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 とっても面白い本だ。政治経済に関わって生きてゆかざるを得ない日本の全ての人々、特に若者達に、この本を読んでほしい。心して。
 [あとがき] にはこう書かれている。
 日本が国際社会で生き抜くには、どうしても “知” のレベルをもう一、二段、上げなくてはなりません。
 なぜなら、アジアの人々と比べると気付くのですが、日本人は、若さも、体力も、気力も、忍耐心も、競争心も、貪欲さも、そして歯を食いしばりながら 「今に見ておれ!」 と頑張る克己心も、おおかた失ってしまっているからです。
 このままでは、10年もしないうちに、日本はアジアの中の二等国に成り下がらないとも限りません。
 ですから、唯一、負けない武器として、知性・感性・創造性を磨いてほしい、そのためには本を読むのが一番なのですが、・・・(p.293)
 考えても見てください。著者たちが1年以上、あるいは5年、10年もかかって研究したことを、読者は、たった数時間で、一挙に自分のものに出来るのです。 (p.292)

 「 “読書” をあらゆる戦略の基礎におこう」 という考え、賛成してくれる方も多いのではないでしょうか? (p.295)

 

 

【著者:サミュエル・ライダー】
 イギリス人の著者は自分の前世に関して、このように記述している。
 「ある霊能者に観てもらったら、サムライだそうです。志を果せずに死んだ若い侍だというのですが・・・・私は幕末に無名のまま死んだ勤皇の志士なのかなと。坂本竜馬や高杉晋作に傾倒していますので」 (p.91)
 趣味は落語と散歩。好きな町は京都と浅草だという。

 

 

【成田空港の発着料】
 「成田の航空機の発着料が馬鹿高いのは知っていますか? 平均の三倍、ロンドンのヒースロー空港と比べると10倍以上ですよ」
 「有名な話ね。(シンガポールの)チャンギ空港の6倍とは聞いてますけど」  (p.85)
 人・物・金が混ざりあうことで活性化する世界の経済であるけれども、日本は “半分鎖国” しているみたいだ、と記述されている。
 海外から帰国する時、どの空港からも成田とソウルはほぼ同じ距離になるので、飛行機は同時刻に出航し、待ち合わせブースも隣接していることが多い。そして、どこでも日本と韓国への乗客人数はあまり変わらないのである。日本の人口の3分の1しかない韓国の旅行者が多いことの原因の一つは、仁川と成田の空港使用料の差が航空運賃に反映しているからである。
 なお、東欧では韓国人旅行者のほうが多いらしい。日本より遅れて経済発展した韓国は、日本が先に進出した西欧市場を避けて東欧市場に棲み分けるかたちで進出したからのようである。
 韓国の場合は、国内市場規模が大きくないので、海外進出することは韓国経済を維持するためには必須となってもいる。韓国経済に占める外需比率は40%近い。日本は10%程度である。日本は内需がもともと大きいから、外需の金額を単純比較すれば日本のほうが韓国より大きいのは言うまでもない。

 

 

【世界で最も高齢な日本国家】
 「日本人の平均年齢は何歳か知ってる?」
 「さあ、30代かなとは思いますけど・・・」
 「いや、41歳なんだ。世界で最も高齢だそうだよ。世界の平均年齢は26歳だからね。
 中国人も27,8歳。それに比べると、日本民族ははるかに年寄り、まさに中高年国家だ」 (p.114)
 この傾向はビールの消費量に対応して現れているという。発泡酒を含めてもビール消費量は減少している日本である。しかし、それがデメリットというだけではない。日本文化の本質を理解できる人々の人口比が増えているのだから。大人たちはもっと日本文化の復活に貢献すべきである。

 

 

【コンブの重要性】
 コンブの重要性に目をつけたのは中国政府だった。彼らは、戦前から中国に渡りコンブ養殖に携わっていた日本人技師・大槻洋四郎氏の研究に着目、それを発展させて、温暖な海でも育つコンブの改良に成功した。
 中国は1988年から8年間でコンブの生産量を3.4倍に増やし、その結果、漁獲量を3.6倍に増やした。一方、日本では同じ時期に、40パーセント近くも漁獲量が減った。その間、コンブの生産量も16パーセント減っている。 (p.147)
 日本全体の食生活の中で水産物の占める消費量は減っている。若者達の物忘れを含めた、全体的なアルツハイマー化にも関係があるのではないだろうか。自分自身の人体実験を通じても、長期間魚貝類を摂取しないと明らかに頭脳は働かなくなることを経験している。缶詰でもいいから毎日摂るべきである。油の部分が脳にとって重要なのである、ここを捨ててはいけない。

 

 

【水平転移】
 遺伝子は親から子へと伝わるのが普通ですが、種の壁を越えて細菌から多細胞高等動物への “水平転移” もありうることが証明された。
 GM(遺伝子組換え)作物によって作られた植物や動物の特異な染色体を、人間が腸などに寄生する細菌を通じて体内に取り込んでしまう危険性が否定できなくなったということです。 (p.218)
 GMはアメリカの穀物メジャーの戦略であることは周知のことである。最悪である。

 

 

【 “着土” という考え方】
 「着土? 土着じゃないの」
 「いいえ、着土です。祖田教授(京都大学)は、今後人は、自覚して土に着くほか、人間らしい生活に戻れる道はないだろうというのです。つまり、“無心の土着” も貴重だが、“自覚的な着土” こそ今最も必要である、といっているのです」  (p.227)
 「誰もが何らなの形で農業にリンクできるシステムをつくる―――それが私の考える国民皆農論です」 と著者は考えている。

 

 

【土地三法を廃止せよ!!!】
 「土地はいっぱいあるわけですからね。活用されていない農振地域をどんどん使えばいいんです」
 「そのためには、土地三法をいったん廃止しなきゃダメだよ。この国民皆農論を実現するためには、市街調整区域や農振白地が活用できなきゃ」
 30年も前に田中角栄さんが定めた土地三法(都市計画法、農地法、農業振興地域整備法)。時代が変わって今ではこの土地三法が日本の発展を押しとどめている。土地三法の廃止は高、齢化社会対策としても経済拡大政策としても優れていることは、この本を読めばよく分かる。
 日本全体の産業振興という視点で土地の有効利用は考えず、農業の生産性向上さえも考慮せず、補助金で維持してきた農林行政は社会保険庁の杜撰な状況と同様に、腐り切っていることを、国民はよくよく知るべきである。

 

 

【 “アメリカからの自立” を目指す X計画 】
 トラ・トラ・ライオンは議員達が何かの符丁に使っている言葉だという。
 「“トラ・トラ・ライオン” という言葉自体に政治的な意味あいがあります。真珠湾攻撃のときの電文 “トラ・トラ・トラ” と、どうしても切り離せませんから。“トラ・トラ・トラ” が “急襲ニ成功セリ” なら “トラ・トラ・ライオン” はなんだろう? 
「アメリカからの日本の自立です」 (p.281-282)
 日本国内に滞っているお金の流れを良くするための具体的な方法が、この本には記述されている。土地三法に関する政策と組み合わせることで、日本はアメリカから自立した復活を遂げることが出来る。
 しかしアメリカはそれを許さない。IMF以降完全に経済的に支配を完了した韓国と、経済崩壊をいつでも演出できる中国をパートナーと位置づけ、日本を四面楚歌状態にしてアメリカからの自立を徹底的に潰しにかかるはずである。現在の安部政権に対する報道姿勢は、アメリカ支配下のメディアによって行われているのであろう。
 どうであるにせよ、日本は、もはやダメかと思われた時に復活する摩訶不思議な国である。
 日本は天佑神助によって守られるであろう。
 悪辣な国家たちよ、恣に権謀術数を揮うがいい。 “ Go ahead , Make my day ! ” 
 
<了>
 

  サミュエル・ライダー著の読書記録

     『ライオンは眠れない』

     『トラ・トラ・ライオン!』