Unique Collection | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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天気に恵まれた4月のある日。

久しぶりに箱根の彫刻の森美術館に足を運んでみました。

年中無休、1年を通じて楽しめる美術館ではありますが、

やはり新緑の季節の彫刻の森美術館は格別の趣がありますね。

 

箱根彫刻の森美術館、春の屋外展示
箱根彫刻の森美術館、新緑と球体アート

 

 

そんな彫刻の森美術館に、この春より、

新収蔵品が常設展示されることとなりました。

その新収蔵品が、こちら↓

 

箱根彫刻の森美術館の黒い彫刻とツツジ

草間彌生《われは南瓜》 2013年

©YAYOI KUSAMA, Courtesy of Ota Fine Arts

 

 

草間彌生さんの《われは南瓜》です。

彫刻の森美術館のコレクション総数は、2000点余りに及びますが、

意外にも草間彌生さんの作品は、本作が初めての収蔵となるのだそう。

なお、草間さんの立体作品は数多くあれど、

石彫のものはほとんどなく、世界的にも希少な1点です。

確かに言われてみれば、そもそもモノクロであるのも珍しい気がします。

ところで、本作は新収蔵品ではあるものの、

“どこかで観たことがあるような・・・”と、デジャヴを感じた方も少なくないでしょう。

それもそのはずで、実は本作は2025年まで、

「丸の内ストリートギャラリー」で展示されていました。

もともとは数年で別の作品と交代する予定でしたが、

あまりの人気ゆえ、丸の内に10年以上とどめ置かれることに。

そして、このたび晴れて、都心から自然豊かな新天地へ、

彫刻の森美術館のコレクションに加わる運びとなったのです。

 

なお、同館で常設されるにあたって、新たに台座が制作されました。

 

箱根彫刻の森美術館、水玉模様のオブジェ

草間彌生《われは南瓜》 2013年

©YAYOI KUSAMA, Courtesy of Ota Fine Arts

 

 

よく見ると、台座の全体も水玉で覆われています。

さらに、その周囲にはタイルモザイクタイルも新たに敷設。

それもまた水玉です。

 

また、草間さんの水玉模様は、隣接するカフェ&休憩スペースにも増殖。

こちらは期間限定で、ガラス面が赤い水玉で覆われていました。

 

箱根彫刻の森美術館、新緑と建物

 

 

ちなみに。

建物内に入ってみると、ご覧の通り。

 

箱根 彫刻の森美術館 赤い水玉模様の窓
©YAYOI KUSAMA, Courtesy of Ota Fine Arts

 

 

ここからは宮脇綾子の《うつろひ Utsurohiが眺められるのですが、

赤い水玉のインパクトが強すぎて、その印象が完全にかき消されていました(笑)。

さらに、赤い水玉は2階の休憩スペースにも増殖しています!

 

彫刻の森美術館、水玉模様の通路
©YAYOI KUSAMA, Courtesy of Ota Fine Arts

 

 

カフェ2階の丸太広場 キトキにはバルーン製の《南瓜》も設置されていました。

(注:作品の設置は11月1日まで)

 

草間彌生《われは南瓜》彫刻の森美術館
©YAYOI KUSAMA, Courtesy of Ota Fine Arts
 
 
さて、そんな草間祭り状態(?)の彫刻の森美術館では現在、
本館ギャラリーにて “Unique Collection”という展覧会が開催中。
「多様性」をキーワードに、同館のコレクションの一部を紹介するものです。

 

彫刻の森美術館のユニークコレクション展示

 

 

これまで何度も彫刻の森美術館を訪れていますが、

出展作品のほとんどが初めて目にするものばかり!

 

彫刻の森美術館のブロンズ彫刻
image

 

 

しかも、紹介されていた作品には、平面作品もありました。

 

箱根彫刻の森美術館の鮮やかな絵画

 

 

確かに、彫刻の森美術館という館名だからといって、

立体作品しかコレクションしてはいけないわけではないですからね。

“こんな作品も所蔵してたんだ!”と新鮮な驚きがありました。

星星

 

 

さて、作品そのものにも多様性が感じられましたが、

さまざまな国の作家を網羅しており、多様性が感じられます。

とりわけ多様性を感じられたのが、イガエル・トゥマルキンなる作家。

彼は、ドイツ出身でイスラエルで活躍したのだそう。

本展ではそんな彼の《魔女の宴》(写真奥)という作品が紹介されていました。

 

イガエル・トゥマルキン《魔女の宴》と反射する彫刻

画像提供:彫刻の森美術館

 

 

よく見ると、画面のところどころに、

スペインの巨匠「ゴヤ」の名が見て取れます。

なんでも、本作はゴヤの《魔女の夜宴》がモチーフなのだそう。

ドイツに、イスラエルに、スペインに。

多様性にもほどがあります。

 

 

他にも印象に残る作品が多々あったので、いくつか紹介していきましょう。

まずは重村三雄による《疑似》(写真右)から。

 

石彫と座る人々、箱根彫刻の森美術館
画像提供:彫刻の森美術館

 

 

重村は当時まだ珍しい素材だったFRP(繊維強化プラスチック)で、

人体や身の回りのものを直接型取りし、メタリックな塗装を施すという、

カタメタージュ」と名付けた独特な手法で知られる彫刻家です。

なお、「カタメタージュ」で型取りされたのは、重村の知人が多かったそう。

本作のために型取りの餌食(?)になったのは、劇人形作家の片岡昌。

人形劇『ひょっこりひょうたん島』の人形制作をした人物です。

今にもひょっこり動き出しそうですね。

 

インパクトが強いと言えば、アルマンの《無題》(写真右)も。

 

アルマン《無題》刷毛の集合体アート

画像提供:彫刻の森美術館

 

 

よく見ると、キャンバス全体に、

おびただしい数の刷毛が張り付けられています。

アルマンは生涯を通じて、モノが集合することで、

本来の用途が変質(破壊される)ことを追求した作家です。

刷毛を単体で観る分には、ただの刷毛としか思えませんが、

たくさん集まると、刷毛ではなく、虫の類いのように感じられました。

ちょっと嫌悪感すら覚えました。

 

 

最後に紹介したいのは、セザール・ドメラの作品群。

初めてその名を知りましたが、オランダ出身の彼は、

モンドリアンやリートフェルトと同じく、デ・ステイルのメンバーだったそう。

デ・ステイルというと、垂直水平を強調するイメージがありますが、

ドメラの作品はむしろ、曲線を組み合わせた有機的なスタイルでした。

ただ、時には、デ・ステイルらしい作品も制作していたようで・・・・・と思ったら。

 

抽象的な作品が並ぶ展覧会会場

画像提供:彫刻の森美術館

 

 

左から2番目のは、美術館の壁にもともとあった通気口か何かでした。

ちょっと紛らわしかったです(笑)

 

 

 

 

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