Film:83『おーい、応為』 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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映画「おーい、応為」ポスター

 

 

■おーい、応為

監督・脚本:大森立嗣

原作:飯島虚心、杉浦日向子

出演:長澤まさみ、髙橋海人、永瀬正敏

2025年製作/122分/G/日本

 

浮世絵師・葛飾北斎の娘であるお栄は、

ある絵師に嫁ぐが、かっこばかりの夫の絵を見下したことで離縁される。

北斎のもとに戻ったお栄は、父娘として、

そして師弟として、北斎と生涯をともにすることになる。

2人が暮らす貧乏長屋は画材や絵で散らかり放題で、

茶も入れられず針仕事もできないお栄だが、絵の才能だけは父親譲り。

北斎から「おーい、筆!」「おーい、飯!」と、

何かと頼まれることから、「応為(おうい)」という号を授かったお栄は、

当時としては珍しい女性の浮世絵師として、絵を描くことに生涯を捧げる。

(映画.comより)

 

 

「葛飾北斎の娘、応為を主人公にした映画といえば、

 原恵一による『百日紅~Miss HOKUSAI~』がありますが、

 あちらはアニメ映画、こちらは実写映画となっています。

 アニメ映画のほうは、ジャンルが取っ散らかった印象を受けたのですが。

 こちらはジャンルは取っ散らかってはいないものの、

 核となるストーリーがあるわけでなく、エピソードが断片的で、

 映画としてはやはり、取っ散らかった印象を受けました。

 しかも、取っ散らかっているだけでなく、

 エピソードが唐突に始まったり、あるいは回収されないまま終わったり。
 尺を埋めるために出てきたようなエピソードが多々ありました。

 結局のところ、この映画を通じて何を伝えたかったのでしょう??

 

 そもそも映画として致命的だったのが、

 長澤まさみが長澤まさみにしか見えなかったこと。

 応為と感じられない以前に、江戸時代の人とは思えず。

 『コンフィデンスマンJP』のダー子が、

 誰かを騙すためにこの役を演じているのかと思ってしまったほど。

 ただただ長澤まさみが綺麗だった。
 それ以上でもそれ以下でもない映画です。

 

 逆に(?)、「北斎=永瀬正敏」はミスキャストと思っていたのですが、

 いやいやどうして、映画が進むにつれ、老ければ老けるほど、北斎に見えました。

 晩年の北斎なんて、永瀬正敏感は一切なく、北斎そのもの。

 生前の北斎を映した資料映像なのかと思いました。

 その姿が見られただけでも、この映画を観た甲斐はあったというものです。

 

 ちなみに。

 こちらは予想通りでしたが、渓斎英泉を、

 King & Princeの髙橋海人が演じるのは、さすがに無理がありました。

 髙橋海人がキラキラしすぎて、浮世絵師には見えません。

 いや、長澤まさみ同様、江戸時代の人には見えませんでした。

 しかも、映画全編を通じて、渓斎英泉が絵を描くシーンは一切なし。

 これといったエピソードも描かれず、

 キャストとしては3番手ながら、いてもいなくてもいいような役回りでした。

 キンプリの無駄遣いにもほどがあります。

 

 というか、応為が絵を描くシーンもほとんどなかったです。
 絵を描いているのは、もっぱら北斎。

 エピソードも北斎を中心としたものが多かったです。

 ネタバレになりますが、ラストシーンも北斎。

 北斎の死が描かれた次の瞬間に、

 応為のその後の人生がテロップで紹介され、

 そして、エンドロールが流れてきました。

 

 おーい、応為が主役じゃないんか!?

 

 なるほど。

 そういう意味で付けられたタイトルだったのですね(←たぶん違う)。

 スター スター 半分星ほし ほし(星2.5つ)」

 

 

~映画に登場する名画~

《吉原格子先之図》

 

お栄の絵画、吉原格子先之図

 

 

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