《前編》 より

 

 

【ハプスブルグ家】
 ロスチャイルド家の他の当主たちを男爵に任命したのも、ハプスブルグ家である。どうもイギリス王室ではない。ハプスブルグ家は、1806年に神聖ローマ帝国をナポレオンにやめさせられて、“オーストリア=ハンガリー二重帝国”とかなり小ぶりになった。
 それでもハプスブルグ家(ウィーン)だけが、ヨーロッパ各国の貴族たちの叙任権を持つ、本当のヨーロッパの皇帝家なのである。
 イギリスもフランスもたかだか国王でしかない。
 ハプスブルグ家系統の貴族の血筋の人たちが、今のEU議会を主導しているそうだ。(p.83)
 ロスチャイルド家は、普仏戦争のドイツ側勝利でナポレオン帝政を実質的に終わらせることに貢献したのだから、ハプスブルグ家にとっては、あっぱれな家系だったということなのだろう。

 

 

【ロンドン家そしてパリ家に繋がる日本の政治家】
 ロンドン家二代目当主のライオネルが、伊藤博文と井上馨を呼び寄せて、日本の最高指導者にした。
 ・・・(中略)・・・ 。
 こうして日本の「隠されたイギリス属国支配」が、幕末明治維新の頃から始まった。(p.89)

 この松方正義、原敬、陸奥宗光、榎本武揚は、フランス政府とその背後のジェームズおよび(その長男の)アルフォンス・ロスチャイルドの支援を受けていたフランス派の日本政治家である。(p.95)
 アルフォンスが育てたのが、渋沢栄一である。(p.98)

 明治政府の内部には、ロンドン家とパリ家の連携と拮抗があったのである。(p.97-98)

 

 

【国立銀行(今の日本銀行)】
 渋沢は、伊藤と井上の意向を受け、また三井財閥の当主ともいろいろ話して、ニューヨークにある第一銀行あるいはナショナル・バンク方式にした。
 このナショナル・バンクを「国立銀行」と訳したから始めからおかしな話になったのだ。本当は株式会社である私有銀行である。
 ・・・(中略)・・・ やがてこれが今の日本銀行となっていく。その隣には、今も三井銀行本店が建っている。その脇は、日本橋・三越本店である。 ・・・(中略)・・・ 
 その渋沢が、この第一国立銀行の頭取になったことで、日本におけるロスチャイルド・ロンドン家の系統と、パリ家の系統との融合がなされたのである。(p.100)
 次の書き出しにつながる前振りとして、以下のリンクを。
   《参照》   『昭和史からの警告』  船井幸雄・副島隆彦  ビジネス社
             【渋沢栄一と岩崎弥太郎】

 

 

【19世紀はロスチャイルド、20世紀はロックフェラー】
 確かに、ロスチャイルド家は、19世紀までは大悪事をたくさん働いた。
 しかし、20世紀に入ってからあとは、ロスチャイルド家が悪いのではない。ロックフェラー家が極悪人なのである。彼らが世界を支配したのである。
 ヨーロッパを2度の大戦で火の海にしたのは、石油財閥のロックフェラー家である。
 彼らが、策謀と策略をめぐらせたので、世界大戦が起き、多くの人々が死に、ロスチャイルド家も没落し衰退したのだ。
 だから、「ロスチャイルド家の大陰謀」を言わないと気が済まない人々は、自分の頭を点検せよ。(p.106)
 この副島さんの考えに首をかしげる人々は、「ロシア革命とFRB設立にロスチャイルド家の資金が関与しているじゃないか」と言うんだろう。この点に関しても副島さんの見方が書かれている。

 

 

【ロシア帝国滅亡に関する主導権争い】
 1914年にロシア帝国が滅び始めている。ロシアのロマノフ王朝を叩き潰そうとして、確かに最初は、大英帝国とロスチャイルド家が仕組んだ。だから1904~05年に極東で日露戦争も起きている。 ・・・(中略)・・・ 。
 1914年にできたケレンスキー政権は温和な改革を目指した優れた政権であった。(p.121-122)
 しかし、この後、アメリカは職業革命家のレーニンやトロッキーをロシアに戻して、1917年にロシアを更に内乱状態にした(p.122、p.132)と副島さんは記述している。これは、当時の日本がアメリカ(ロックフェラー)の作為によって狂気の中国大陸進出へと駆り立てられていった経緯に連動している。
   《参照》   『歴史に学ぶ智恵 時代を見通す力』  副島隆彦  PHP研究所 <後編>
            【民政党=米ロックフェラー=三菱 VS 政友会=欧ロスチャイルド=三井】
 1932年に、満州国が建設される。これは、ロスチャイルド家の支援を受けた事業であった。長春、ハルピン、大連に西欧風の建物が立ち並ぶ豪華さはおよそ日本人の感性とは思えない。
 ロスチャイルド家が、亡命ユダヤ人たちの為に、今のイスラエルのような国を満州に作ってあげる計画を立てていた。
 この新国家建設計画を「フグ・プラン」と呼び、岸信介ら革新官僚と、石原莞爾ら関東軍が共に推進していた。彼らは、イギリスのロスチャイルド家の代理人たちから、満州国建設計画を身をもって教わった。
 ところが、頭の足りない、世界の大きな仕組みがわからない日本の軍人たちが、日本国を、世界を敵に回して暴走し始めた。大きくは米ロックフェラー家に操られていた。(p.138)

 

 

【1914年:世界覇権移動の年】
 第一次世界大戦の勃発の年であるこの1914年に5つの帝国が滅ぶことでロスチャイルド家からロックフェラー家に世界覇権が移ったのだと私は断定する。(p.123)
 副島さんが言う5つの帝国とは、上記のロシア帝国の他に、ハプスブルグ家の皇太子が暗殺されて第一次世界大戦開始のきっかけとなったオーストリア=ハンガリー帝国。イギリス中心の金本位制が瓦解した大英帝国。中国の清朝。オスマン帝国のこと。
 第一次、第二次大戦で、無傷の勝者となったアメリカが、結果的に覇者になったのではなく、大戦開始直前にアメリカが世界覇権を握っていたとする説の根拠の大きな処は下記だろう。

 

 

【FRB設立での主導権争い】
 ハプスブルグ家の皇太子を射殺して第一次世界大戦(1914)の口火を切った前年(1913)のクリスマス休暇に、抜け駆け的に連邦準備法が可決(FRBが設立)されている。
   《参照》   『世界を変えるNESARAの謎』  ケイ・ミズモリ (明窓出版)
             【騙されてきたアメリカ市民?】

 FRB設立を画策した中心人物は間違いなくロスチャイルド家だった。そしてこの前段階として1911年にジギル島に集まっていた7人の男はいずれもロスチャイルド家の息がかかった連中だった。しかし、副島さんは、ロックフェラーが寝返ったと書いている。
 この策謀の主導者は、当然、ジョン・ダヴィドソン・ロックフェラー1世である。
 そして、1913年にFRBができると、その翌年の、1914年に、ロスチャイルド家の寝首を掻いて、世界覇権を奪い取ったのである。
 ロスチャイルド家の忠実な子分たちだったアメリカ人銀行家たちは裏切りを始めた。彼らはロックフェラー1世の側に結集した。(p.128-129)
 裏切りはじめたという具体的な証拠事例は書かれていないけれど、1914年前後にからむ世界史の大局的な見方として、副島さんの考えは確かに辻褄が合っている。
 その2年前の1912年4月に、豪華客船タイタニック号が沈没している。このとき、多くのロスチャイルド系のアメリカ富豪たちが死んでいる。奇妙な符号である。(p.130)