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 いろんな方が書いた記事の寄せ集めだから、同じようなことが何回も書かれている。ケルトといえばアイルランドと、ブリテン島の北部のスコットランドが主要な範囲になるけれど、この地域に関する旅行ガイドのような記事も多く掲載されている。1998年12月初版。

 

 

【ケルトの宗教】
 エジプトでもギリシャでもローマでも、神々のために大きな神殿を立てている。あるいは、王のための巨大な墓が建てられることもある。
 しかし、ケルトに関しては、そうした巨大な宗教的建築物がないのだ。ケルトの宗教は、自然の中に神聖なものを見つける自然信仰だった。緑の森や泉や河、湖が、彼らの信仰対象なのだ。(p.13-14)

 ケルト人は一神教ではなく、森には妖精が住み、動物にはみな霊が宿っていて、生命は転生を繰り返すのだといった、原始仏教にも通ずるし、日本古来の宗教観にも近い考え方をしている。逆にいえば『もののけ姫』など、ケルト世界に置き換えてもそのまま成立しそうな話なのだ。(p.53)
 日本人にケルト好きが多いのは、このあたりに関係しているんだろう。
 ケルトの宗教は、神官をドルイドと言っていたから、ドルイド教というのはケルトの宗教である。

 

 

【アイルランド・ケルト】
 『風と共に去りぬ』で知られるようになったダブリン郊外の “タラの丘”は、アイルランド全土を治める上王の居住する聖地と信じられてきた場所である。(p.19)
 アイルランド・ケルトの宗教の大きな特徴は、キリスト教カトリックとドルイド教の融合である。
 アイルランドにキリスト教が伝わったのは、5世紀初頭、代表的な宣教師として聖パトリックが有名だ。(p.20)
 タラの丘には、聖パトリックの像もたっている。
 お墓にケルト十字架が立っていたらカトリック、普通の十字架だったらプロテスタントである。
 アイルランドやイギリスから新大陸に移住したケルトの人々は多いので、アイルランドの守護聖人を讃えるアメリカ人は今でもテンコ盛りいる。
   《参照》   『図書館のある都市への旅』 堀田穣 (鹿砦社)
             【アイルランドの守護聖人】
             【ハーパー】

 

 

【ケルト文学を生んだもの】
 『ガリバー旅行記』のジョナサン・スイフト、『ドリアン・グレーの肖像』『サロメ』のオスカー・ワイルド、『ケルトの薄明』のW・B・イエーツ、『ダブリン市民』『ユリシーズ』のジェームズ・ジョイス、『ゴトーを待ちながら』のサミュエル・ベケットなど、ケルトの血を引く著名な作家はいっぱいいるけれど、かつてケルトは文字の使用を拒んできた。
 なぜかというと、部族に伝わっている歴史や秘伝を守るためだと言われています。・・・(中略)・・・。
 そうして物語を語る人をバルド、また職業的な名称としてオラブやフィリーと呼んでいました。・・・(中略)・・・。文字で記録しない、残さないということは、文学から遠いことのような気がしますが、実はそうじゃなかった。後に大文学者を育て、想像力をつけるには、大いに役立つことになったんではないでしょうか。(p.43-44)
 日本に縁の深いケルト系の人といったら、ラフカディオ・ハーンこと小泉八雲。八雲が『怪談』を集めたのは、アイルランドの民話と日本の民話がとても似ていたからしい。ケルトには羽衣伝説や浦島太郎にそっくりなものがある。

 

 

【ケルト音楽】
 ケルト音楽の流れを引く、哀愁を帯びたスコットランド民謡。代表的なものとして『蛍の光』があるし『庭の千草』などのアイルランド民謡も、日本人に親しまれている。
 日本とケルト、短調の曲であったり、ヨナ抜き(ドレミ・ソラ・ド)の音階で作られた曲(例:「五番街のマリーへ」)を好むことも共通している。
 以下は、団塊の世代のオジサンたちが聞いていた曲。
 ビートルズの3人も、アイルランド移民の子孫であり、言ってみればケルトの血筋である。そのせいかどうか、初期ビートルズは 『ミッシェル』 など、短調の名曲を生み出している。(p.58)
 日本の音楽ファンは、古くからロックバンドの激しさの核にある叙情性に敏感な反応を示してきた。たとえば、ビートルズの 『イエスタディ』 ・・・(中略)・・・ レッド・ツェッペリンの『天国の階段』。この曲も、発売と同時に評価したのは、日本のファンが最初だった。(p.70)
 ツェッペリンのそれ、いまいち、ピンとこない。
 クラナドというグループがありまして、彼らがゲール語を最初にメジャーな世界に持っていったといわれる人たちです。・・・(中略)・・・もともとエンヤもクラナド・ファミリーのひとりで、彼らのところで音楽をやっていたのが、もっとクラシックよりの曲を作りたいということで独立したんです。(p.89)
 せっかくなので、エンヤの 『ケルツ』 を。
 ケルティック・ウーマンをリンクしなかったら文句言われた(から追記)
   Celtic Woman - You Raise Me Up
 ゲール語とはケルトの言葉。スコットランドのことをゲール語では Alba と書くらしい。セイコーの若者抜けブランドは、このことを分かっていてネーミングしたんだろうか。

 

 

【自然との会話】
 アルファベットをもたないケルト人にとって、樹木は文字の代理であったとも考えられる。(p.134)
 赤いバラは愛、白い薔薇は拒絶など、花言葉が豊富らしい。ガーデニングを愛好する習慣も日本人と似ている。
 フィンドホーンという有名な財団を訪ねた方の質問と回答。
 「それでは、この私でも、花の精霊(ディーバ)からメッセージを受けることはできるんですか?」
 マリオンはゆっくり用意していたように答えた。
 「できますよ。人間は誰でも自然界の聖霊(ディーバ)とコンタクトできる能力を潜在的に持っているんです。ところが、テレビやコンピューター、劣悪な生活環境のせいで、その力が弱ってきただけなの。」
 それはとても確信に満ちた言葉だった。(p.217)
 ケルトといえば妖精を連想する人が多いだろう。自然が保たれている湖水地方には、まだたくさんいるらしい。
   《参照》   『妖精世界』 G・ホドソン (コスモ・テン・バブリケーションズ)
   《参照》   『岩刻文字の黙示録』 吉田信啓 (徳間書店)
             【日本にもあったケルトの痕跡】
   《参照》   『日月地神示』 白峰聖鵬 (明窓出版) 《前編》
             【白人のルーツ】

 

<了>