軽く見ているから酷い目に遭う、ということが私にはよく起こる。
小心者で臆病者の癖に無計画で面倒くさがりという欠点は、登山者にとって致命的であるにも関わらず。
夏に食べ残した青唐辛子を完熟させたものを干しておいた。
これをミルサーにかけて、一味唐辛子にする。
ミルサーの器が小さいので3個か4個ぐらいずつしかミキサーにかけられない。
一口齧ってみて、さほど辛さを感じなかったから、素手で割って中の種を取り除きながら作業を続けた。
途中から、鼻水が出てきて、目がしばしばしてくる。
さほど気にせずにいたが、中盤に差し掛かって涙が出てきた。
作業を繰り返すうちに細かい粉が空気中に舞い始めたのだろう。それが、鼻の粘膜や目に入って、刺激してくるのだ。
それでも山わさびをすりおろすことよりも、全然楽であった。ヤツときたら、ゴーグルをしてすりおろしても、その辛味成分を僅かな隙間から侵入させてきやがる。
その刺激といったら、玉ねぎのみじん切りの比ではない。
しかし。手を丁寧に石鹸で洗って、ふと涙を拭ったその時である。
目尻にビリッ!と電流が走ったような痛みがやってきた。
なのにさらに、反射的にまたゴシゴシと両目を手の甲で擦ってしまった。
もうそれからが地獄である!
目が痛くてまったく開けられなくなり、目の周辺が痛くて痛くてたまらない。
洗面所に行って、洗顔料を泡立て、ゴシゴシと洗い流すのだが、一度だけではまったく痛みは消えず、二、三回繰り返しても、瞼と目尻がヒリヒリ、ジンジンといつまでも痛い。
痛い。という言葉だけでは足りない。
皮膚の細胞の一個一個が引き裂かれるような痛みだ。
お風呂に入って全身を洗って、手も丁寧に洗い直して、また顔を洗って、ようやく落ち着いた。
最初に手を丁寧に洗ったつもりでも、何度も素手で触っていたから、唐辛子のカプサイシンは洗い流されていなかったのだろう。
しかもひどく細かくなった粉が皮膚の隙間にくっついたままだったのかもしれない。
登山グッズの熊スプレーには唐辛子成分が入っていると聞いたことがあり、そんなもんで効くかな?と思っていたけど、これを至近距離で大量に、しかも、目を目掛けて吹きかけられたら、熊であっても相当の痛手かもしれない、と納得がいった。
何せ、洗った手で少し擦っただけでも、痛い!痛い!痛い!と叫びながら、のたうち回るほどである。
若いお嬢さんは、夜道を歩く時にご自身でミキサーにかけたハバネロの粉でも瓶に入れて、ポケットに入れて、持ち歩いていれば、ランチのときにサッと何かにふりかけることもできるし、暴漢に襲われたとき、かなり役に立つかもしれない。
ちなみに韓国産の粉唐辛子ではなく、国産かハバネロの方が強烈だと思われます。
これは、武器だわ。
料理とは、漬け物にちぎって入れるぐらいではまったく気付かなかったけど、こんなに大量に細かくして空気中に舞うと、本当にヤバい。
マジで失明するかと思った(大袈裟か?)。
一味唐辛子を作る時は、絶対手袋した方がいい。役に立たないかもだけど、ゴーグルもした方がいい。ということがわかった。
辛いといっても山わさびおろすより楽だと思ってたけど、刺激の持続性が半端ない。
唐辛子を軽く見ちゃいけない!

