短編小説:藍色の雨
「藍色の雨」
エピローグ:新しい一歩
翌朝、目を覚ますと、窓の外は透き通るような青空だった。
雨上がりの街は洗い流されたように澄んでいて
強く眩しい日差しが、梅雨の終わりを告げていた。
クローゼットを開ける。
いつもなら迷わずベージュやグレーに手を伸ばすところだ。
その日の私は迷いなく、藍子が選んでくれたオレンジのブラウスを選んだ。
鏡の前に立つ。
そこに映っているのは、見慣れたはずの自分。
けれど、昨日までの私ではなかった。
少しだけ表情が明るく、瞳の奥にはっきりとした意思を持っていた。
オレンジ色のブラウスを着て階段を降り、朝食のテーブルにつくと
「あら舞子、オレンジなんて珍しいわね。
でも、とっても似合ってる」
母が驚いている。
「そう?ありがとう」
母の言葉を素直に受け入れた。
外に出ると、太陽が容赦なく照りつける。
それでも足取りは軽かった。
駅前のショーウィンドウに目をやった。
そこに藍子はいなかった。
けれどガラスに映る私は、かつて藍子がまとっていた色を
自分の色として身につけている。
ショーウィンドウに向かって微笑むと
その笑顔は確かに自分自身のものだった。
「自分を生きよう」
私は新しい一歩を踏み出した。
(完)
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後記)
舞子と藍子の物語を読んでくださってありがとうございます。
自分が思う自分は、とても曖昧です。
舞子はすっかり、諦めに支配されています。
でも、ほんとは自分らしさを探している。
自分らしく生きたいと思っている。
そんな心の声が、微かだけど聞こえてきます。
藍子との出会いは、舞子の心の声との出会いです。
その声を聞き逃さず、舞子と藍子は一つになります。
この短編小説が、みなさんの中の藍子と出会い
自分を知るきっかけになると幸いです。
さらに後記w)
これを書き始めたのは、2年ほど前に受講した
松原靖樹さんの「本質思考トレーニング」で、小説を書く課題があったからです。
それを聞いた瞬間に、「二重人格の女性を書こう!」と思い立ちました。
そしてこの物語のストーリーと女性2人の名前が出てきました。
(スピ界隈の人々は「降りてきた」というのかもしれません。笑)
最初はサイコミステリーのつもりでしたが
小説を書いたことがない私に、そんな力量があるわけもなく
サイコミステリーとは程遠い物語になりましたが
別の意味で怖さを感じるストーリーだと思います💦
そして希望も✨
松原さん、物語を紡ぐきっかけを、ありがとうございます。
そしてこの講座、むちゃいい講座でした♥
短編小説:藍色の雨
