こんにちは 柴田です。
突然ですが、国語の問題です。あなたは、この漢字が読めますか?
1位 貼付
2位 依存心
3位 間髪をいれず
4位 漸く
5位 早急
どうでした。自信をもって正解が出ましたか?
これは、読み間違ったことのある漢字のベスト5です。正解は…、
1位 貼付(×はりつけ→○ちょうふ) 48.3%
2位 依存心(×いぞんしん→○いそんしん) 32.8%
3位 間髪をいれず(×かんぱつをいれず→○かんはつをいれず) 31.5%
4位 漸く(×しばらく→○ようやく) 28.7%
5位 早急(×そうきゅう→○さっきゅう) 28.0%
僕は、みんな間違っていました(^_^;)
思い込み・刷り込みというのは、怖いですね。
「議論と対話の違いって何だと思う?」
「議論っていうと、何かを決めちゃう感じがするけど、対話は決めない気がする」
大学生か高校生あたりの子どもと親との会話かと思われたなら、さにあらず。
今夏発売され、5万5000部のヒットとなったビジネス書
『世界のエリートが学んできた「自分で考える力」の授業』(日本実業出版社)
の著者、狩野みきさんと10歳の娘さんとの会話だ。
「なぜ?」「何?」というやり取りを通じて、どんな物事に対しても理由(=根拠)を考えるクセをつけることで、ほかにはない自分オリジナルの意見を作り上げていく。
まさに本の内容が、狩野家では日々繰り広げられていると言っていい。
海外での仕事や留学経験を通じて、肩書の書かれた名刺を差し出すだけでは何も評価されず、何をやっている人なのかが問われる場面に直面した人は少なくないだろう。
自分はいったい何者なのか? それをつねに問いかけながら、人とのコミュニケーションを図っていくこと。
深く考えて、自分なりの意見を、英語をはじめとする外国語で表現することが、グローバル社会では求められる。
狩野さんは、グローバル社会を生きていくうえでの2大必須スキルとしての「考える」ことと「英語」のプロとでもいうべき人だ。
狩野さんは、父親の海外赴任で中学2年生から高校2年生までの多感な時期をドイツのブリティッシュ・スクールで過ごした。
どんな授業、テーマであっても、英語で賛否を明確に示すこと求められた環境が、彼女にとっての「考える」ことへの興味の原点となっているようだ。
狩野さん自身、
「向こうでは暗黙のうちに『自分色を出す』ことを求められていたので、意識せずとも訓練されていた気がしますね」
と振り返る。
小さい頃から、
「死んだらどうなるのだろう」
といった正解のない、ご本人いわく
「愚にもつかないような問いを立て、考えることが好きだった」
という狩野さん。
博士課程在籍中から英語ディベートの代用教員などとして教職のキャリア積む中、マニュアルに基づいて教えるスタイルに違和感を持ったという。
そこで、学生たちにも自分の好きなテーマを選ぶよう働きかけたのだが、学生の反応は
「先生が決めて下さい。何でもやりますから」
という受け身のものだった。
論文指導の授業でほかの学生に意見を求めても、
「いいと思います」
という答えしか返って来なかったり。
「とにかく意見を言わないのです。ですから、英語以前に意見を言うこと、さらには意見の作り方を教える必要があると思いました」。
危機感を覚えた狩野さんは、大学での授業とは別に、子どもの頃から自分で考え、自分の意見を表明する楽しさを体得してもらうスクール「Wonderful☆Kids」を始めた。
そんな狩野さんなので、お子さんたちに対しても、家庭でのさまざまな会話の場面で、自分で考え、自分の言葉で気持ちや考えを表現させることを心掛けている。
その教育方針は、10歳の娘さんがまだ赤ん坊だった頃に夫がつぶやいたという
「この子には何でも説明してやろう!」
の一言に象徴されている。
「聞いたときはビックリしましたが、即座に、人間として個人として尊重するというポリシーには大賛成だと言いました。
夫は、言葉も発せずハイハイしている娘に向かって、部屋の中でたこ足配線になっている場所を指して
『ここには行っちゃダメ! なぜかと言うとね……』
と、とうとうと話すような、ちょっと変なところのある人なんですけどね(笑)。
彼も帰国子女で、子どもに大人への服従を強いる日本社会に対して、理不尽さを抱いてきたのでしょうね」
狩野さんのお子さんたちは、母親のことを名前で「みき」と呼ぶ。
親子で名前で呼び合うなんて、友達親子みたいで子どもを生意気にさせるのではないかという反応にも出合うそうだが、
「全然、そうじゃないですね。娘にとっていちばん怖いのは、母親である私。
夏休みの宿題のプリントをなくしてしまったときには、目に涙をためながら、ことが起きてしまった理由や、この経験から学べる教訓を話してくれましたよ」
と言う。
こうした、言葉を持って向かい合い尽くすアプローチが結実したのが、娘さんの劇団オーディションのときだろう。
小学校2年生の学芸会で、演じることの楽しさに目覚めた娘さんは、狩野さんに劇団に入りたいと直訴してきた。
これに対して狩野さんは
「おカネも出すし、レッスンにも連れて行くけど、願書は自分で書きなさい」
と言い渡した。願書はさながら、企業へ就職活動で出す履歴書のようだったという。
「劇団に入りたいと思ったきっかけ(根拠)と応募(理由)などが求められるのです。
将来の夢としては『女優になっていろいろな人の人生を生きてみたい』と書いていました。
提出期限まで40日間あったので、いきなり書き出そうとする彼女をたしなめて、『志望動機として考えたことをメモに書きためてから書いてごらん。
そうすれば劇団に入ってからも立ち返れて、後々、役に立つよ』と励ましました」
結果は合格。審査員からは
「小学校3年生とは思えないほど、自分の言葉で自分のことを表現できている」
というコメントをもらったのだそうだ。狩野さんは
「夫も私も『なぜ?』が口ぐせなので、娘はなぜ?と聞かれることに慣れていますね」
とほほ笑む。
娘さんは今、劇団でのレッスンのほか、唯一の習い事としてバランス感覚を養う体幹トレーニングにも励む。
「考えるって、わかることが増えていくことだから楽しい。中学生になったら、演劇部に入りたいし、絵もやりたい。国語も好き。自分の考えを表現できる科目が好き」
と屈託がない。
一方、5歳の息子さんとの日々のやり取りを通じて、未就学のうちからも自分で考え、自分の気持ちを言葉で表現させることの重要性を、狩野さんは感じている。
「最近、子どもの『キレやすさ』が言われますが、自分のことを客観視し、カッとならずに気持ちを言語化させるEmotional Intelligenceのアプローチが、この問題への救いになるのではないかと思っています。
何か起きたら『じゃあ、どうすればいいか』と自分を客観視し、相手の立場に自分を置き換えて考えながら、言葉にさせてみるのです」
その際に大切なのは、
「怒らないから話してごらん」
と安全地帯を作ってあげることだという。同じ年頃の子どもを持つ筆者も、早速、試しているところだ。
東洋経済オンライン - 2013年11月28日 木曜日
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