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 ㈱応微研という会社の自社出版書籍のようなものであったから、期待していた内容はなかった。中盤は化学の専門用語が数珠つなぎに出てきて、こっちの頭はヨロヨロヘロヘロである。
 近年、健康食品で売り上げを伸ばした会社らしい。しかし、活躍の舞台は国内ばかりではない。台湾、中国、アメリカ、東南アジア、そしてヨーロッパにも及んでいる。

 

 

【バイオテクノロジーとエコ・テクノロジーの違い】
 根底を遺伝子工学に置くバイオテクノロジーである。このカテゴリーに入るテクノロジーは、遺伝子解析であり、ジェノミックスと言われる分野であり、その発展概念としてのプロテオミクスであり、ジェノム創薬である。
 しかし、これらの概念は、前世紀の科学の方法論とまったく変わらない方法論に立脚して生命活動のメカニズムを分析的に抽出し、役に立ちそうな部分を切り取って化学工業的に使用しようとするものであった。これでは、前世紀の化学工業と大差はない。もっとほかのバイオテクノロジー、自然回帰の大きなうねりにふさわしく、環境回復に最も力の発揮できるようなバイオテクノロジーがあるはずである。(p.4)
 従来の医薬品と漢方薬品の違いを、そのまま対比的に当てはめるのはやや行き過ぎのようだけど、応微研という社名から推察しても、基本的にはそれでいいらしい。

 

 

【微生物のサンプリング】
 古来の微生物を求めてエジプトのピラミッド近くで土をサンプリングしているとき、盗掘と間違えられてポリスに発砲されて弾丸が耳元をかすめたとか、アマゾンで大蛇アナコンダに遭遇して命からがら逃げ出したとか、怖い経験もたくさんしました。・・・中略・・・。こうして集めた菌が、もう600種類ほどもあるでしょうか。(p.36)
 社長さんは、微生物収集オタクらしい。
 チャンちゃんは、ピラミッドを背景にラクダに乗ったターバン姿の警察官の写真を撮ったら、撮影料を払えとピストルを向けられたことがある。ラクダの上のアロガントポリスに1ドル紙幣を手渡す瞬間、風に舞わしてそのまま踵を返してきたけど、今でも生きている。エジプトとはそういう国である。

 

 

【役人によるエコ・サイクル潰し】
 食品加工残渣を微生物によって飼料化する技術は、リサイクルや食料問題という観点から画期的な技術と高く評価され、一躍脚光を浴びた。
 堀内社長はその成果を 「畜産の研究」 という専門誌の6か月にわたる連載記事で紹介したり、NHKの 「明るい農村」 に取り上げられるなど、大きな話題を呼んだのである。(p.43)

 しかし、農家には評判が良かったものの、やがて大きな壁にぶち当たった。配合飼料を売る全国の農協組織と、大きく対立したのだ。
 加えて、農水省の “お役人” が、「粕を集めてエサをつくっているから、安全性が疑問視される。危険とはいえないが、安全ともいえない」 なんてことをいう。 (p.44)
 これは1975年のことだという。アメリカから輸入される家畜飼料の国際的利権に絡んでいたのだろう。後々 “狂牛病“ を生んだのはどちらなのか。農協やお役人のやりそうなことである。下記リンクもそうである
            【吊し上げ】
 利権がらみの汚れた連中が容喙し掣肘し潰そうとも、現在はエコ・サイクルが必要とされている時代。

 

 

【エコトン・システム】
 堀内社長は、牛では挫折してしまったが、今度は豚で積年の夢を叶えようとしている。
 「現在のところ、エコトン・システムは中国を中心に展開しています。すでに、上海、北京、浙江省でスタートしました。ハムで有名な金華豚を算出する浙江省はすでに、・・・中略・・・。(p.156)
 中国の生産規模は、日本とは2桁も違うからエコトン・システムも適用のし甲斐があるというものだろう。

 

 

【バイオス】
 微生物による水質浄化の技術。台湾・高雄市の澄清湖や、中正記念堂の光華池、そして全国のゴルフ場の池などで使われ、実績は証明済み。しかし、
 『水をきれいにしたって、儲かる人は誰もいない』 部分が多少あるために、非常に展開しづらいことです。行政が予算を出してくれれば、河川の浄化にも取り組めるのにと、私は忸怩たる思いです。その点、エビの養殖地は 『バイオスを入れると収穫量が増加する。エビを伝染病から守ることができる』 という明確な経済性があるので、受け入れてもらいやすい。だから現在のところ、バイオスの主な活躍舞台は東南アジアのエビ養殖地になっています。(p.70-71)

 

 

【シンガポール進出の訳】
 生薬の豊富なマレーシアから日本に原料持ち帰りたいけれど、鮮度が落ちるし、なにより日本は通関を通るのに1週間もかかるという。シンガポールでは2時間で済むことが、日本ではなぜ1週間もかかるのか?
 香港やシンガポールや釜山にアドバンテージを取られてしまうという、この手の話は、ビジネス書を読んでいるとけっこう頻繁に出会う。この本は2003年初版だけれど、現在、日本の通関の遅さが改善されているのかどうか知らない。ここでもネックはお役人である。海に囲まれた海洋国家・日本がこれでは如何ともしがたい。

 

 

【ミッションステートメント】
 一般的に、「ミッションステートメントが明確にならない企業は、マーケットで成功しない」 と言われている。ミッションステートメントとは、企業の経営理念 ――― 砕いた言い方をすれば、「自分達はこれをやりたい」、「このために自分たちの会社は存在している」 という ”思想” を指す言葉である。(p.202)
 ミッションステートメントの基本は何と言っても “社会貢献” なのだろう。企業に限ったことではなく個人においてもミッションは同様なはずである。人に喜びを与えた分だけ還元される。
    《参照》   『セレンディピティ』 ボー・ピーボディー (ソニーマガジンズ)
             【セレンディピティの前提】
             【ひたすら信じること】 
 
<了>