ジョルジュ・ルオー アトリエの記憶 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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20世紀フランスの画家ジョルジュ・ルオーの名を冠した、

世界で唯一の常設展示空間を持つパナソニック汐留美術館。

2003年に開館して以来、「建築・住まい」や「工芸・デザイン」、

そして、「ルオーを中心とした美術」の3本柱で展覧会を開催してきました。

その記念すべき100本目となる展覧会、

“ジョルジュ・ルオー アトリエの記憶”が現在、開催されています。

 

ジョルジュ・ルオー展 パナソニック汐留美術館

(注:展示室内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)

 

 

100本目を飾るのは、やはり「ルオーを中心とした美術」の展覧会。

ルオーの制作の場であるアトリエに焦点を当て、

同館のルオーコレクションより代表作の数々を紹介するものです。

 

パナソニック汐留美術館は開館して以降も、

ルオー作品の収集を積極的に続けているそうで、

現時点でルオーコレクションの総数は、約270点を誇っています。

近年は特に初期の作品群が充実してきているとのこと。

本展の冒頭では、新収蔵品となるルオーの師ギュスターヴ・モローの作品と、

 

モロー《オルフェウスの苦しみ》習作

ギュスターヴ・モロー《オルフェウスの苦しみ または地上で涙にくれるオルフェウス(習作)》
1891年 油彩/厚紙 パナソニック汐留美術館

 

 

モローのアトリエで学んでいた頃の作品とが併せて紹介されています。

 

ルオー展:パナソニック汐留美術館の絵画3点

 

 

ルオーは師のモローを深く敬愛していたそうで、

ルオーが27歳の時に、師が亡くなると、深い悲嘆に暮れました。

そして、美術学校を自主退学してしまいます。

精神的にも体調的にもどん底の時代に突入し、ついには制作をストップするまでに。

そんな彼を支えたのが、マティスやマルケらモローの教室時代の学友たちでした。

彼らと複数の共同アトリエを構えたことで、ルオーは再び作品を制作するようになります。

いわゆるフォーヴィスムの作家たちとの交流が深まったことで、

師のモロー譲りであった抒情的な作風から、激しく力強い作風に変化。

本展ではその転換期の作品も展示されています。

 

ルオー展:パナソニック汐留美術館の絵画3点

 

 

その後、何度も転居を繰り返したルオーは、1948年、

77歳の時にリヨン駅近くのアパルトマンの一室に最後のアトリエを構えます。

そのアトリエはルオーの寝室と繋がっていたようで、

身近な家族でさえも立ち入りを制限されていたそうです。

本展の後半は、そんなルオーの聖域で描かれた作品で構成されています。

 

ジョルジュ・ルオー作品展:アトリエの記憶

 

 

中でも特に必見なのが、新収蔵されたばかりで、
今回が初公開となる 《モデル、アトリエの思い出》です。
 
ルオー《モデル、アトリエの思い出》 270点
ジョルジュ・ルオー《モデル、アトリエの思い出》
1895年/1950年頃 油彩、インク、グワッシュ/カンヴァス パナソニック汐留美術館
 
 
ところで、気になるのは、その制作年。
1895年と1950年と2つ記載されています。
実はこの作品はもともと、モローのもとで学んでいた1895年に描かれました。
当たり前ですが、その仕上がりは、初期の大人しめの作風だったはずです。
それから半世紀以上経った1950年、ルオーはその絵の上に描き直しを施しました。
いうなれば、リブートしたわけです。
アーティストが若い時に歌った歌を、数十年経ってセルフカバーするような感じでしょうか。
 

ちなみに。

近年、同館に収蔵されたという《老兵(アンリ・リュップの思い出)》も、

本展の開催に合わせて行われた調査で、リブートされたことが判明したそうです。

 

ルオー《オルフェウスの苦しみ》習作

ジョルジュ・ルオー《老兵(アンリ・リュップの思い出》
1946年頃 油彩/板に貼られた紙 パナソニック汐留美術館

 

 

さて、他にもルオーによる版画作品を紹介するコーナーや、

最後のアトリエに残されていた小さい風景画を紹介するコーナーなど、

 

imageimage

 

 

終始、見どころ満載の展覧会でしたが、

最大のハイライトが本展のラストに待ち構えていました。

それが、こちら↓

 

ルオーのアトリエ再現展示、画材や作品を展示 

 

 

ルオーの最後のアトリエの再現展示です。

アトリエの雰囲気だけでなく、窓からの眺めもちゃんと再現されています。

机やその上に乗った画材や画稿もレプリカで再現・・・かと思いきや!

 

ルオーのアトリエ再現、画材や作品展示

 

 
 
なんと机も画材も画稿もすべて本物なのだそう!!
パリのルオー財団の特別な協力により、これらの一式が来日しています。
もちろん初来日。
いや、それどころか、普段は非公開のルオーの最後のアトリエから、
机や画材、画稿などが外部に貸し出されること自体が初めてとのこと。

現状では、世界で唯一の機会となっています。

 

ルオーを愛し、ルオー(財団)に愛された美術館。

それが、パナソニック汐留美術館。

これ以上ないくらいに100回目に相応しい展覧会です。

星星星

 

 

 ┃会期:2026年4月11日(土)~6月21日(日)

 ┃会場:パナソニック汐留美術館

 ┃https://panasonic.co.jp/ew/museum/exhibition/26/260411/

 

 

~読者の皆様へのプレゼント~
“ルオー展”の無料鑑賞券を5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は4月28日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。

 

 

 

 

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