短編小説「藍色の雨」エピローグ | 神さまのいる暮らし

神さまのいる暮らし

日本人が古くから育んできた、
暮らしに根ざした神さまとの関係を、
講座や日々の気づきとともに丁寧に発信しています。

短編小説:藍色の雨

1.雨の日の出会い  2.再会  3.さざ波  4.ゆらぐ境界  

5.統合  エピローグ.新しい一歩

 

「藍色の雨」

エピローグ:新しい一歩

 

 

翌朝、目を覚ますと、窓の外は透き通るような青空だった。
雨上がりの街は洗い流されたように澄んでいて

強く眩しい日差しが、梅雨の終わりを告げていた。

 

クローゼットを開ける。
いつもなら迷わずベージュやグレーに手を伸ばすところだ。
その日の私は迷いなく、藍子が選んでくれたオレンジのブラウスを選んだ。
 

鏡の前に立つ。
そこに映っているのは、見慣れたはずの自分。
けれど、昨日までの私ではなかった。
少しだけ表情が明るく、瞳の奥にはっきりとした意思を持っていた。

 

オレンジ色のブラウスを着て階段を降り、朝食のテーブルにつくと

「あら舞子、オレンジなんて珍しいわね。

でも、とっても似合ってる」

母が驚いている。

「そう?ありがとう」

母の言葉を素直に受け入れた。

 

外に出ると、太陽が容赦なく照りつける。
それでも足取りは軽かった。
駅前のショーウィンドウに目をやった。

そこに藍子はいなかった。
けれどガラスに映る私は、かつて藍子がまとっていた色を

自分の色として身につけている。
ショーウィンドウに向かって微笑むと

その笑顔は確かに自分自身のものだった。

 

「自分を生きよう」

私は新しい一歩を踏み出した。

 

(完)

 

✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼

後記)

舞子と藍子の物語を読んでくださってありがとうございます。

 

自分が思う自分は、とても曖昧です。

舞子はすっかり、諦めに支配されています。

でも、ほんとは自分らしさを探している。

自分らしく生きたいと思っている。

そんな心の声が、微かだけど聞こえてきます。

 

藍子との出会いは、舞子の心の声との出会いです。

その声を聞き逃さず、舞子と藍子は一つになります。

この短編小説が、みなさんの中の藍子と出会い

自分を知るきっかけになると幸いです。

 

さらに後記w)

 

これを書き始めたのは、2年ほど前に受講した

松原靖樹さん「本質思考トレーニング」で、小説を書く課題があったからです。

それを聞いた瞬間に、「二重人格の女性を書こう!」と思い立ちました。

そしてこの物語のストーリーと女性2人の名前が出てきました。

(スピ界隈の人々は「降りてきた」というのかもしれません。笑)

最初はサイコミステリーのつもりでしたが

小説を書いたことがない私に、そんな力量があるわけもなく

サイコミステリーとは程遠い物語になりましたが

別の意味で怖さを感じるストーリーだと思います💦

そして希望も✨

松原さん、物語を紡ぐきっかけを、ありがとうございます。

 

そしてこの講座、むちゃいい講座でした♥

 

 

 

短編小説:藍色の雨

1.雨の日の出会い  2.再会  3.さざ波  4.ゆらぐ境界  

5.統合  エピローグ.新しい一歩