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ハッピーダイエットの船田です。
政府がポイントで釣り上げるように作らせているマイナカードは、先に実施した国では問題が多発して撤退していることが多い。
それでもごり押ししているのは、便利になるとかじゃなく、違う理由があるからです。
マイナカードではなく、囚人番号であり、預金の徴収カードだと思った方がいいでしょうね。

「マイナカードはデジタル社会を新しくつくっていくためのパスポートだ」 昨年10月、保険証の廃止をぶち上げた会見でそう述べた河野氏。
その発言の影響力は今なお健在で、今年2月には給食費無償化をマイナカード取得者に限定する方針を示した岡山県備前市の吉村武司市長が「マイナンバーカードはデジタル社会の構築に必要なツール」とその理由を述べている。
しかし、カード取得を事実上強制するまでしなければ、本当にデジタル社会は到来しないのだろうか。
この疑問に答えてくれるのは“デジタル先進国”と呼ばれる国々だ。 国連が昨年9月に発表した「電子政府ランキング」で、日本は総合14位。
より上位にランクインしたデジタル先進国にもマイナカードに相当する番号カードが存在するのであろうか。
デンマークは「カードなし」
まずは1位のデンマークから見ていこう。同国の事情に詳しいジャーナリストの坂井明氏によれば、 「デンマークでは1968年以来、国民にCPR番号という共通番号が付番されています。
導入当時にはカード化も検討されたようですが、手続きの煩雑さや費用の面から断念。現在でもカードは発行されていません」 では行政のデジタル化はどのように進められたのか。
「行政のオンライン手続きで使用するのは共通番号とは全く別のIDです。共通番号と異なるIDを使うのは犯罪防止のためで、スマホでパスポートのICチップを読み取り、顔認証も行う厳格な本人確認を経て発行されます。
すでに90%以上の住民がこのIDを取得しており、住所変更はもちろん育児ケアの申し込みや遺言も可能。かつてオンライン手続きのために専用カードが使われていた時期もありましたが、セキュリティーの問題からこちらも廃止されています」(同)
マイナカードに相当する番号カードが存在しないデジタル先進国は他にもあって、7位のオーストラリア、10位のアメリカでもそのようなカードは存在しない。
また、11位のイギリスも一度は番号カードの導入が決まったものの、プライバシーや費用の問題から10年に法律が廃止されている。
「カードが必要という理屈がよく分からない」 オーストラリア第3の都市であるブリスベンで会社を経営する女性は、 「オーストラリアには納税者番号と医療番号がありますが、どちらも分野別の番号。
80年代にオーストラリアカードという共通番号に基づく身分証の導入が議論されたこともありましたが、実現していません」
日本の保険証に相当するカードは存在するというが、 「管理番号と名前が書いてあるだけで生年月日も顔写真も記載されていないため、身分証明書として使うことはない。
病院では券面に表示されていない生年月日や既往歴を確認することで他人による悪用を防いでいます。番号カードがなくても行政手続きはほとんどオンラインでできるので、デジタル化のためにカードが必要という理屈はよくわかりません」(同)
40%が紛失
一方、3位の韓国では17歳以上の国民に13桁の住民登録番号が付番され、番号が記載された住民登録カードも幅広い分野で利用されている。
だが、『韓国 超ネット社会の闇』などの著書があるジャーナリストの金敬哲氏によれば、 「韓国では『政府24』というオンラインサービスがありますが、住民登録番号を使ってワクチン接種証明や家族関係証明書など多くの書類を取得できます」
つまり韓国でもオンライン行政手続き自体にカードは使われない。住民登録カードの廃止も議論の俎上に載っているといい、 「問題の一つはカードの紛失です。
一昨年には17歳以上の国民の約40%が10年間のうちに1回以上、カードを紛失していることが分かりました。再発行は10年間で1650万件に上り、1千億ウォンもの費用がかかっていたのです」(同)
いかがだろうか。
もちろん番号カードを必要とする事情は国によって異なるため、容易に比較できるものではない。だが、カードを用いずにデジタル政府化を成し遂げた国々がある以上、カードの普及が絶対条件であるかのような河野氏の発言はミスリードと言われても仕方あるまい。
必要とされているのは、あくまで丁寧で合理的な説明なのだ。 マイナカードの利点・欠点を知った上で、我々もその是非を熟考すべきだろう。
「週刊新潮」2023年3月2日号 掲載 新潮社

