クリスマスの前の夜のことです。家の中では、ネズミさえ寝入って、物音ひとつ聞こえません。
煙突のそばには、きちんと靴下がつるされて、聖ニコラスの到着を今か今かと待っています。
降ったばかりの雪の上に出た月が、あたりを真昼のように輝かせていました。
その時、不思議そうに見つめる私の目に映ったのは、小さなソリと八頭の小さなトナカイでした。
まるまると太った、本当に陽気なおじいさん小人で、その姿に、私は思わず笑ってしまいました。
ウインクして見せたり、首をかしげて見せたりで、少しも怖がる必要などないと、すぐに分かりました。
聖ニコラスは、黙々と仕事に取りかかりました。どの靴下にもプレゼントをいっぱい詰め込んで、くるっと向きを変えました。
鼻の横に指を当てると、こっくりとうなずいてから、煙突を上っていきました。
聖ニコラスはソリに跳び乗ると、トナカイたちに口笛の合図を送り、アザミの綿毛のように飛び去っていきました。
でも、彼の姿が消えた時、大きな叫び声が聞こえてきました。
「皆さん、ハッピー・クリスマス。すてきな夜になりますように。」


