不定期連載「がん告知は突然に」。
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私は入院しているとき、
丸4日間ベッドの上から降りられませんでした。
麻酔の影響と思わぬ手術の後遺症で、
両足がしびれていたからです。
また、手術終了直後には、
体に9つものパッチや針、管などが
つけられていたこともあります。
ちなみにトイレは、尿管カテーテルをつけているので
小の場合は行く必要はありません。
(大の場合は、看護師さんを呼んで、
車椅子で行くことになっていました)
でも、カテーテルをつけているからこそ、
ベッドから離れられません。
そんなわけで、私の世界は4日間、
ベッドの上だけで完結していたのです。
ありがたいことに、この病院はwi-fiが使えたので、
パソコンやスマホを自由に使えたため
退屈することはなかったのですが、
「動けない」「できない」というのは
地味に精神を弱めるなと思いました。
何しろ、ベッドから出られないので、
食後に歯を磨きに洗面台に向かうこともできません。
ではどうするかというと、
テーブルの上に、ペットボトル、コップ、
ビニール袋を敷いたコップをおいて置き、
口をゆすいだらビニールの中に入れて、捨てるのです。
そんな感じなので、必要なものは、
全てテーブルとベッドの上に置いていました。
もちろん、ロッカーにしまったものを自分で取ることもできません。
看護師さんが忙しいのは知っていますので、
なるべくナースコールをしないよう、
用事があるときは、検温や配膳の時に頼むか、
お見舞いに来てくれた家族に頼むかになります。
いつも「悪いなぁ」という気持ちがありました。
そんな思いでいたから気力も落ちていて、
術後で体力が落ちていたので
ダブルで弱っていたのでしょう。
手術前から風邪をひいていたのですが、
食べて寝ることしかしていないのに、
なかなか治らないんですね。
腹筋を切って縫っていますから、
せき込むと激痛が走ります。
それもあって、早く治ってほしいのに治らない。
この頃の私が考えていたことは、
自分ががんだと分かったこと、
手術でお腹を切ったことよりも
「足のしびれはどうなるんだろう
風邪はいつ治るんだろう」
ということでした(笑)。
手術の痛みは薬でコントロールされていたので、
鼻詰まりや咳やしびれの違和感のほうが、
ずっと苦しかったんです(笑)。
けれど、それが劇的に変わったのは・・・
歩行器を使って、歩けるようになったことです。
歩行器を使うことで、トイレに行けるので
尿管カテーテルがとれ、全ての器具が体から外れました。
これでもう、
トイレで看護師さんを煩わせることはありません。
自分でおしぼりをもってきて、
好きな時に体を拭き、パジャマをロッカーから取り出し、
着替えることができます。
歯を磨きに行くことも、
外の風景を見に行くこともできます。
歩くリハビリもできるし、
一人で病院内のコンビニも行けるのです。
「できる!」
と、自分の意志で自分がやりたいことができるということ。
それによって私は、自分の「気力」が戻ってくるのを感じました。
「人にやってもらなければできない」というとき、
申し訳なさからか、私はなんだか委縮していたのです。
もちろん、「頼る」というのも大切なことなのですが、
「自分で決められる」
「自分でできる」
ということにより、自分にパワーが戻ってきたのは、
「自分の自由意思を活かしてさまざまな経験をする」
ということが、
肉体をもってこの地上で生きることを選んだ、
自分が求めていることだから、とも感じました。
だからこそ、自分でできることが増えることで、
「自分を取り戻す」ような感覚があったのでしょう。
風邪もその日を境に、グッと回復しはじめました。
足のリハビリもぐんぐん進みました。
無理をするのはいけませんが、
大事にし過ぎて寝てばかりいても、
回復は遅くなってしまう気がします。
それは、気力が出ないからでもあるんですね。
リハビリも、「できること」が少しずつ増えることが
励みになって、やる気になって、
それでまたできることが増えていったように思います。
気力が出ない時というのは、
何らかの理由で、
自分が不自由を感じているからかもしれません。
「自分で決める」
「自分でやる」
それが気力復活の鍵になるかもしれませんよ。
「気力」というものの大切さを、
実感した出来事でもありました^^