こんにちは、日本母親支援協会の柴田です。今日は、親の言葉が子供の自律を奪っているというお話です。
親は子供のためと思って色々と口を出します。失敗してほしくない、正しく育ってほしい、躾がなっていないと思われたくない…など子供のためだけでなく親自身のメンツのためでもあります。
そのために先回りして子供を誘導、管理しようとしてしまうことが多々あります。
それは本当に子供のためになっているのでしょうか?子供は発達途上です。様々な失敗を経験することが大切なことです。それなのに、子供に失敗させては可愛そうと思って失敗しないように手を差し伸べてしまいます。
失敗という経験をしないまま成長するとどうなるのでしょうか?失敗すると自分が悪いのではなく相手や周りが悪いのだと考えてしまわないでしょうか?
また、失敗した時に、次に同じような失敗をしないようにするためにはどうすれば良いのかという思考回路ができていませんので、同じような失敗を繰り返してしまわないでしょうか?
子供は、「これをこうしたらどうなるのかな?」と「実験」を重ねながら答えを導き出しているのです。
その「実験」の結果を親が先に教えてしまうとどうなるのでしょうか?当然、「つまらない」となって「実験」する意欲を失ってしまいます。
親という仕事は「プレイヤー」ではなく、「コーチ」なのです。自分がやるのではなく、子供の好奇心を満足させるお手伝いや環境を作ることが仕事です。
■口うるさいコーチがいたら選手はどうなるのでしょうか?
数々の記録を塗り替えた大リーガーのイチロー選手がオリックスでプロ一年生を迎えた時、監督とコーチが「その打撃フォームではダメだ。あれしろ、こうしろ」とイチローを管理しました。
一軍に上る前の二軍生活で、58試合238打数87安打、打率.366という成績で、ウエスタン・リーグの首位打者を獲得していました。
その打力を評価されて一軍に上がってきたのです。才能は誰もが認めるものでした。監督とコーチは「もっと才能が伸びる」と考えてフォームを変える必要があると判断したのでしょう。
しかし、それは逆効果でした。フォームを狂わされたイチローは全くヒットが打てなくなりました。
そこで監督とコーチは、「ちゃんと俺たちの言うことを聞かないからだ!」と叱り「言うことを聞けないなら二軍に落とすぞ」と脅したのです。
イチローは、この言葉にひるまず「わかりました。二軍に行きます」と言って自ら二軍に戻っていったのです。
イチロー自身がわかっていたのです。この監督とコーチの言うことを聞いていたら自分が潰されてしまうということを。
二軍に戻ったイチローは恩師である二軍の打撃コーチを務めていた河村健一郎
と相談し、改めてフォームを以前の振り子打法に戻したのです。
そして、イチローの打撃フォームの改造を命じた土井正三監督が退任し、仰木彬がオリックスの新監督に就任しました。
仰木監督は、イチローの振り子打法を見るなり「なかなかいいな」と評価したのです。
そして、イチローの「振り子打法」には一切注文を付けず、イチローの好きに打たせました。
すると、イチローは仰木監督の期待に応え、開幕戦で初安打を放つと、以後、開幕から、1本塁打含む5試合連続安打と、いきなり打ちまくったのです。
そして、その年、イチローは見事にプロ野球史上初のシーズン200安打を達成したのです。
イチローを潰したといわれた土井監督は巨人で大活躍した選手です。その功績が評価されて選手引退後はコーチとなり、オリックスの監督にまでなった人です。
そんな知識も経験も才能もある監督でさえ、イチローの才能を伸ばすことは出来なかったのです。
ましてや、親一年生であり知識も経験もない多くの親が、子供の才能を正しく引き伸ばすことは不可能ではないでしょうか?
そこで多くの親は自分の経験から「こうすればいい」「これをしてはいけない」と自分の枠を押し付けてしまうのです。
その結果、天才として生まれた子供の才能が「平凡」な親に育てられて「凡人」になっていくのです。
赤ちゃんは、好奇心の塊です。知的好奇心が次から次へと湧き出ているのです。その意欲を育てるのも削ぎ取るのも、親の言葉なのです。
親は子供がやろうとしていることをサポートし暖かく見守ってあげるべきなのです。
そして、危険なときや周りの人に迷惑を掛ける時には「これは怪我をするからここまでなら大丈夫。でも、ここからはちょっとやめようか」「自由にしてもいいけどお友達の自由は犯してはダメだよ」などと説明してあげることが大切です。
そして、困ったときや不安なときには、いつでも優しく包み込んであげる「安全基地」になることです。
その安全基地があるからこそ、子供は勇気を持って外界に出かけていくことが出来るのです。
東大生の中学時代の声を聞いてみましょう。
- 「『勉強しなさい』と言われるとかえってやる気をなくす」
- 「親にはあまり不満を抱いていなかったけど『勉強しろ』と言ってくるところだけは嫌いだった」
- 「『遊んでないで勉強しなさい』と言われるのが一番イヤ」
などなど、やはり「勉強しろ」と口うるさく言われてうんざりしていたようです。
これは東大生ではなくても多くの学生が同じように「勉強しろ」という言葉に嫌気が差していたのではないでしょうか?
逆に勉強に対して何も言わなかったらどうでしょう。同じく東大生に聞いてみました。
- 「勉強に関しては一切口にせず、私の好きなようにさせてくれた」
- 「勉強にあまり干渉してこなかった親に感謝。うるさく言われていたら、勉強が嫌いになっていたかも」
- 「親に何も言われないのが一番嬉しかった」
- 「過去一度も『勉強しろ』と言われたことがない」
子供を信頼し、子供の自主性に任せていた親も多くいるようです。もちろん、それまでの育て方が大きく影響していることも確かです。
どういう育て方かと言いますと、子供の人格を尊重し、子供の意見をしっかりと聞く姿勢を見せていること。
そして、子供が悩んだり困ったりしたときには「親身になって相談に乗り、時には議論にも熱心の付き合ってくれた」 ということです。
子供にガミガミと口うるさく言うのは、子供のためではなく、もしかしたら、あなたの不安や不満を子供にぶつけているだけなのかもしれませんね。
いかがですか?あなたが日頃子供に対して、どんな言葉を習慣的にかけているのか振り返ってみませんか?
日本母親支援協会はあなたの育児を応援します。お聞きになりたいことがありましたら、こちらでご質問くださいね。
