おやつ後にリビングで宿題をしていた
小4の長男。
ピンポーンとインターフォンが鳴った。
中年男性の声がモニターから漏れる。
「○○スーパーマーケットの方から来ました」
長男が
「母は今、2階におります。
わたくしではわかりかねますので母に代わります。
少々、お待ちください」
と、とてつもなく丁寧な対応をしているのが
聞こえてきた。
2階で在宅ワークをしていた私に
リビングから
「ママー!
○○スーパーの方がいらっしゃったー!
らっしゃい、らっしゃいー!!
安いよ、安いよー!」
とものすごく大きな声で叫ぶ。
「ネットスーパーなら頼んでないけど……」
「俺にはわからん!
でもスーパーの人が外で待っているから
早くーうぅぅぅ!!」
……ものすごいハイテンションの会話が全て、
外に筒抜けの状態。
居留守を使うわけにも行かず、
仕事を中断して玄関の外にでると
氷河期世代と思われる
ヨレッとした作業着の男性が
「○○スーパーの方から来ました」
とチラシを手渡してきた。

お手製のチラシには
スーパーの委託訪問販売と書かれている。
連絡をくれたら代わりにお店から品物を購入してきて自宅まで配送します。
と言う。
「配達代行ですか?」
「はい……クルマがなくてお店まで行けない高齢の方やお子さんが小さいとか
……いや……奥さまは……
ご利用にはなら……ないです……よね?」
「はい。買いに行けますので」
「駐車場に……三輪車があったから……
お子さまが小さいのかな……と」
「粗大ごみに年単位で出せてないだけなんです……」
「あ……すみません……」
ここまで自身なさげに
蚊の鳴くような訪問販売は初めて。
そこに小2の次男が玄関から登場。
「ママー!計算ドリルの丸付けと
音読ー!!
保護者のサ・イ・ンー!!」
と走ってきて満面の笑みで訪問販売員に
「こんにちはー!!」
と挨拶した。
次から次へと魚屋のノリで子どもたちが登場するのに怯んだのか、
男性が
「うち、チョッと高いんです……。」
と船場吉兆の女将なみにささやき出す。
「……と言うと」
「1品につき20円増しで代行料金が……
かかるんです……高い……ですよね?
……使わないですよね?」
押しが弱すぎて調子が狂う。
次男が素早く
「それって
5円玉チョコを1枚買っても20円増しで、
10キロの米を買っても20円増しなんですか!」
と、参戦し出す。
小学生、うまい棒か5円玉チョコしか浮かばない語彙力……!!
「5円玉チョコ……??」
「5円玉チョコ1枚を買ったら代行に
25円払うんですよね!
10キロの米袋買っても米代に20円なんでしょ?
5円玉チョコ、高い!」
そこに長男が現れ、
「大間のマグロ、一匹買っても
20円で届けてくれるんですか!」
と畳み掛ける。
訪問販売が
「いや……スーパーにあるものしか
買ってこられない……かな……」
とたじろぐ。
「1.5リットルのペットボトルを
1ダース頼んだら
1箱換算なんですか。
バラの扱いで12本×20円の代行手数料、
どっちですか。
個装のお菓子やケーキも1個につき。
なんですか?」
と、真顔で質問責めをする。
……カオスすぎる!!
やめーい!!
移動販売車訪問のセールスは初めてで
展開がわからなかったが
単価20円の利益ならガソリン高騰のご時世、
薄利多売じゃないか!
おっちゃんが自ら思っているより高くない。
むしろ、赤字のような。
「息子たちが申し訳ないです……」
と平謝り。
「すいません……もし……使う機会があったら
そこにお電話を……」
と言い残し、立ち去っていった男性。
詐欺だかセールスだか巧妙で見分けがつかない。
詐偽とは、数々対峙してきた過去があるので
つい、身構えてしまう。
需要ありまくりだと思った傘。
サッカーシューズを欲しがる息子たち
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