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 自己啓発ものの書籍は気が進まなかったけれど、『声に出して読みたい日本語』 などの著者として有名な齋藤孝さんが、自ら推薦しているヨコ帯が目に入ったので、読んでみる気になった。
 印象に残った箇所は、「脳の特性(サーボ機能)」と、心の習慣としての日々の「ケリのつけ方」であろうか。

 

 

【サーボ機能】
 人間は機械ではない。機械ではないが、精密な機械に匹敵するほどの優れたメカニズムを搭載している。それは “サーボ機能” といい、脳と神経系によって人を自動制御、あるいは自動誘導するというシステムである。
 前に、人間は “成功” というゴールを目指して突き進む本能 “成功本能” を持っていると述べたが、ゴールを見すえたら、その瞬に自動誘導機能の “サーボ機能” が作動することになっている。それは、ちょうど自動追尾式のミサイルや魚雷が、ターゲットを探し出して追跡する機能と似ている。
 ・・・(中略)・・・
 このサーボ機能は、「自分にはできる」 と信じて進めば、必ずゴールへと導いてくれる。しかし逆に、危険を察知して 「自分には無理だ、できない」 と思ったときは、完全に停止してしまうという選択も可能なのである。  (p.104 -106)
 「むずかしい」とか「たいへんですね」というのが口癖になっている人々は、サーボ機能を活用したことのない人々なのであろう。社会で仕事をしている人々は、「できないでは済まされない状況」 に置かれたことがあるはず。そんな場合、「無理だ」と自らを制限して最初から諦めてしまわない限り、サーボ機能が働くことを経験している人々は多いのではないだろうか。
 サーボ機能には、目標に向かう「ガイダンスシステム」としての機能の他に、新しいアイデアを生み出したり、突然のインスピレーションがひらめいたりする「電子頭脳」としての機能をも含んでいる、と著者は書いている。
 私の経験では、このサーボ機能には、自らに不足する部分を補う「人材を招きよせる機能」まで含んでいるのではないだろうかと思っている。

 

 

【イメージと現実】
 もう一つ、サーボ機能の他に、脳の特性として、知っていなければならないことがある。
 「脳は、イメージと現実の区別ができない」ということである。ポジティブなイメージを繰り返すイメージトレーニングの根拠はここにある。しかし、この脳の特性は、「両刃の刀」 以外の何者でもない。ネガティブなイメージは容赦なく自らの運命を剋すのである。
   《参照》   『「朝の習慣」を変えると人生はうまくいく!』  佐藤富雄  青春出版社
             【大脳の特性】

 

 

【心の習慣としての日々の「ケリのつけ方」】
 運命と性格は不可分であり、性格とはつきつめれば心の習慣である。
 そこで、著者は、心の習慣としての日々の「ケリのつけ方」をこのように書いている。
 つまり、現実は直視するけれども、感情的には引きずらないという態度だ。客観的な情報はきっちりと頭に入れて解決を図るけれども、感情面ではダメなことは忘れ、いいことだけを残していく。
 ・・・(中略)・・・ いわば「主観(感情)」と「客観(状況)」を冷静に使い分けて、しっかりけじめをつけていくのである。 (p.134-135)
 周囲がどうであろうが、サバサバした性格の人は、主観(感情)にこだわらない人であり、自己コントロールのできている人といえる。逆の性格の人は、主観(感情)にこだわり、良きにつけ悪しきにつけいつまでも周囲の状況に左右される人なのであろう。
 どちらの性格が好きか、という問題とは別に、運命に関する自己啓発手段として、どちらの性格が相応しいかを知っておくべきである。「情が深い」ことが全てにおいて良いのではないことは言うまでもない。多情多恨は確立した成句である。
 
<了>