HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

昨年11月京橋にオープンした複合施設「TODA BUILDING」。

その6階にあるCREATIVE MUSEUM TOKYOでは現在、

“HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展”が開催されています。

 

「HOKUSAI―ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」展示風景 CREATIVE MUSEUM TOKYO、2025

 

 

なんとなーく。あくまで、なんとなくですが。

タイトルの雰囲気というかノリが、

“日テレ系のドラマっぽいなぁ”と思ったら。

本当に、日テレが主催の展覧会でした。

まぁだから、何というわけではないですが(笑)。

 

さてさて、タイトルこそポップな印象ですが、

展覧会そのものは、ちゃんと見ごたえがありました。

浦上蒼穹堂代表、浦上満さんの全面協力のもと、

新千円札でもお馴染み『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』を筆頭に・・・

 

「HOKUSAI―ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」展示風景 CREATIVE MUSEUM TOKYO、2025

 

 

総数約450点もの北斎作品(もちろん本物!)が、

天井高5m、 面積1200㎡の大空間一堂に会しています。

 

「HOKUSAI―ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」展示風景 CREATIVE MUSEUM TOKYO、2025

 

 

本展の特徴は何と言っても、北斎の革新性の数々を、

「北斎のしわざ」というキーワードで紹介している点でしょう。

 

「HOKUSAI―ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」展示風景 CREATIVE MUSEUM TOKYO、2025

 

 

本展の出展作品の多くを占めるのは、

色鮮やかな浮世絵ではなく、モノクロの版本です。

 

葛飾北斎『新編水滸画伝』巻之一 浦上蒼穹堂蔵

 

「HOKUSAI―ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」展示風景 CREATIVE MUSEUM TOKYO、2025

 

 

浮世絵と比べてしまうと、どうしたって華はない版本ですが、

「北斎のしわざ」のキャプションのおかげで、興味深く楽しめました。

おそらく、これらのキャプションがなかったら、

北斎の版本の魅力に一生気が付くことがなかったかもしれません。

 

さて、本展のハイライトともいうべきは、

質、量ともに世界トップクラスと称される、

浦上さんによる『北斎漫画』コレクションです。

 

  葛飾北斎『北斎漫画』十一編 浦上蒼穹堂蔵

 

葛飾北斎『北斎漫画』三編 浦上蒼穹堂蔵

 

一般的な展覧会で、『北斎漫画』が紹介される際は、

1冊か2冊、多くても数冊が展示されるくらいなものですが。

本展では、惜しげもなく大量に展示されています!

 

「HOKUSAI―ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」展示風景 CREATIVE MUSEUM TOKYO、2025

 

 

これだけまとまった数の『北斎漫画』を観る機会はそうはありません。

改めて、いろんなページを観たことで、

北斎の幅広さ、底知れなさを実感させられました。

なお、『北斎漫画』のコーナーにあったパネルで、

個人的に特に気になったのは、ジャポニスムへの影響を紹介するもの。

例えば、『北斎漫画』のこれらのページにある図版は・・・・・

 

葛飾北斎『北斎漫画』十一編 浦上蒼穹堂蔵

 

葛飾北斎『北斎漫画』十三編 浦上蒼穹堂蔵

 

それぞれ、ドガやガレに影響を与えていたそうです。

 

「HOKUSAI―ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」展示風景 CREATIVE MUSEUM TOKYO、2025

 

 

ガレにいたっては、今の世なら著作的に完全アウトです。

それに比べれば、ドガは構図を真似しただけなので・・・と、

微笑ましく思いましたが、いやいや、もしこれが現代の画家だったら、

SNS上の画像の構図を真似ただけでもアウトとなります。、

ましてや、他の芸術家の作品をトレースしたなら、大炎上案件です。

何はともあれ、この頃の芸術家は平和で良かったですね(←?)。

 

とそれはさておきまして。
本展では、もう一つのハイライトとして、

『冨嶽三十六景』に飽き足らなかった北斎が後年、

さらに様々な富士山の姿を描いた『富嶽百景』も全巻全ページ展示されています。

 

「HOKUSAI―ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」展示風景 CREATIVE MUSEUM TOKYO、2025

 

 

『富嶽百景』がまとめて観られる機会は希少なため、

ケースに近づき食い入るように全巻全ページを観てしまいました。

《冨嶽三十六景》よりも、マニアック(?)な構図も多かったのが何より印象的。

とりわけ強く印象に残ったのは、「さい穴の不二」と題された1枚です。

 

 葛飾北斎『北斎漫画』三編「さい穴の不二」 浦上蒼穹堂蔵

 

 

いわゆるピンホール現象を描いたものなのでしょう。

江戸時代にもその原理が知られていたことに、純粋に驚きました。

それからもう一つ印象に残っているのが、「跨ギ不二」。

 

葛飾北斎『北斎漫画』三編「跨ギ不二」 浦上蒼穹堂蔵

 

 

江戸時代にも、遠近法を利用して、

オモシロ写真(?)を撮る人はいたのかもしれませんね。

 

 

ちなみに。

本展では、浮世絵や版本だけでなく、

北斎による肉筆画日新除魔図も展示されています。

しかも、本展が初公開です!

 

  葛飾北斎『日新除魔図』 浦上蒼穹堂蔵

 

「HOKUSAI―ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」展示風景 CREATIVE MUSEUM TOKYO、2025

 

 

『日新除魔図』とは、北斎が83歳頃に、

プライベートで毎日描いていた獅子や獅子舞の絵の総称。
除魔、つまり、魔を払うために毎日、北斎は獅子や獅子舞の絵を描いていたそう。
そして、書き終わるや否や、丸めてポイッと家の外に捨てていたのだとか。

現在、200図以上が確認されていますが、

新たに発見された16図が本展で公開されています。

(会期中、展示替えあり)

 

いまや世界に誇る日本のエンターテインメント文化「マンガ」と「アニメ」。

そのルーツの“ぜんぶ”が、“北斎のしわざでした。”、

というのは、さすがに盛りすぎている感は否めませんでしたが(笑)

でも、“おおむね、北斎のしわざでした。”とは言えそうです。

『世界一受けたい授業』や『カズレーザーと学ぶ。』ばりに学びの多い展覧会でした。

星星

 

 

 ┃会期:2025年9月13日(土)~11月30日(日)

 ┃会場:CREATIVE MUSEUM TOKYO

 ┃https://hokusai2025.jp/

 

 

~読者の皆様へのプレゼント~
“HOKUSAI展”の無料鑑賞券を2組4名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は9月30日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。

 

 

 

 

1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ にほんブログ村 美術ブログへ