ゆうりちゃんのママのところに行くと
取り巻きの仲間なのか、
他に一組の親子がいて
私に
「すいませーん。
今日は、ゆうりちゃんママの知り合いだけってゆーか。
その親子だけでお誕生会をやることになっててー。
のぇるさん、最近引っ越してきたから
わかんないかもなんですけど、
そういう決まりなんですいませーん。」
と言う。
ゆうりちゃんは、娘がきちんと自分が指定したものを買ったのか袋を明け始めていた。
「確かに引っ越してきたばかりで面識はありません。
ですが、娘はゆうりちゃんから誘われ、
指定されたプレゼントや
みんなで食べるお菓子も用意してきました。
今日の帰り際も、
3時に校庭ね!って言われたそうです。
他のお子さんにも。
私自身が知り合いではないだけで
このやり方は子どもを傷つける以外の
何ものでもないと思いますが」
そこに、江原ゆきが口を開いた。
「のぇるさん、聞いたんですけど。
再婚なんですよね?バツイチで、結婚して
この学校に来たって」
「どこからその情報を」
「ママ友つながりっていうかー。
そっち行くみたいよ。みたいに聞いてて
まさかのビンゴ!!
旧姓、○○さんですよねー!」
「それとなにが関係するのでしょうか」
「うちの子、再婚家庭とは遊ばせたくなくて。
まぁ、ギリセーフかも?
シングルはダメ。ろくでもないのしかいないから。
今日は幼稚園繋がりのママ友だけしか
呼ばないのに、ゆうりが勝手に長女ちゃんを呼んじゃったみたいでー。
なんか、プレゼントもらっちゃってすいませーん。」
娘の目が真っ赤になっていて、
「もう帰ろうか……」と、手を繋いで
校門に向かった。
再婚家庭、シングルはダメ?
ろくでもないのしかいない?
なんなんだ、あの言い草は。
ちょうど校庭にいた先生から声をかけられた。
「江原さんと、なにかありましたか」
「娘がお子さんから誕生日会に呼ばれたのですが。知り合いだけの集まりだったようで」
「あ……
長女ちゃん、大丈夫?」
泣き顔をみられたくない娘は
早く行こうと手を引っ張る。
「では失礼します」
「あの……江原さん、PTA 会長さんでして。」
「だから?」
「いえ……前もあったんですよ。
学校に苦情というか。
ママ友限定の集まりに誘われなかったとかでトラブルになって。
のぇるさん、なにかあったらいつでも学校にご連絡くださいね。」
娘は帰宅すると
買ったお菓子とジュースをずっと見つめていた。
「ママ、もう学校に行きたくない!
せっかく友だちだって思ったのに!
ママが、ゆうりちゃんママと仲良くしないのが悪いんじゃん!!
ママ友じゃないから呼んでもらえないんだよ!」
「……」
