■ガセン -明治大正画仙譚-
漫画:河納沙也子
出版社:KADOKAWA
発売日:2025/9/4
ページ数:196ページ
「生ルヽモノハ芸術ナリ。」
かつて、自らの命を削り、芸術を追求した二人の画家がいた。
その名は土田麦僊と小野竹喬――。
明治37年の京都。
画家の卵である小野は伸び悩んでいた…。
ある日、京都の河原でおぼれる男を助けたのだが、
その者は同じく画家を目指しており、「水の流れを見たくて」自ら川に飛び込んだという。
自身の腕を磨くため、命をも惜しまない彼との出会いが、小野を覚醒させていく!
そして、彼らは日本画の世界を壊し、革命を引き起こす――!
(BOOK☆WALKERより)
「読売新聞が運営する美術のポータルサイト、美術展ナビで、
『漫画で紹介、先輩画家』の連載を行っている河野沙也子さん。
昨年は、『日本画家小譚 マンガで読む 巨匠たちの日常』も出版され、
「日本画家漫画」(…というジャンルがあれば)の第一人者ともいうべき漫画家です。
そんな河野さんが、『ヤングエース』にて、
新連載を開始されたとのことで、ひそかに注目をしていました。
いくら河野さんでも、一般向けの青年誌では、
日本画家を題材にした漫画はやらないだろう・・・と思いきや。
そこはさすがの河野さん!
実在する日本画家を主人公にした漫画でした。
しかも、横山大観とか上村松園とか、
一般的に知名度がある日本画家ではなく、
土田麦僊と小野竹喬を主人公にした漫画。
何であえて、この2人?!
僕はめちゃめちゃ食い付きましたが、
おそらく、一般の人はピンとも来てないことでしょう(笑)
ちなみに、第4話には、昨年の秋に、
京都府京都文化博物館で初の大規模回顧展が開催され、
大きな話題となった石崎光瑤が登場します。
個人的には、「わー、石崎光瑤だ!」となりましたが、
一般的な反応はほぼ間違いなく、「誰??」でしょう。
そういう意味でも、いろいろと攻めた漫画です。
さて、実際に1巻を読んでみて、何より印象的だったのは、
美術展ナビの連載や『日本画家小潭』でのタッチとは違って、
全体的に、現代風の漫画のタッチになっていたこと。
画風だけでなく、漫画のテンポも現代風。
何も知らずに読んだら、作者が河野さんとは思えないほどです。
もちろん史実をベースにはしているのでしょうが、
これまでの漫画と違って、フィクションのパートは多め、
そこに、ギャグ要素もバトル要素も加わっています。
さらに、イケメン要素もだいぶ加わっていました。
特に土田麦僊なんて、アッシュグレーのツーブロック。
見た目はまるでヤンキー漫画のキャラのようです。
ただ、内容自体はちゃんと美術モノ。
土田麦僊と小野竹喬の2人を中心に、
竹内栖鳳のもとで、創作にもがく若き芸術家たちの姿が描かれます。
それだけに、明治時代の京都を舞台にした『ブルーピリオド』といった印象も。
このまま連載が続けば、アニメ化や実写化するかもしれません。
2巻以降にも期待です!
(星4.5つ)」
~漫画に登場する絵画~
ウィリアム・ターナー《ノラム城日の出》



