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 タイトルに興味をもって読んでみた。タイトル以外にも、いろんなことが広く浅く書かれているけれど、それ故にあまりインパクトを感じない。2011年4月初版。

 

 

【わけあって田舎生活】
「朝起きて、今日一日なにをしようかと考えるのがつらくて」
 この言葉が今も頭を離れない。
 大学を出て東京の一流企業に就職したものの、病に伏した母親の看病のために地元に帰った女性が漏らした言葉である。地元で働き口を探しても、地方ではおいそれと仕事は見つからない。母親の看病はあるが、働かなければ生活基盤が細る。しかし仕事がない。これでは健康な人でもやがて病んでしまう。(p.27)
 ここに書かれているようなケースの人って少なくないだろう。地方行政は、公務員利権を守っているだけの昔ながらの行政だから、遊休農地や遊休人材を活用しようとするどころか無視して放置するのみである。
 まあ、田舎で工場のアルバイト作業員をするくらいなら、図書館にでも通って頭を錆びつかせないようにしていたほうがいい。生活基盤が細って切れたら、生活保護をもらえばいいのである。地方行政公務員なんて、殆ど仕事をしてないのだから実態は生活保護の特権階級である。困窮している生活保護該当者がもらうとしても特権階級のせいぜい5分の1である。もらうのを恥ずかしがる必要はないだろう。「もっとちょうだいよ」でもいいくらいだろう。
 地方行政の財源が不足して生活保護費が足りないのなら、無駄な利権工事を止めればいいだけのことである。それが嫌なら、過剰雇用ですることがないからと出勤すらしていない公務員を1人削減すれば、5~6人の生活保護が可能である。

 

 

【そんな未来がすぐそこまで・・・】
 これまでのような、寄らば大樹の陰という人生観で、終身雇用という過去の延長線上に未来はない。波乱万丈、計り知れない成功が待っているかもしれない。そんな未来がすぐそこまで来ている。(p.62)
 その明確な根拠を示しているのではないから、ヤケクソ気味に書いているのかとも受け取れるけれど、日本にとって吉となる回天の時がいつか予測できないわけではない。
 時代がどう動くかに関わらず、外国に出て行こうと決意している若者なら、目指す国の言語と文化を先んじて学んでおけば仕事に困ることはないだろう。日本の技術力と文化力は、圧倒的な高低差をもって世界に流出しなければならない時代に入っている。この趨勢は絶対に止まらない。

 

 

【農業は無理】
 手伝いをしてくれたこの道10年の農家のおじいちゃんが、枝豆を選り分けながら、私に向かってぼそっと「農業は甘くないだろう」と優しい眼差しで諭してくれた。
 山形で専業農家をしている友人の「野菜づくりは、1年2年でうまくいくようなものではない」「5年くらいやって、ようやく食べられるかどうかだ。気長にやらないと」という言葉が思い起こされる。(p.76)
 農業は、現実的でないような気がする。体力がある若いうちならまだしも、おじさん世代になってから専業農家なんて・・・・無理だろう。チャンちゃんも草ボウボウにしていた畑に、わずかばかり作物を作ってみたけれど、作物を作るのにかかる経費と労力を勘案すれば、買って食べたほうが圧倒的に安いのである。更におまけは、近くに新興団地ができて以来、作物が取られてしまうという事態が普通(頻繁)に起こっている。これでは、農業経営は100%成り立たない。
 現実的なのは、退職した年金生活者が、体力維持のために運動がてら道楽がてらに農作業をするということくらいだろう。

 

 

【農業の現状】
 日本の食品生産者のマーケット規模は約80兆円といわれる。一方、農業生産額は9兆円に過ぎない。流通段階でどんどん利幅が取られ、生産者の手元に残るのは、消費規模に比べて少ない。満足に生活のできない生産農家が多いのが実情だ。
 産業が空洞化する以前は、大手企業の工場進出で兼業農家になる道もあったが、今や多くの地方では工場が撤退していて、もはやその道もない。(p.83)
 つまり、農業で生活を維持するのは殆ど無理であり、地方は回復しようがないということ。
 しかし、こんな状況であっても、世界的に見ると、日本の農業は評価が高いのである。

 

 

【太平洋を塞ぐ、豊かで美しい大国】
 世界的な人口爆発、気候変動で、食糧危機が危惧されている中で、何度でも言うが「食料はカネで買えばいい」という生き方は、国家安全保障上の問題から許されない。
 幸いなことに、日本海を越えた眼と鼻の先の大国、中国の購買力が年々高まってきている。その先のロシア、あるいはインドもいずれ台頭してくる。
 日本という国は日本では小さな国に見える。しかし中国から見ると太平洋を塞ぐまぎれもない大国である。
 中国側から見た日本の正面、表玄関の日本海沿岸部の冬は、豪雪に見舞われる地域が多く、総じて厳しい。しかし、だからこそ豊富な水と豊かで美しい田畑と森林に恵まれているのだ。「北は干ばつ、南は洪水」という過酷な国土の中国には、なんともうらやましいかぎりの国土なのである。
 そればかりではない、モノづくりに優れた日本農業の評価も高い。中国、ロシア、韓国といった日本海側の対面諸国はみな、日本の農産物をはじめとした食材が安全で美味しいことを知っており、高く評価している。(p.94-95)
 日本国内から見ていると、どうしようもない閉塞感に満ちているけれど、周辺諸国から見ると、日本は豊かで美しく優れた国なのである。それは間違いないことである。
 日本人は、日本が、世界中から望まれ羨望される国であることを、もっと明確に自覚しておいた方がいい。
 東アジアを何年にもわたって担当している英国の金融マンが「日本人はこんなにおいしい食材や食品を作っているのに、なんでロシア沿海州の地域に行って売らないんだ。売る相手を知らないのなら紹介してあげるのに」と言われたというのだ。 ・・・(中略)・・・ 。
 年間100万トン欲しいとの中国側の希望が伝えられ、農林省はびっくりした。そんな大量の米はつくれないからだ。日本海沿岸は米どころなので、その情報を米関係者は知っているはずである。(p.97)
 日本は古来から“瑞穂の国”と言われてきた。瑞穂とは、“お米がたくさん採れる所”という意味である。
   《参照》   『誰もが知っているはずなのに誰も考えなかった農のはなし』 金子照美 (アサヒビール㈱)
             【最も太陽エネルギーの変換効率が高い水田】

 瑞穂の国、日本は、お米によって、世界を救いつつ、国力再生の端緒を掴むかもしれないのである。

 

 

【農協と経団連】
「民俗学者の柳田國男はね、 ・・・(中略)・・・ 『産業界と農業界の対立は不幸なこと。お互いによく連絡を取り、連携すべき』と訴えている」 (p.105)
 時代の先を読んでいる産業界は、既に農業分野への産業技術導入を進めてきているのだから、土地制度の見直しは、時代の趨勢として、いずれ必ずなされることだろう。
   《参照》   『トラ・トラ・ライオン!』  サミュエル・ライダー  マガジンハウス
             【土地三法を廃止せよ!!!】

 

 とことが、実態は何ら進んでいない。日本を復活させたくない勢力が、いまだに日本を支配しているのである。

 

【日本海沿岸と関西】
 私には、関西が新しい付加価値の宝庫として映る、復活できない訳はない。
 さらに、京阪神は日本海に近い。日本海沿岸から関西を結ぶと、京阪神が扇の要にあることが一目瞭然で、日本海と京阪神は表裏一体に発展させやすい。また、そうさせないと効率も悪い。(p.121)
 江戸時代、日本海側で取れる豊富な農水産物は、北前船によって商都・大阪に運ばれていた。今日においても、日本海側と連携しやすいのは、地理的に関西圏であることに変わりない。
 かつて大阪商人たちは、今日、シカゴが中心となって行なっている先物取引というシステムを、当時、既につくりあげていたのである。また、そのような商才とは別に、お上に屈服せぬ独立不羈の商人魂が、大阪都構想を語る人々の中にはあるのだろう。それは、21世紀という時代の日本にとって相応しいことである。腐敗し切った官僚制の打破は、関西人が先頭に立ってくれなければ出来ないことだろう。
   《参照》   『君子財を愛すこれを取るに道あり』 阿部博人 致知出版
              【電機業界の性格比喩】

 

 

【誤植】
 「角を矯(たが)めて牛を殺した」のである。(p.161)
 諺に、わざわざ間違った振り仮名を付けた誤植って超~~~~珍しい。「矯(た)めて」である。

 

 

【世代観のズレ】
 これから付き合っていかなければならない中国の官僚を見渡してみると、みんな若い。対して日本は定年延長で官僚社会も高齢化し、中国をはじめとする外国の若い官僚たちと、彼らよりも年齢を食った日本の官僚が渡り合うことになる。
 高齢者が悪いということではなく、国際社会では世代観のズレは国策をも揺るがしかねない。(p.171)
 まったく。古い世代ほど20世紀型の思考方法が馴染んでしまっているから、地球と時代の本質的な変化にはなはだ疎いのである。
   《参照》   『ネオスピリチュアルアセンションpartⅡ』 エハン/中山/白峰/澤野
             【日本が中心になる】

 地方行政においても、60歳を越えた旧世代のオッサンたちは自発的に引っ込むだけの良識をもつべきだけれど、政治に白けきっている若者の無関心をいいことに、老醜をさらしながら利権政治という陋習を維持するんだろう。限りなく不幸なことである。

 

 

<了>