陰陽五行の原則に、「陽極まれば陰となり、陰極まれば陽となる」という言葉があります。陰陽の関係は常に流転するので陽のままや陰のままではいないということです。また、同じ陽でもその陽気が極まりすぎると、ぐるっと逆転して陰になってしまうということです。陰陽の対極図がそのさまを示していますね。
先日、夜の二時頃にふと眼がさめてしまって、なんだか寝つけなくなってしまいました。しばらくゴロゴロしていたのですが、もういいやっ!てんで起きてしまいました。しばらく読書やら雑用やらやっていたのですが、どんなにヒーターをいれてもなんだか寒くてどうしようもないので風呂を追い炊きして入ることにしました。その時です。寒いので熱めにしてさあ、はいろうという時です。足をつっこんだとたん、熱いのですがガタガタっといやな寒けが全身に走りました。歯を食いしばってこの寒けに負けないように風呂に浸かったのですが、風呂はとても熱いのに寒けがとれません。熱い風呂のとき、よくあるのは自分のまわりには膜のようなゾーンができて、かき回すとまた熱いお湯が体に触れますよね。それをやって体を暖めようとしたのですが、熱い感触に触れるたびに寒けが走るのです。しばらくそんなことを繰り返しているうちにやっと寒けがひいてきましたが、まったく気持ちの悪い寒けですっかり風邪をひいたかと思ってしまいました。
しかし、なんとか無事で事もなく過ぎたのですが、後で気づいてみるとこれはまったく陰陽の話なんですね。
今回出た『だるまんの陰陽五行.東洋医学の章』にも描いてありますが、人には陰気と陽気というふたつの気が存在します。ふつう、陽気は内側から外側へと発散することで体を陽のゾーンで包みます。この時毛穴が開いて外側へと出るのです。これは一種の健康オーラです。そして陰気は内側へと篭るようにして体の水分代謝やホルモンな分泌を司ります。
さてそこで寒けですが、これは毛穴から陽気が出れない時に起きる現象です。風邪の初期に熱があるのに寒けがすることがありますよね。それは体が毛穴を開かずに体温を上げようとしているタイミングなのです。そしていよいよ体温が上がって、免疫力の発揮できる状態になったとき、いっせいに毛穴が開いて汗を出すのです。このとき、もう寒けは消えてしまいます。これはまったく陽の性質そのものなのです。陽はとにかく発散しようとするのが特徴ですから、発散できないときに、つまり内に篭もらざるを得ないなときに、陽極まって陰となり、寒けになるわけです。活発な子ほど、なにかの契機で挫折したときに、現実に対処することができなくなり、引きこもりになりやすいという話と同じです。
そんなわけで、私のあの寒けはあまりにも寒かったので体内の陽気が発散できずに内に篭ってしまったために起きた現象だったのですね。内にこもって体温を上げようとしているのに、お風呂で外側から熱い温度に触れさせると、陽が極まって陰となってしまったわけです。