大江戸礼賛 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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約4年に及ぶ大規模改修を経て、ついに先月3月31日、

“江戸博”こと東京都江戸東京博物館がリニューアルオープンしました。

それを記念して現在、再開館後初、

実に4年ぶりとなる特別展が開催されています。

その名も、“大江戸礼賛”です。

 

江戸東京博物館「大江戸礼賛」特別展ポスター

 

 

出展作品は、すべて江戸博コレクション。

コレクションを代表する作品や休館中に新収蔵した作品など、約160件で構成されています。

それらの中にはもちろん、江戸博のロゴマークのもととなった、

東洲斎写楽による《市川鰕蔵の竹村定之進》も含まれていますよ。

 

写楽《市川鰕蔵の竹村定之進》

東洲斎写楽《市川鰕蔵の竹村定之進》 寛政6年(1794) 東京都江戸東京博物館蔵

 

 

さらに、江戸博の浮世絵コレクションより、

歌麿や北斎の代表作の数々も展示されています。

 

江戸東京博物館、歌麿・北斎の浮世絵名品

江戸博 浮世絵コレクション 冨嶽三十六景

展示風景

 

 

これだけの浮世絵の名品が一堂に会するのは、

江戸博の歴史の中でも、レアofレアの機会とのこと。

リニューアルオープン記念特別展ならではのスペシャルサプライズです。

星星

 

 

さて、本展は序章と終章を合わせて6章で構成されています。

まず第1章では、武士の都としての江戸がテーマ。

泰平の時代における武具や、武家の婚礼調度などが紹介されています。

 

江戸東京博物館の武家火消装束

明珍宗保《紺糸素懸威五枚胴具足》 天保15年(1844) 東京都江戸東京博物館蔵

 

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幸阿弥長重《綾杉地獅子牡丹蒔絵十種香箱》 慶安2年(1649) 東京都江戸東京博物館蔵

 

 

そんな第1章の冒頭に展示されていたのは、

狩野探幽ら狩野派の絵師による《武州州学十二景図巻》

その絵巻のうち、江戸城の天守が描かれた部分が紹介されていました。

 

江戸城天守の絵巻

狩野探幽・尚信・安信・益信《武州州学十二景図巻》 慶安元年(1648) 東京都江戸東京博物館

 

 

モチーフが江戸城ということで、気合を入れて描いているのかと思いきや。

予想に反して、さらさらっと描かれている印象を受けました。

なお、この絵巻が描かれた数年後に、

江戸城は、明暦の大火で焼失してしまいます。

妙に寂しさがあるのは、それを予見していた・・・のかもしれません。

 

 

続く第2章でスポットが当てられているのは、

100万人都市となった江戸の町人たちの娯楽。
天保3年に出版された儒学者・寺門静軒の『江戸繁昌記』には、こんな記述があります。
 
二時の相撲、三場の演劇、五街の妓楼
 

「二時の相撲」とは、春と冬の年2回開催されていた勧進相撲のこと。

「三場の演劇」は、 江戸の代表的な歌舞伎座である森田座、中村座、市村座の三座。

「五街の妓楼」は、5つの主な通りで構成されていた吉原遊郭を指すそうです。

第2章では、そんな江戸の3大娯楽にまつわる作品が展示されています。

 

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展示風景

 

 

それらの中で特に印象に残っているのが、
国芳を師に持つ歌川芳春の《大相撲出世鏡》なる相撲番付。
一般的な相撲番付は文字で書かれていますが、
本作は315人もの力士をあえて絵で描いています。
 
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歌川芳春《大相撲出世鏡》 元治2年(1865) 東京都江戸東京博物館
 
 
小さすぎて、結局のところ誰が誰なんだか・・・(笑)
細かすぎて伝わらない、とはまさにこのことです。
 
第3章では、江戸の火災事情にフォーカス。
“火事と喧嘩は江戸の華”との言葉があるように、
明暦の大火をはじめ、江戸の町は幾度となく火災に襲われました。
それらの火災に立ち向かうのが、江戸の火消たちです。
ところで、火消は大きく分けて2つあります。
1つは、江戸城や武家屋敷の消防にあたる武家火消。
上級国民(?)だけあって、彼らの装束は、
戦国時代の武将ばりに華やかなのが特徴です。
 
江戸博特別展「大江戸礼賛」の展示品
展示風景
 
 
それに対し、町屋敷を管轄する町火消の衣装は、
全面に刺子を縫った木綿製の実用性の高いもの。
 
江戸博の火消衣装と浮世絵
展示風景
 

 

武家火消と比べると、地味な気がしますが、

江戸っ子たちには「粋」で人気を博していたそうです。

 

ちなみに。

火消関連では、米沢藩上杉家の大名火消行列を描いた絵巻展示されていました。

 

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《出羽米沢藩上杉家大名火消行装図巻》 江戸後期 東京都江戸東京博物館蔵

 

 

実際は、屈強な男たちなのでしょうが、

ちんまりと描かれていて、妙な可愛さがありました。

佐藤雅彦さんのアニメーションを彷彿とさせるものがあります。

 

 

第4章は、江戸の文化がテーマ。
平賀源内の直筆の書簡や、

 

江戸東京博物館の曲亭馬琴書簡
平賀源内《平賀源内書簡》 安永4~8年(1775~79)頃 東京都江戸東京博物館蔵

 

 

いわゆる「江戸琳派」を創始した酒井抱一に関する品々、

 

江戸博「大江戸礼賛」展示品

展示風景

 

 

他にも、杉田玄白の『解体新書』や、大田南畝による狂歌本、

曲亭馬琴による『南総里見八犬伝』全106冊などが展示されています。

 

江戸博の書物コレクション:馬琴、北斎、歌麿
曲亭馬琴・著/柳川重信ほか・画『南総里見八犬伝』
文化11~天保13年(1814~42) 東京都江戸東京博物館蔵

 

 

なお、曲亭馬琴といえば、彼が伊勢間松坂の友人、

殿村篠斎に宛てた書簡(新収蔵品)も展示されていました。

 

馬琴書簡 江戸東京博物館蔵

曲亭馬琴《殿村篠斎宛曲亭馬琴書簡(部分)》 文政5年(1822)7月22日 東京都江戸東京博物館蔵

 

 

馬琴はとにかく、長々と書簡を書き連ねる人物だったようで。

この手紙の全長も9m64cmに及ぶそうです!

とはいえ、その長さがいまいちピンとこなかったのですが、

ふと上を見上げたら、9m64cmの手紙を再現したものがありました。

 

江戸東京博物館に展示された9.64mの手紙
展示風景
 
 
・・・・・長っ!!
読むのも憂鬱ですが、返信するのも憂鬱です。
 
 

 ┃会期:2026年4月25日(土)~5月24日(日)

 ┃会場:東京都江戸東京博物館

 ┃https://www.edo-tokyo-museum.or.jp/s-exhibition/raisan/

 

 
 
 
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