こんにちは、日本母親支援協会の柴田です。今日は、グローバル社会で活躍するには自立ではなく自律を育てることというお話です。
日本の子育ては、「他人に迷惑をかけない」ということが一番重要視されてきました。子供の個性より団体の中のひとりとして育ててきたのではないでしょうか?
その子育てで子供は自分を磨くことより、周りに合わせることを常に求められてきました。
そのことにより、自分の意見を言わない、他人の意見に同調する。それが正しい対処法だと教えられてきたのです。
その結果、日本は世界の中で次のようなイメージを育ててきたのです。
- 「体が小さくてクレームをつけない、ちょっと奇妙な人種」
- 「あまり口を開けてしゃべらない」
- 「すぐに謝る」
- 「真面目に働き、ルールを守り、違反や悪いことをしないイメージ」
- 「エレベーターの“閉まる”ボタンを押す」
- 「自分の意見を言わずにニヤニヤしている」
話を戻します。
親は子供より早く死にます(年齢的に見て)。ということは子供を早く自立させなければいけません。
小学校までは、「あれしなさい、これしなさい」と子供を管理していました。そんな子供が中学生になると親のお世話を嫌がる思春期に入ります。
その時に子供が自立出来ると思いますか?親の言うことを聞かないのは自立ではありません。ただの反抗期です。
反抗期は成長の一里塚です。その反抗期まで親が子供を管理し続けていると、子供は自立の方法を学ぶことが出来ません。
では、いつから自立できるように教えれば良いのでしょうか?
社会人になったら自然に自立するとお考えでしょうか?はたまた、社会人になったら自立しないと生活できないから自立するとお考えでしょうか?会社に入って一人住まいをすることが自立でしょうか?
■「自立」と「自律」は違います。
大辞林によると、「自立」とは、他からの支配や助力を受けず、自分の行動を自分の立てた規律に従って正しく規制すること。「親元を離れて自立する」。
それに対して「自律」とは、 他からの支配や助力を受けず、自分の行動を自分の立てた規律に従って正しく規制すること。
自分で立つというのが自立。
それに対して、自律の「律」は、掟、法律です。特に、古代、犯罪・刑罰について定めた刑法典のことです。
日本史で出てきた「大宝律令」や「養老律令」は記憶に残っているのではないでしょうか?
20世紀は、我が子を自立させることが目的でした。基礎を教えて学校では優秀な成績を収めて会社に入る。そして先輩や上司から仕事の基礎を教えてもらって、それを覚えて身につけて一人前になる。それを繰り返して定年まで頑張るというのが「常識」でした。
しかし、今は21世紀です。20世紀と同じ子育てをしていた結果、世界から取り残されてしまったのです。
そして、20世紀の子育てをして社会人になった人間は、正社員にすらなれずに非正規雇用として将来に夢も持てずに働いているのです。
これからは、「自律出来る大人」に育てることが求められる子育てです。
「自律できる大人」というのは、自分で考え自分で決め、自ら仕事を作り出す大人です。
会社に入って先輩や上司に教えられるのを待つのではなく、自分で、仕事で必要とされているのは何なのかを探し、調べ、身につけて会社に貢献する。そんな即戦力が求められているのです。
今から6年前の2014年にオックスフォード大学が「今後10年間でなくなる仕事」というのを発表しました。
銀行の融資担当者、ネイリスト、測量技術者、彫刻師、歯科技工士、塗装工や壁紙張り職人、レジ係、税理士などなど702業種が挙げられています。
今ある仕事の47%がコンピューター技術によって自動化されるというものです。
その予想が、すでに現実となっています。
メガバンク各行は2017年に大規模なリストラ計画を発表しました。その発表によると、三菱UFJは9500人分の業務量削減、三井住友は4000人分の業務量削減、みずほ銀行に至っては1万9000人の人員削減となっています。
長引く低金利で銀行の収益が出なくなったことに加えてキャッシュレスの伸びにより店舗に来るお客様がどんどん減っていることで余剰人員が出ているということです。
銀行以外の一般企業でも、一部を除けば業務の大半は定型的なものといってよいでしょう。長引く不景気を乗り切るために業務を自動化し社員をリストラしていくでしょう。
もう一つは、人材不足を補うために外国籍の社員を積極的に採用する企業も増えています。
そんなグローバルな社内では、言われたことだけをやる社員より、言われなくても自ら仕事を作り出し企業の収益に貢献する社員が重用されるのは目に見えています。
先輩や上司から言われたことだけをこなし、経験を積みながら一人前に育てるという余裕が企業からなくなっています。
■グローバル企業での仕事術
日本貿易振興機構(ジェトロ)が2019年に発表した「アジア・オセアニア各国の一般工の米ドル建て月額賃金の比較」を見てみましょう。
日本人の賃金は第三位で2,834$です。バングラディシュの首都であるダッカの賃金は109$。わかりやすく例えるなら日本人の月給が約30万円、それに対してダッカの月給は約1万2000円です。
もし、同じ能力があるのなら、経営陣はバングラディシュ人を雇うでしょう。日本で暮らすために必要な経費を負担したとしても安上がりです。
これからは、どんどんアジア各国から日本に仕事を求めて入ってくるでしょう。そこで日本語しか話せない社員は会社としては重荷となってリストラの対象にならざるを得なくなります。
そうならないような大人に育てることが今の親には求められています。子供がどこの会社に入っても、どこの国に赴任しても立派に会社の期待に応えられる人財として育てることが求められているのです。
そして、そのような大人に育てることで子供も幸せな人生を送れるようになるのです。
正社員として、あるいはフリーランスで仕事をこなす人財。そんな大人に育てるには、どうすればいいのでしょうか?
答えは、自律出来る大人に育てることです。自分で考えて自分で答えを出すように子供に働きかけることです。
親が何でも「あれしなさい、これしなさい」「あれやったの?これやったの?」などと口うるさく管理するのではなく、「次はどうすればいいと思う?」「もっと簡単にできる方法はないかな?」などと子供に考えさせるように意識することです。
そして、「失敗するとかわいそう」と庇ってあげるのではなく、失敗をたくさん経験させることです。その失敗の中から成功につながるヒントを見つけ出す経験をたくさんさせることが大切なのです。
そのために大切なのは社会人の先輩であるパパの意識改革です。パパが今まで生きてきた道を踏襲させるのではなく、全く未知の世界を恐れずに進んでいけるだけの能力を育てること。
そのためには、パパも社会ではなく世界を学ぶ必要があります。世界の動きを学び、その中から今までとは違った新しい仕事に役立つ知識を見つける。
そして、毎日同じルーティーンではなく、今までよりももっといい方法はないのかという疑問を持ち続けて仕事を切り開く習慣をつけて頂ければ、子供もパパを見本として新しい道を切り開く意識を持つようになるでしょう。
もう、適当な大学を出てサラリーマンになればいいと言う時代ではないのです。子供の未来のために、親の意識改革が必要な時代なのです。
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