
1950年代前後の、ハリウッドの赤狩り(共産主義者の追放)をめぐる内容が記述されている。
【ジョン・ウェインはなぜ死んだか】
松田優作、渾身の演技 『ブラック・レイン』 も、放射能による「黒い雨」を題材にしていたはずである。
反共でありタカ派のジョン・ウェインはタカの鋭い爪(武器)にかかって殺されていたのである。これを皮肉といわずして何というのだろう。
【ジョン・ウェインはなぜ死んだか】
ジョン・フォード監督。彼が愛するフォード一家の俳優たち、とくにジョン・ウェインはハリウッドのタカ派映画人ナンバー・ワン。反共団体「アメリカの理想擁護同盟」の会長がウェインでした。それにフォード自身、大変忠実な自称愛国者で、アメリカのやる戦争なら朝鮮戦争でも、ベトナム戦争でも国民の義務と考える保守派、(p.37)
反共団体の会長だったジョン・ウェイン。彼の死因をめぐって書かれた 『ジョン・ウェインはなぜ死んだか』 (広瀬隆・著)を思い出した。ジョン・ウェインは西部劇映画の撮影のために砂漠地帯でロケを行っていた。ここが軍需産業の核実験地域に隣接していたため、ジョン・ウェインは長期間放射能を浴び続けたことが死に至るガンの原因になったという主旨の著作だった。松田優作、渾身の演技 『ブラック・レイン』 も、放射能による「黒い雨」を題材にしていたはずである。
反共でありタカ派のジョン・ウェインはタカの鋭い爪(武器)にかかって殺されていたのである。これを皮肉といわずして何というのだろう。
《参照》 『文明の主役』森本哲郎(新潮社)
【シュルブールの雨傘】
【大統領となったロナルド・レーガン】
闇の支配者に関する精緻な書籍に、『億万長者はハリウッドを殺す』(広瀬隆・著)がある。
レーガンというのはともかく二流の俳優で、作品リストをみても、だいたい映画史の残るような作品は一つもない。みんな二流の西部劇と活劇しかないのです。それがなぜか俳優組合の、アクターズ・ギルドの委員長になった。1985年に暴露されたところによると、レーガンは戦前戦中からFBI、アメリカの連邦警察のスパイをやっていて、いちいち俳優組合の中のいろんな思想傾向を報告していたのです。 (p.38-39)
レーガンのように映画人から大統領になった人は稀であるけれど、それとて闇の支配者に対する揺るぎなき忠誠心があったからである。そうでなければ大統領になどなれっこない。闇の支配者に関する精緻な書籍に、『億万長者はハリウッドを殺す』(広瀬隆・著)がある。
《参照》 『ポリティカル・セックスアピール』井上篤夫(新潮社)
【ロナルド・レーガン】
【赤狩りをめぐるドラマの一側面】
かりに思想的な信条がどうであろうとも、自分が助かるために自分が仕事を続けるために他人を裏切ること、他人の名前をあげて身の保全をはかるというようなことは、普通の人間ならばやっぱりやるべきではない。やってはならない人間の良心の問題ですね。・・・(中略)・・・。ですからここでたたかい抜いた人たちのなかには、むしろ共産党員でない人のほうが圧倒的に多いんですが、こういう人たちは、やはり人間としてこれはけっしてやってはいけないことだということを拒否しつづける、人間の良心を守るためには他人を裏切らないためにたたかっている人たちを自分は支持するということをやっていたわけです。ですからそこにこのハリウッドの赤狩りをめぐる大きなドラマの一つの側面があるというふうに思います。 (p.76)
赤狩りという政治問題を機に、良心を裏切った人たちとして、エリア・カザンのことが記述されている。ジェームズ・ディーン主演の 『エデンの東』 は、彼が裏切ってから後の作品なのだという。
主人公のジェームズ・ディーンなどの描き方には、本当に後ろめたさを感じさせます。あのジェームズ・ディーンは、真正面から人の顔を見ない、ちょっとうつむき加減で、上目づかいに相手のことを見て、そしてものすごく家父長的で横暴な父親にひざまずいて愛を乞うというドラマなんですが、そういうところが、エリア・カザンの裏切り後の心境にもつながるところがあると思うわけです。 (p.77)
なるほど、こんな見方もありうる。
【映画は単なるエンターテイメントではない】
チャンちゃんの場合は、落合信彦や広瀬隆の本を読んでから映画に興味を持つようになったから、映画を観る場合、面白かったとか、楽しかったとか、感動したという言葉で完結させてしまうということは殆どありえない。年数を経ても記憶に残っているのは、エンターテイメント系より社会派系のほうが多い。
チャンちゃんの場合は、落合信彦や広瀬隆の本を読んでから映画に興味を持つようになったから、映画を観る場合、面白かったとか、楽しかったとか、感動したという言葉で完結させてしまうということは殆どありえない。年数を経ても記憶に残っているのは、エンターテイメント系より社会派系のほうが多い。
<了>