ステータスなイメージのあるタワマンですが、これは政府と大手建設会社の癒着と利権によるイメージ戦略です。
タワーマンション(以下、タワマン)には、眺望のよさや充実した共用施設など、生活を豊かにしてくれる魅力があります。
しかし、タワマンはそもそもの物件購入価格が高いうえに、維持費の負担も重くなりがちです。また、生活をするにあたって不便さを感じる場面も少なくありません。
今回は、筆者がFPとして相談業務をする中で、実際にタワマンを購入した後に後悔したという方の実例を紹介します。
実際に起こり得るタワマン購入前後のギャップとは
タワマンは、高層階の場合、その眺望が良さが魅力です。またコンシェルジュやフィットネスジム、キッズルームなどが完備されている物件もあります。
一見すると生活をするうえで利便性を感じられそうですが、実際に住んでみるとギャップを感じることも少なくないようです。
以下では、実際に住んでみたタワマン住民だからこそわかる、後悔ポイントを紹介します。
後悔ポイント1:共用施設やサービスをほとんど使わない
魅力的な共用施設やサービスがあっても、実際に利用するかどうかは別の話です。
内見をする段階で、コンシェルジュや充実した共用施設を見ると、テンションが上がってしまうのも無理はありません。しかし、実際に利用する場面が少なく、実用性に乏しいケースは往々にしてあり得ます。
実際に相談を受けた事例として、共働き夫婦がペアローンでタワマンを購入したケースがあります。二人ともフルタイムの会社員ということもあり、共用施設を利用する時間がほとんどなく、有効活用できていないようです。
結果的に、共用施設が充実しているメリットを活かしきれず、今に至っています。
後悔ポイント2:一般的には流動性が低い
タワマンは、立地や階数によるものの、東京都内などでは1億円以上の価格で取引されるケースが少なくありません。購入できるのは一部の富裕層に限られており、流動性が低いというデメリットがあります。
流動性が低いと、売りたいタイミングで、売りたい価格で取引できるとは限りません。実際に、「転勤に伴ってタワマンを売却しよう」と考えたものの、なかなか買い手が見つからずに困ってしまった事例があります。
実際の相談事例では、運よく賃貸物件としての借り手が見つかり、事なきを得ました。しかし売却にこだわっていた場合、買値よりも大幅に下げた価格でなければ買い手が見つからない、という可能性があり得たでしょう。
後悔ポイント3:災害に弱い
タワマンは十分な耐震性能を備えていますが、災害に強いとは言い切れません。
たとえば、停電が発生するとエレベーターが止まってしまいます。高層階に住んでいると、外へ出るまでに相当な時間と体力を使うでしょう。高齢者の方や小さい子どもがいる場合、避難するだけで消耗してしまう恐れがあります。
また、2019年には神奈川県川崎市にあるタワマンの電気設備が浸水し、全棟が停電するアクシデントが発生しました。タワマンを購入する際には、建物の電気設備がどこにあるのか、避難経路や避難器具の設置スペースはきちんと確保されているか確認する必要があります。
タワマンは一見すると、耐震性能が高く共用施設も豪華なので「安全」というイメージを持ちがちです。しかし、実際には災害が起こると、さまざまな不都合が生じてしまうのです。
後悔ポイント4:修繕積立金と管理費の負担が重い
タワマンは共用施設が豪華な分、管理にコストがかかります。修繕積立金や管理費の負担が重くなりやすい点には注意が必要です。
私が実際に相談した方の中には、毎月の修繕積立金と管理費が約4万円という方がいました。
国土交通省の「マンション総合調査(平成30年度)」によると、マンションの修繕積立金の平均は1戸あたり12,268円でした。相談した方の修繕積立金と管理費は平均値の3倍以上となっており、重い負担と言わざるを得ません。
大して利用していないサービスや共用施設を維持するために割高なコストを負担するのは、コストパフォーマンスが悪いでしょう。マンションを購入する際にはローンの返済に意識が向きがちですが、購入後の修繕積立金や管理費などのコストにも目を向けるべきです。
後悔ポイント5:洗濯物のルールが設けられていることがある
タワマンによっては、「洗濯物を外で干せない」という制約があります。高層階から地上に落下すると、大きな事故につながるリスクがあるためです。
洗濯物を外に干せないと、室内干しをせざるを得ません。私が実際に相談する中で「乾燥器の使用頻度が増えて電気代が嵩んだ」「乾燥機を新しく購入せざるを得なくなった」など、居住ルールが原因で家計のコストが上昇してしまったケースもあります。
タワマン購入前には綿密な資金計画とイメージを考えることが大切
タワマンを購入するときは、事前に綿密な資金計画を立て、入居後のイメージを考えましょう。
内見の際には、充実したサービスや共用施設を魅力的に感じます。また、部屋からの眺望がよければテンションも上がるでしょう。
しかし、サービスや共用施設を実際に使えなければ意味はありません。また、エレベーターが動かなくなったときの影響や、入居にあたってのルールも確認しないと、入居後に困ってしまう事態になりかねません。
さらに、タワマンは購入費用が高額なだけでなく、入居後のコストが割高です。結果的にコストパフォーマンスが悪く、家計の収支を圧迫してしまう恐れがある点にも留意すべきでしょう。
実際に相談を受ける中で、タワマンを購入したあとに「こんなハズじゃなかった」という悩みを抱える方は少なくありません。
入居後のコストや「本当にサービスや共用施設を利用する機会があるのか」を冷静に判断しましょう。大して利用しないのにも関わらず、割高なコストを負担し続けるのは合理的とはいえません。
タワマンは魅力的な居住空間であることは確かですが、将来の生活まで考えたうえで、慎重に資金計画や生活設計を立てる必要があります。
【柴田充輝】
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。 FP1級と社会保険労務士資格を活かして多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。




