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私の手術は開腹手術だったのですが、
手術時は全身麻酔なので知らないうちに終わるものの、
大変なのはその後から。
当然です。
皮膚も内臓も切って縫っているわけですから。
2度の帝王切開の経験がある、
切腹(笑)の先輩である姉に聞いたところ、
「ものすごく後が痛い」
というのです。
けれど今回の手術では、手術を終えた後、
「硬膜外麻酔」という、背骨の脊髄に針で薬を入れ続け、
痛みを緩和する処置がとられました。
背骨のところに針が刺さり、
それに薬がつながって、
じわじわと入るようになっており、
痛いときは自分でもエイッと適量入れることができます。
そのおかげもあって、「耐えられない痛みが10」だとすると
1~2くらいの痛みしか感じずに済みました。
ただ、そのせいか、背中、胸、お腹、足は太もも全体から
ふくらはぎのほうまでしびれているのです。
予定では、動かないで起こる血栓症や内臓の癒着をさけるために、
翌日から歩くとのこと。
歩くことができたら、トイレに行けますから、
尿管カテーテルが外れます。
けれど両足がしびれていて力が入らないので、
ベッドから降りることができません。
それで、しびれが少し減ればと、
硬膜外麻酔の量を「4」から「2」にしてもらったら
やっぱり痛みがひどくなり、
戻してもらったら・・・
なんと看護師さんのミスで「0」になっていたらしく、
手術、入院を通じてその数時間だけ
「めっちゃ痛い」を経験することになりましたf^^;
けれど痛みを訴えたらメモリを「4」に戻してくれたようで、
その後は痛みが全くなくなりました。
ビバ、硬膜外麻酔。最強です。
が、体のしびれはひどいです(笑)
翌日は終日薬を入れ続けたので、やはり立てず。
そしてその次の日、硬膜外麻酔を終えることになり、
ヤレヤレ、ようやくこのしびれから解放されると思っていたら・・・。
8時間経っても、大腿部からふくらはぎまで、
両足のしびれがまだ残っていたのです。
この時点で、ようやくお医者さんも、
このしびれの原因は硬膜外麻酔ではなく、
手術時に足を大きく広げた姿勢で
5時間以上かかったため、
神経が圧迫されたことによる大腿部麻痺
だと分かったのです。
ネットで調べてみると、そういう例はあるようです。
状態は、ベッドに腰掛けて足を下ろしていると、
右足は皮膚にしびれはあるものの、90度まで伸ばすことができます。
けれど左足は皮膚のしびれもずっとひどいですし、
伸ばそうと思っても、神経が通らないので、
ピクリともしないのです。
時々様子を見に来てくれる研修医の先生が、
状態の確認に来られたので、
歩こうとチャレンジしたら・・・。
立つことはいちおうできるんです。
なぜなら、立つのは、骨でできるから。
けれど、一歩歩こうとすると、
太ももに全く力が入らないので、
そのままぐにゃんと倒れて、
先生が支えてくれたので転倒はしなかったものの、
ベッドにまた座るのすら一苦労するありさまでした。
そのときの私の絶望感ときたら・・・(笑)
予定では、翌日が退院だったのです。
けれど、歩けない。
このままでは、尿管カテーテルも外れないし、
家にも帰れません。
退院するには、トイレに行けるだけでなく、
日常生活が多少できるくらいは歩けないと許可されないのです。
「翌日から、リハビリ入れましょう」
「お願いします・・・」
どれだけ治るのに時間がかかるか分からない、足のしびれ。
そしていつ家に帰れるのか。
がんだったとか、臓器を摘出したとか、
本来の入院の目的はなんかもう小さくなって、
「どうしたら足が早く回復するのか!?」
のほうが意識の中では大きくなっていました(笑)。
けれど今思えば、足のことがなければ、
がんのこと、失った臓器のこと、
今後の抗がん剤治療や再発のことなどを、
うじうじうじうじと考えて、
暗くなって病人づらをしていたかもしれません。
でも、その時はもう、そんなこと(笑)よりも、
足の回復のほうが最大の関心事でした。
そして、リハビリが始まる前から、
一人リハビリをスタート。
危なくないようにと、ベッドの上で、
しゃがんでみたり、膝立ちをしてみたり。
電動ベッドの頭側を最大の80度近くまで角度を上げて、
それに寄りかかりながら立ち、つかまりながら、
その場足踏みをしてみたり。
そのおかげもあったのか・・・
次の日、理学療法士さんが
歩行器をもってきてくれたら、
それにつかまって、スッと立つことも、
歩行器を使いながら前に進むこともスイスイできたのです!

「一人で歩ける」
その時の喜びときたら!
理学療法士さんが、魔法の杖を授けてくれた
神様に見えましたよ(笑)
体の不自由な人が、補助器具を得ることで、
「できない」が「できる」ようになる嬉しさを実感できました。
歩行器という魔法の杖を得て、
クララ(笑)は歩くことができるようになり、
ようやく全ての器具を外すことができました。
4日間、窓のないカーテンの仕切りの内側の、
ベッドの上だけで私の全ては完結していたのですが、
歩行器を使って窓際に行き、
外を見ることができるようになりました。
そこには「世界」がありました。
紅葉し始めている山々、
日の光を浴びている家々。
高層階だったので遠くまで眺められる景色を見ながら
「世界は美しい」
と心から思ったのです。