汚れた手をそこで拭かない | dokidoki感

汚れた手をそこで拭かない

こんにちは

この本を読みました

芦沢 央

汚れた手をそこで拭かない







簡単なあらすじ

直木賞候補に挙がった短編集


感想

私には当たりハズレの大きい芦沢さんの小説ですが
芥川賞より信頼できる直木賞候補作だったらしく
試してみた短編集です

「ただ、運が悪かっただけ」
夫が睡眠中うなされるため 理由を妻が聞くと
過去自分のせいで人が亡くなったからと言います

内容を聞くと夫が駆け出し大工だった頃
ちょーワガママな常連客に 仕方なく脚立を売ると
その脚立から落下し 顧客は亡くなったらしく

夫にはまったく非がないことを説明してると
新たな事実が浮かび上がる という物語で

この常連客のワガママさは 今で言うモンスターで
それを真摯に対応していた夫の様子は
こんな素直な人が犠牲になるのだろうなーという
真面目な人が損するような現実と

さらに意外な展開があるイヤミスで
読み応えありまくりでした 
いや短編だけど ホントに濃密


「埋め合わせ」

夏休み中の小学校教師が プールの水に関して
ミスをしてしまい 大損害を発生させてしまいます

正直に言いうべきだけど 昨今自分で弁済したり
処罰の対象になったニュースを見ているから
正直に言う事ができません

そんな教師が取った行動とは・・・・・
と言う物語で 教師は自分のミスに慌てるも
何とか隠蔽しようとするのが 気持ち悪く

本人も正直に告白すべきと言っているのに
タイミングを逃したり 保身から言えないの
生々しかったです

まあ私なら絶対にこんなことにはならないから
主人公にシンパは全くできないから 
つまらない物語だと思って読んでると

後半 意外な角度の展開となるのが
作者の掌の上で踊っていただだけだなと
感心してしまいました


「忘却」
住んでた家を売却し 賃貸アパートに引っ越した夫婦が
異臭で迷惑を被ると 隣人が孤独死したことが理由でした

隣人は夏なのにエアコンをつけずに寝ていたため
熱中症が原因でなくなったようなのですが

亡くなった人の電気料金未納のハガキを間違えて
開けてしまったため 主人公は返却できず
まだらボケの妻に任せてしまったところ
隣人の電気料金の支払い問題が生じてしまったため
もしかして自分に責任があるのではと危惧していると

すると妻はなにか忘れていないかと 言うようになり
主人公は妻に余計な気遣いさせないために行動してると
意外な展開となりました

こちらも人間のイヤな部分を描いた物語で
どうなるのだろと 途中まで引き込まれましたが

この終盤からのラストは 色々ハッキリせず
これで終わり? と思ってしまい
中途半端で消化不良に 私は感じました

そんなのでまあまあでした


「お蔵入り」
若手映画監督がようやく掴んだチャンスで
大物俳優も起用でき 手応えを感じていたら
主演男優に薬物使用の疑惑が・・・

それが元で諍いが起こり 事故が発生してしまい
無理矢理やり過ごそうとメドが立ったのに
(実際は無理筋なやり方ですが)

思わぬ角度から横やりが入り戸惑います
その横やりと 真意とは という物語で

面白いけど そもそも監督の選択がミスしてるから
同情出来ないし この横やり入れた人も
間違った行動だから なんだかなーと言う感じと
これで終わり?て感じで消化不良で残念でした


「ミモザ」
最近売れっ子の料理研究家のサイン会に
9年前に別れた男がやって来て動揺しまくります

彼には妻がいるから不倫関係だったし
現在は自分も結婚しているから
なんで今更?って感じなのですが
誘いに応じてしまうと

なんと金を貸してくれと頼まれ 承諾すると
ドロ沼にはまってゆきました
果して主人公の運命は という物語で

この男 とても不愉快で腹が立つし
主人公もバカなの?とは思うけど
イヤミスとしては とても面白かったです

しかし こちらも最後これで終わり?となり
残念でした これもっと過去を描いたり
この先を描き 短編ではなかった方が良かったかも
でもこちらはまあまあ面白かったです

そんなので私は1番はじめの物語が好みで
トータルまあまあ面白かったです