前回の続きです。
とてもわかりやすい症例がありましたのでご紹介いたします。

鍼灸業界の代表的な月刊誌に「医道の日本」があります。
(株式会社医道の日本社が発刊しております。)
以下4月号に掲載されていた文面を抜粋致します。

筆者は20年程前の大学病院の老年科に勤務していた鍼灸師で
閉塞性動脈硬化症(ASO)と診断された男性患者さんの治療を
受け持っていたそうです。
その症状は下肢の冷感、疼痛、しびれ感であり血管造影所見
では腹大動脈から両側下肢動脈にかけて強い動脈硬化症の病変が
みとめられ、特に両側の大腿動脈に狭窄箇所が目立つので経皮的
血管形成術をおこなえば症状改善とのコメントを放射線科医より
受けていたそうです。


この患者さんの同意のもと鍼治療前、治療終了15分後、2時間後
24時間後と採血を行い当時血管拡張物質として注目されていた
CGRPを測定そのほか血流に影響を与える可能性のあるアドレナリン、ノルアドレナリン、トロンボキサンB₂、6ケトーPG-F1αについても同様に測定されました。
その結果はCGRPについては顕著に増加、アドレナリン、ノルアドレナリンはやや減少、トロンボキサンB₂はやや増加、6ケトーPGーF1αには変化なしという結果がでたそうです。

彼は2度目の入院であり1度目は血管拡張剤のプロスタグランジンを点滴治療、その後軽快したので退院していました。一方2回目の入院となった今回は薬物の点滴がおこなわれる予定であったのが
経過良好で鍼治療のみが退院まで続けられたとのことです。


最近のASOモデル動物に対する鍼刺激の研究では鍼刺激により
VEGF(血管新生誘導因子)が産生されることが証明されています。VEGFが産生されれば血管が新生され側副血行路が発達し
虚血症状が改善する可能性が考えられています。

以上が文面の内容です、はしょったところもあります。
ご了承ください。


鍼の刺激により血管の新生が促される、及び血管が拡張する可能性があることをが客観的に証明された事例の1つとして皆様にお伝えしたく取り上げさせて頂きました。