今年2025年は、洋画家・髙島野十郎の没後50年の節目の年。
それを記念して現在、髙島野十郎の過去最大規模となる回顧展、
“没後50年 髙島野十郎展”が千葉県立美術館にて開催されています。
ずっと気になっていましたが、スケジュール的になかなか伺えず。。。
昨日滑り込みで行ってきました。
出展作品数は、実に約150点!
それらの中には、野十郎の代名詞である蠟燭を描いた絵はもちろん、
彼の作品の中でも特に人気が高い「からすうり」や、
闇夜に浮かぶ「月」をモチーフにした絵画も含まれていました。
“髙島野十郎の過去最大規模となる回顧展”の看板に偽りなし!
質、量ともにトップクラスの展覧会となっています。
さて、髙島野十郎といえば、一般的には、
家族も持たず、画壇とも関わらず、85年の生涯をひっそりと終え、
その死後にようやく評価された“孤高の画家”として知られています。
確かに、彼は“孤高の画家”ではあったようですが、
人や社会との繋がりを断った“孤独の画家”ではなかったそう。
本展では、野十郎のパブリックイメージをアップデートすべく、
野十郎と40年近く交流のあったという洋画家・大内田茂士の作品や、
千葉県柏市に住んでいた頃、交流のあった人を描いた作品などが紹介されています。
本展を通じて明らかになる野十郎の一面といえば、こんなものも。
こちらは、野十郎の自筆による柏の最初のアトリエ完成までの記録です。
外注して出来上がった建物に満足できなかったようで、
自分で作業せざるをえなくなったなど苦労の様子が記されています。
すべての作業が完了した際には、このような一文が記されていたそう。
「
自分のことを名前で呼ぶタイプ!!
髙島野十郎の一番かわいいところを知ることができました。
さらに本展では、野十郎の青年期もフィーチャー。
実は、彼は東京帝国大学(現・東京大学)農学部水産学科を首席で卒業しています。
それも、特に成績優秀者に対して天皇より銀時計が授与される、
至高の栄誉とされた「恩賜の銀時計」を辞退したほどの超エリート。
そんな野十郎が大学生時代に描いた魚の観察図も展示されていました。
エリートの道をあえて蹴って、画家の道へと進んだ野十郎。
画業の始めの頃は、デューラーやゴッホに影響を受けた作品を描いていました。
その後、岸田劉生に傾倒するようになり、
劉生と同じく深い精神性を湛えた静物画を描くように。
会場には、劉生の静物画も展示されていましたが、
パッと見た限りでは、劉生の作か野十郎の作かわからないほど。
それだけに、上の3枚の野十郎の静物画のうち、一番右にある作品には・・・・・
「劉生」の文字がありました。
実はこちらのサイン、この絵の過去の所有者が、
劉生の油彩画だろうと、間違って書いてしまったものなのだとか。
元の所有者は良かれと思ったのでしょうが、したことが完全に裏目に出ていますね。
とそれはさておきまして。
その後、野十郎は40歳の頃に、
アメリカ経由でヨーロッパに渡り、各国を巡りました。
そんな渡欧時代に描かれた作品の数々も、展覧会で紹介されています。
ヨーロッパからの帰国後も、国内を旅して巡っていたようで、
ひとり気ままに旅に出ては、気に入った場所に長期間滞在していたそうです。
蝋燭をよく描いた孤高の画家、というイメージに引っ張られて、
爪に火を点すような引きこもり生活を送ったように思っていましたが。
意外にも、高等遊民のような生活を送っていたのですね。
展覧会では他にも、さまざまなトピックを交えながら、
これまであまり明らかにいなっていなかった野十郎の素顔を紹介していました。
それらのパネルも読みごたえがありますし、
野十郎の作品1つ1つも、濃密で見ごたえがあります。
仕事柄、展覧会慣れしているので、
普段は1つの展覧会で疲れることはないのですが、
本展に限っては、観終わった後にぐったりしました(笑)
1つ目の展示室を観終えた時点で、十二分すぎるほどに満足していたため・・・・・
2つ目の展示室が目に飛び込んできた瞬間、
「えーーーーまだ半分しか観てなかったの!?」と、
良い意味でも悪い意味でも、思わず声を出しそうになりました。
しかも、第4章が終わってからエピローグとして、
この2つ目の展示室に10点ほど展示されていたのですが、
当然のようにそれで終わりかと思ったら、さらにもう1つ展示室が続き。。。
そちらにも、10点以上の作品が展示されていました。
エピローグ、長っ!!
とはいえ、それは本展に対する気合いや、野十郎への愛の表れ。
これでもかと盛り盛りに薦めてくる感じは、
『オモウマい店』を彷彿とさせるものがありました(笑)
千葉県立美術館での展覧会は、来週28日まで。
会期終了間際に紹介しておいて大変恐縮ではありますが、必見です。



千葉県立美術館で観られなさそうな方は、是非巡回先で!
















