ヨーガ経典に 「真我」 という用語がある。
意味は純粋観照者。
我々がこの世で体験する全ての物事を、ただ純粋に観察しているわけだ。
思考や感情など、自我の精神活動も観照している。
それは 「行為」 ではない。
「見よう」 と思って見ているわけではない。
真我は純粋観照者であるがゆえに、どんな行動も起こせない。
行為をするのは自我 (エゴ) の次元である。
我々が普段の生活でやっているようなことだ。
この真我というものが、今のスピリチュアル界で異常なほど持て囃されている。
「真我は永遠です」
「悟りをひらけば至福に包まれます」
「私は真我の悟りに至った」
実に素晴らしい言葉が並べられている。
求道者がこんなメッセージに触れれば、「私も悟りたい。覚醒したい。真我やワンネスの体験をしたい」 と思うだろう。
だが、はっきり言っておきたい。
そんなものは無い。
真我は無限ではないし、永遠でもない。
肉体が滅するように、魂も真我も必ず滅する。
というより、最初から存在していなかった、とも言える。
本質的にはね…。
そもそも真我とは観照者のことだから、観察する能力があるわけだ。
そこでは必然的に、枠・制限が生じる。
実際、真我は 「行為」 することは出来ない。無限の能力など有していない。
というか、極めて限られた能力しかない。
観察するしか能がないのだから。
能力とは、「性質」 と言い換えることも出来る。
性質がある以上、それは無限とは言えない。
性質という枠・制限があることになる。
真我には観察者としての性質がある。
それは観察者としての枠に縛られていることを意味する。
もし真我になんの性質もなければ、「観察者」 と呼ぶことも出来なくなる。
観察者としての性質がないのだから。
スピリチュアル界では安易に、無限とか永遠という言葉を使いたがる。
無限とはつまり 「制限や枠が無い」 という意味である。
だが…、
枠が一つも無ければ、固有の性質が生まれない。成り立たない。
観照者としての性質も失う。
真我が観照者としての性質がある…と言う場合、「○○の性質がある」 と定義付けることが可能な 「枠」 があることになる。
故に 「真我は無限」 「真我は完全に自由」 など、どんなに素晴らしい意味付けをしたところで、実は完全な自由は無い、ということになる。
真我にそのような制限がある以上、汚れたり、傷付くこともある。
私は実際、真我や魂のヒーリングを日々続けている。
最近の悟り系スピリチュアルでは、
「本来の自分 (真我) は傷付くことがない。汚れることが無い。いつも太陽のように輝いている」
と説いている。
空理空論、綺麗事に走っているのだ。
さて、真我を例に引いて説明してきたが、この話は性質あるもの全てに当てはまる。
愛。
光。
至福。
全てに制限がある。無常なのだ。
以前、非二元・ノンデュアリティ系の某指導者が、「私が説く非二元性とは決して虚無の世界ではなく、絶対なる愛と光の世界です」 と述べていた。
この人が存在の根源を 「愛」 と呼ぶなら、その呼称に相応しい性質があるわけだ。
愛の性質と…。
だが、絶対界が本当に愛の性質を帯びているなら、その愛の性質を生み出す構成要素 (条件) が有るということになる。
光でも命でも、特定の性質を有している以上、それを成立させる条件があるわけだ。
結局、全ての存在は条件付きということ。
無条件なものは一つもない。
無条件の愛も無い。
万物は複数の要素が組み合わさり、繋がることによって成立している。
我々の命も同じだ。
全て条件ありき。
条件が変われば、中身も変わってしまう。
条件が無かったら、中身そのものが生まれ得ない。
縁起の法則 (相互依存・関係性) に支えられている無常な世界。
結局、全てが二元の範疇だったということになる。
愛や光など、特定の性質について語る人は、二元の話をしていることになる。
ただし、私はそういう教えを全面否定するつもりはない。
この世で生きる以上、愛も希望も必要だし、「見返りを求めない」という心構えも大切である。
それにも関わらず、私が今回、虚無的な話をしたのは、巷の似非ノンデュアリティに対するアンチテーゼである。
真のノンデュアリティには、愛も至福もない。
なのに、美味しい餌をチラつかせて商売する自称覚醒者がはこびっている。
阿部敏郎さんや大和田菜穂さんのように…。
私はその詐欺行為に対して、警告しているだけだ。
真に絶対的な非二元ワンネスの次元には何もない。何の性質もない。
空っぽである。
我々の魂はいずれその次元に回帰する。
完全に滅する。
幻から目覚めた時に…。
だから私はその次元を 「絶対無」 と呼んでいる。
最終段階の覚醒、解脱という言葉は、その次元を指している。
本当は言葉に出来ないのだが、便宜上、そう呼んでいる。
今回は2015年02月11日にエンライトさんが発表した記事を再アップしました。
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です。