《前編》 より

 

 

【資源に絡むロスチャイルド】
 鉱物資源が富を生むということを、ロスチャイルドは早くから知っていた。ロスチャイルドが関わっている水銀やニッケルといった資源の例が記述されている。その他に、
 銅についても触れておくと、1870年初めまで、スペインのリオ・ティント鉱山がヨーロッパ最大の生産地だった。 ・・・(中略)・・・ リオ・ティントが優良な鉱山に成長していたころ、ロンドンとパリのロスチャイルドが鉱山株の3割を所有していた。
 ダイヤモンドも、ほほ同じケースといえる。 ・・・(中略)・・・ 。1889年、新しく 「ド・ベーア統合」 会社設立。表だっては見えないが、株の大半はロスチャイルドが所有していた。(p.96-98)
   《参照》   『メタル・ストラテジー』 谷口正次 (東洋経済新報社)

            【国際資源メジャー】

 

 

【ロスチャイルドの影響力】
 ロスチャイルドが世界の政治や経済に影響力をもっていたのは、第一次世界大戦までである。国々の首相や政治家、国王の友人、アドバイザーとして背後に控えていた。(p.162)
 なぜこんな記述をしたのか不明である。第一次世界大戦までではない。その後も隠然たる影響力を厳然と保持し続けている。そのような例が本文中に幾つも記述されているのである。
 「鉄の女」 サッチャーが商工省の官僚よりも、ニューコートのロスチャイルド・スタッフの意見を重視したことはほとんど知られていないだろう。(p.21)
 国際的にはアメリカのロックフェラー帝国の陰に隠れたいただけで、むしろ最近は、陰から表に出てきている。
 ユニオンジャックの矢に則した世界の発展地域など、ロスチャイルド戦略以外の何物でもないだろう。
   《参照》   『世界を知る力』 寺島実郎 (PHP新書) 《前編》

            【ユニオンジャックの矢】~【シンガポール~シドニー】

ドルvsユーロ、つまりロックフェラーvsロスチャイルドの壮絶な攻防が、ドバイ危機などの世界の金融危機の引き金になっているのである。
 
 
【相続税対策】
 鉄鋼コンツェルンの ”リオ・ティント” 株も大きく下落した。鉱山界の最大手、 “ル・ニッケル” にも大量の売りが出た。ダイヤのトラストとして知られている “ド・ベール” 株がこれに続いた。
  ・・・(中略)・・・ 。
 24時間前の売り手が一転して大量の買いに転じ、株価は一日で回復した。(p.171-172)
 相続税の株価評価は、所有者死亡日の時点で計算されるから、このようなことが行われたのである。
 そして、巨大金融財閥は、このようなことなど簡単にできるということである。

 

 

【フランスからアメリカへ】
 フランスでは左翼のミッテラン政権が誕生し、銀行は国有化されることになり、ロスチャイルド銀行はヨーロッパ銀行へと名称が変更された。それによってロスチャイルドは数十億フランの補償金を得たらしい。ロスチャイルドは、政府から受け取ったその補償金をもとにして、フランス国内に新しい民間銀行であるP・O(パリ=オルレアン)銀行を1984年に設立している。
 それだけではない、
 フランスを捨ててアメリカに渡り、マンハッタンに居をかまえた。ロックフェラー・センターに事務所を置く投資会社で 「ロスチャイルド」 の威力を発揮するのは、この後のことである。(p.192)
 ウォール・ストリート・フィルマを立ち上げて大々的な企業戦略に乗り出した。(p.195)
 フランス・ロスチャイルドとは別に、先んじてアメリカに進出していたロスチャイルドがある。
 ロスチャイルドが 「アムステルダム有限責任会社」 という子会社をつくり、ニューヨーク五番街に進出したのは戦争中のこと。ほんのささやかな足場だった。1950年に 「ニューコート証券」 と改名、はっきりとロスチャイルドを名のり出た。もともとロンドンとパリが株式資本を分担して、投資会社として大きく拡充した。(p.211)
 ロンドン・ロスチャイルドの拠点であるネイサン・マイヤー・ロスチャイルド銀行は、その所在地の名前から別名 「ニューコート」 と呼ばれていた。

 

 

【現在のロスチャイルドの活躍状況】
 サブプライム関係のニュースが、連日のように大きく報じられている。世界の名だたる銀行が大ヤケドをした。 ・・・(中略)・・・ 。
 伝わるところによると、その中でもモルガン・スタンレーやメリル・リンチといったロックフェラー閥が負った深手に比べれば、ゴールドマン・サックスなどロスチャイルド閥系の傷は浅かったという。(p.20)
 傷は浅かったどころか、焼け太りまでした完全なる独り勝ちであろう。
   《参照》   『すでに世界は恐慌に突入した』 船井幸雄・朝倉慶 ビジネス社 《前編》

             【焼け太りする巨大金融】

 

 

<了>