小説つまみ食いマラソン、始めました(後編)パパのミニ小説付き | ドングリクンパパのブログ

(前編からの続き)

 

で、ママもちょっと面白くなって、上記「某読者大賞作家」も読んでくれた。すると「ぼんやりしててなんだか読みにくい」と。これまたボウズとまったく同じ感想。親子だねえ。一生懸命書こうとしてるのは分かるんだけど、、、っていう感想も一緒。これに比べると直木賞作家はやっぱり文章上手だったね、と。

 

その作家さんが描きたい部分はややファンタジーな世界観で、リアルな部分じゃない。でもそれを無理やり頑張ってリアルな雰囲気を持ち込んで純文学風にしましたっていうのが、読みにくさの要因かなと。人物描写も類型的、母親が浮気してたから不幸です~、みたいなイージー設定はやめてほしいんだよね~、な~んてほんと勝手な事言ってるよね(笑)。

 

でもボウズは言った。そうは言っても、これ1冊書けるって、ほんとすごいよね、と。その通り。小説を1本書ききるって並大抵のことじゃないよな。そこへのリスペクトはある、とボウズ。まあ俺達の読んだ作品の3年後に本屋大賞取って、直木賞にもノミネートされてるからちゃんとすごい人なんだと思う。でも読む方は誠に勝手なり(笑)それでいいのだ。

 

次に読んだのは小川洋子の「ブラフマンの埋葬」、これはもうやられました。まさに冒頭5ページでもビリビリ来る。圧巻。やっぱり芥川賞作家はレベチだねえ。ママも「読んでいて映像がくっきり浮かんでくるね」と。ほんとだね、「博士の愛した数式」が有名でパパもかつて読んだけど、完成度はブラフマンの埋葬の方が上って気もする。

 

とはいえこの世界感が好きかと言われたら全然好きじゃない。ボウズもまったく同じ。ちなみに小川洋子さんは元々家族全員読んだことあったので、借りてくる予定じゃなかった。タイトルに惹かれてぱっと借りてきたら小川さんだった(笑)

 

で、ここまで読んで、3人でふと「昔の文豪の作品ってどうなんだろうね?」という話になった。じゃあ、とりあえずうちにある「坊ちゃん」でも読んでみようかと。読みやすそうだしな。パパもむか~し読んだきりでまったく覚えてない。文章を読み比べる、という視点から見て自分がどう感じるのか興味深かった。

 

もうね、のっけからノックアウトだった。な、な、なんだこれ、ヤバい、面白過ぎる、、、ひたすらど~でもいいような罵詈雑言をベラベラベラベラ延々言ってるだけなのに、なぜにこんなに面白いんだ?

 

ただただ、ひたすら悪態ツイてるだけなのに、なんでこんなに豊かな情感が伝わってくるんだ~~!?切なさまで伝わってくるんですけど?ヤバいな、漱石せんせ。一度完読しているボウズも改めて冒頭読んで大絶賛。

 

早速ママにも読んでもらう。ちなみにママは漱石先生を一冊も読んだことがないらしい。とりあえず四国に行く前の東京の話(10ページくらい)だけでも読んで~って渡して。果たしてママはどんな感想を持つのか!?10ページほど読み終えるとママは言った。

 

「あのさ~、この本って、ちびまる子ちゃんに似てるよね」

「え、、、、」

 

な、何を言い出すんだこの人は、、、と思ったけど、理由を聞いてほお~~~ってなった。

 

「この人って、多分人を観察するのが好きなんでしょ?」

「あ~、確かに!!吾輩は猫であるなんて、まさに人の観察日誌だもんね」

「ほんと人の見た目とか癖とか、ちょ~くだらないこと延々書いてるだけなんだけど、それがもうなんかおかしくて。目線がちょっとブラックで、くすっと笑えてっていうのもさくらももこっぽいなって」

「なるほど~、た、確かに!!」

 

とうわけで夏目漱石は、明治時代のさくらももこだったのだ(笑)。ママは坊ちゃんにすっかりハマってしまい、結局全部読んじゃった。うらなり君、うらなり君って、もうどんだけうらなり君のこと気にしてんのよ~とか、吹き出しそうになりながら読んでたらしい(笑)。

 

その後も主に直木賞・芥川賞受賞作を中心にいろいろ読んでるんだけど、ママが最後まで読んだのは今のところ坊ちゃんだけ。いや~明治の文豪恐るべし、、、ちなみにその後読んだのはこんなの。

 

 

 

 

 

 

 

残念ながら、新中1のオジョーちゃんはまださすがに参加できず。まだ児童文学系だから、芥川賞系とかちょっと厳しいかなと。あと2~3年もすれば多分いけると思うけどな~、でもその時にはもう、ボウズはうちにいないか~、、、なんて思ったらちょっとしんみりしちゃったな。こんなふうに家族で毎日のようにいろいろ話せるのもあと僅かか。

 

そう思うと、この小説つまみ食いマラソン、やっぱりすごく良いなって思った。今のうちに小説と共に、この家族をよ~く味わっておくのだ。

 

どうせなら、、、子どもたちがいなくなっても夫婦で続けよっかな?図書館で借りてきた小説を、2人で交互に読んで感想を言い合う老夫婦。あれ?なんか小説っぽいかも?(笑)

 

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近所の図書館の本はずいぶん読んでしまった。かといって街中の図書館まで出向くとなると老婦にはやや足が重い。午前のさらさらとした陽が差し込む古びた小さな図書館で、ふとまだ読んだことのない本を見つける。人里離れた海辺でカフェを始める中年夫婦の話だった。

 

昼をそうめんで簡単に済ませると、ソファで読み始める。冒頭だけにするつもりが意外に面白くて一気に読んだ。読み終わり、ダイニングテーブルの端に置いてある小さな籐のかごに本を入れる。そこに本が入っているということは、読み終わったよ、というサインだ。

 

ただ、もうその本を手に取る人はいない。それでも読み終わった本は、なんとなく習慣でそこへ置いてしまう。庭を見ると、梅の実がだいぶつややかだ。そろそろだろう。梅酒も1人分なら下の方だけを取ればいい。どうだった、今回の本?ふと感想を尋ねるあの声が聞こえた気がした。

 

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ね?どう?俺が死んじゃってる設定(笑)ちなみにうちのママはこんなセンチメンタルじゃないけどな。ああ、あいついなくなったか~って、伸び伸び暮らしてそう(笑)。でも、しばらく家族で小説つまみ食いマラソン、続けようと思ってます。皆様もいかが?