの意識を正常にした
あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ
わたしの手を握るあなたの力の健康さよ
あなたの咽喉に嵐はあるが
かういふ命の瀬戸ぎはに
智恵子はもとの智恵子となり
生涯の愛を一瞬にかたむけた
それからひと時
昔山巓でしたやうな深呼吸を一つして
あなたの機関ははそれなり止まつた
写真の前に挿した桜の花かげに
すずしく光つレモンを今日も置かう
(智恵子抄 レモン哀歌より)
私の手からとつた一つのレモンを
あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズいろの香気が立つ
その数滴の天のものなるレモンの汁は
ぱつとあなたの意識を正常にした
あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ
わたしの手を握るあなたの力の健康さよ
あなたの咽喉に嵐はあるが
かういふ命の瀬戸ぎはに
智恵子はもとの智恵子となり
生涯の愛を一瞬にかたむけた
それからひと時
昔山巓でしたやうな深呼吸を一つして
あなたの機関ははそれなり止まつた
写真の前に挿した桜の花かげに
すずしく光つレモンを今日も置かう
(智恵子抄 レモン哀歌より)
長く心の病と闘った智恵子を想う、光太郎のとても切なく、
哀しい詩ですが、そこに暗さは感じません。
(私だけが感じないのでしょうか?)
中途半端でない、深い深い愛情を感じます。

念のためですが・・・・
レモンはミカン科で、シソ科のレモンバームとは違います。
レモンに似た香りはするのですが、種類は違います・・・。