50℃のお湯の中に入れる
ここへ来て師匠ですら、まだ2匹しか釣れていない。
膜に箸をぶっさして、グルグル回すとイクラがほぐれる
今年の飯寿司の分だけは、なんとか確保していただきたいところだ。
何度か水を入れて表面に浮いたゴミや皮を流す
秋鮭って、正直別に美味くない。
卵巣や性巣に栄養を取られるから、身がパサパサしている。
同じシロザケである、夏に沖に回遊してくるトキシラズの方が、何倍も美味い。
イクラの量に対し、3%の砂糖を入れる
けれども、山漬けにすると抜群に美味しいのも確かだ。
がっちり塩をして、熟成させると旨味が凝縮される。
脂が多いトキシラズでは、あの味は出ないだろう。
保存性も低い。
木べらで優しく掻き混ぜると、白っぽかった色が鮮やかなオレンジ色に変わる
自身では食えないいくらを作っていると、いつも虚しい。
家族や友人たちのために作るのだけど、美味しそうに食べているのを見ていると、心底羨ましいと思う。
イクラの量の6分の1の醤油を加えて、一晩置く
オレンジ色にピカピカ光るいくらは、一体どんな味がするのか?
昔、少しだけ食べてみたことがあるけれど、プチッと弾けた粒からドロっとした脂が口の中に広がって、飲み込んだ途端に、喉が痒くなって、呼吸が苦しくなって、味わうどころではなかった。
その間、何度か掻き混ぜて、出来上がり
ねえ、どんな味?どんなふうに美味しいの?
私はイクラ以外の魚卵は食べれるし、どれも大好きだけど、イクラの方が美味しいの?
そう聞くと、ほとんどの人が、イクラの方が美味しいと言った。
粒が大きいから、弾けたときの脂の味が濃いらしい。
それじゃあ、全然、わからない!
茹でたイクラよりも、そんなに美味しいの??
茹でたイクラは食べられる。
汁物にするとめちゃくちゃ美味しい。
そんなことをするのは、うちだけらしいが。
釣り好きな父が秋になると毎日秋鮭を持ってくるので、イクラが嫌になるほどうちにあった。
生で食べるのに飽きた祖母が、よく味噌汁や醤油汁に入れていたのである。
しかしどうして、茹でると食べられると気付いたのか、よく覚えていない。
生のイクラは、茹でたよりも美味しいの?とどちらも食べる娘にある日、聞いてみた。
茹でたのも美味しいけど、生の方が断然美味しいよ。と娘は言った。
私には食べてみたくても、絶対に知ることのできない味がある。
例えば東南アジアの珍しい新鮮なフルーツとか、とれたてのホタルイカの踊り食いとか、ここでは味わえなくても、現地に行くことができれば食べられるだろうけど、イクラの味だけは、こんなに身近にあるのに知ることができない。
私は釣れるのに!もらえるのに!
美味しく味付けできるのに(たぶん)!
世の中に、こんな悔しいことがあるか?!
いや、ない!
スプーンで混ぜながら、一口だけ!と口へ運ぼうとするのだが、病院行きになると自分が苦しいし、めんどくさいし、確実に具合が悪くなるのを承知で食べて、みなさんの保険を使うのも世間にご迷惑ですので、止めておきます。






