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 同じようなことが表現を変えて何度も書かれているけれど、それほど際立った記述があるようには思えない。タイトルにある「女性」という点に関しても同様である。2005年8月初版。

 

 

【女性にとって“欲しい商品”】
 世間にあまり認識されていないブランドのステキな商品を自ら探し求めているのかというと、そうではないのです。結局は、自分に自信が持てないがために、人の価値観を頼りに商品をセレクトしているのです。
 つまり、商品そのものの魅力よりも、皆が欲しがっている商品を手に入れ、羨望の眼差しを浴びることに価値を見出しているということ。結果、現代の女性は、人のモノを欲しがる傾向にあります。(p.19)
 この記述のポイントは、「自分に自信がない」そして「周りから羨望の眼差しを浴びたい」の2点だろう。
 これこそが資本主義の主たるダイナモ(発電機)だろう。
 バーゲンセールや一点モノにこだわり執着する心理は、男性の取り合いにも似ています。好きというよりも意地になっている部分が多いのです。(p.175)
 テレビショッピングの決まり文句に「○○限定です」という表現があるけれど、モロにこの心理を活用している。

 

 

【カワイイ商品】
 私も含め、とにかく女性は“カワイイ”ものが好きです。
 商品も不思議なもので、“カワイイ”を連発されているとよく売れます。それでは具体的に、どんなモノに“カワイイ”と感じるのでしょうか?
 それは、手触りが“ふわふわ”のモノだったり、やわらかいピンク系だったり、単純な作りのキャラクターものであったり・・・幼い女の子が“カワイイ”と感じるようなものなのです。
 そして女性は、子どもの頃からカワイイと思っていたモノを見つけたときに、安心感を覚えるのです。(p.31-32)
 “カワイイ”は女性に多い嗜好だろうと思っていたら、カップルでお店に来て、女性がブルーとピンクいずれにしようかと迷っていると、大抵の男性はピンクをすすめると書かれている。

 

 

【カワイイに関する日本文化論】
 ところで横道にそれるけれど、日本人にとっての“カワイイ”の根拠は、上記書き出しにあるように「安心感」だから、“カワイイ”の反対語は“コワイ“である。
 この感覚は、他国に比べ日本においては長く平和な時代が続いてきた故に生じたものだろう。戦乱に明け暮れるような時代・場所に生きていたら、カワイイどころの話ではなくなってしまう。
 日本の“カワイイ”を中核とした「文化力」は、世界の「軍事力」を“さば折り”にしてしまうことを期待しよう。
   《参照》   『日本力』  伊藤洋一  講談社

             【「かわいい」 以外の理由】

   《参照》   『「かわいい」論』 四方田犬彦 (ちくま新書) 《前編》
             【日本文化における 「かわいい」 の通時性】

 世界的な視点で見れば、“カワイイ”に関して、“幼きもの”を肯定的に捉える日本文化と、“未成熟”を否定的にとらえる欧米文化の違いが根本にあるけれど、これも日本発のアニメの世界進出によって“カワイイ”がもつ認識の溝は、世代交代が進むにつれて急速に浅くなってゆくことだろう。

 

 

【色の癒し】
 色には癒し効果もあります。よく売れる“癒される商品”や“元気が出る商品”には、必ず色が関係しています。
 それを物語っている私の知人がいます。「コリ取りおばさん」の通称でみんなからひっぱりダコのマッサージで有名なおばさんの言葉です。
 あるとき私が、「ご自分が疲れたときにはどうするのですか?」と聞いたところ、「私は人の多いところへ行く」というのです。 ・・・(中略)・・・ そこで何をするのかというと、人の “洋服の色” を見るそうなのです。洋服の色を見ることで、急に元気が出てきてリフレッシュでき、また仕事に励むことができるそうです。“色”には、私たちには計りしれない、いろいろな効果があることは間違いありません。(p.50)
 これを読んで思い出したことがある。
 ドブ鼠色系のスーツが殆どの職場でIT機器に囲まれて日々を過ごしていた頃、雪を見たことが無いという台湾人の友人とスキー場に行ったことがある。そのゲレンデでカラフルな色彩の世界に触れて、心が一挙に元気になったのである。山の上という“冴えた気”の白銀の世界という効果もあったのは違いないけれど、直接に効果的だったのは、大勢の人々の日常ではあり得ないカラフルなスキーウェアの色彩の洪水だった。
 シケた色の世界にばかり住んでいると、精神までシケコンデしまう。
 なお、下記リンクには、「色」で病気を治す方法が記述されている。
   《参照》  『福禄寿 幸せの暗号(言霊・音霊・色霊・数霊)』 白峰 (明窓出版)

             【数霊と色霊の例】

 

 

【宝探しに時間を費やす】
 店内に一歩入ったときから、お客様は安くていいもの、つまり宝探しを楽しんでいるのです。
 このゲーム感覚が、今後の商品企画、店づくりのテーマになると私は考えます。いかにゲーム感覚的な“遊び“の部分を多くつくるかなのです。
 そして、店内の滞在時間を長くしてあげればあげるほど、お客様を呼ぶ効果があることを理解していただきたいのです。(p.172)
 「宝探しのゲーム感覚」を取り入れているのが、ドンキホーテのあのゴチャゴチャしたディスプレイ方式。
 「滞在時間」と「売上額」が比例関係にあるのは基本である。
   《参照》   『数値力の磨き方』 野田宜成 (日本実業出版社)

             【ビジネスも恋愛もまったく同じ】

 小さな店舗の場合は、「宝探し」の面積も「滞在時間」の長さも限られてしまうから、頼れるのは店員さんのさりげない会話による接客術くらいだろう。

 

 

【商品力とハイクオリティな接客】
 接客されたくないお客様でも、情報を求めています。ムダはいいから、テクニックや知識だけを教えて欲しい、ということなのです。いくら商品力があっても、プラスαの“接客”によって売上がかなり違ってくるのです。
 現代は、商品力とハイクオリティな接客の両方がないと、モノは売れないのです。ですから、いい商品にはいい接客のできるプロをつけることをお勧めします。(p.181)
 昨年末tvk(テレビ神奈川)の番組を見ていたら、食品に関して専門知識をもつという前振りで、若い女性のアドバイザーがウンチクを述べながら色々説明している中で、一汁一菜を「いちジルいっさい」と言っていた。説明を聞いていたスタジオの女性キャスター3人とも、顔が引きつりそうな様子だったのがおかしくて、じっと見つめていたものである。商品知識があったとしても基本的な漢字が読めないようでは、専門家という肩書きすら疑われるだけである。

 

 

【運が落ちていると感じたときは・・・】
 誠実で間違った生き方をしないで努力していれば、きっと助けてくれる人に出会えるチャンスを与えられるものなのです。
 運が落ちている、いい出会いがないという人は、今きっと人に対するサービス精神が欠落していて、自分中心になっているのです。
 運が落ちていると感じたときは、まず人に与えることをやってみてください。どんなことでも自分の持っていることで人に与えられることがないかと考えてください。人を幸せにすることを純粋な気持ちで考えると運気は必ずアップします。(p.229)
 まともな自己啓発書の記述みたいだけれど、これがこの本のクロージングである。
 日常生活だってビジネスだって、基本は何ら変わらない。
   《参照》   『自分に魔法をかける本』 船井幸雄 (サンマーク出版)

             【フィードバック理論】

 

 
<了>