今年開館30周年を迎える千葉市美術館では、
1年間にわたって、スペシャルな展覧会が続々開催される予定です。
その第1弾として開催されていたのは、
千葉市美術館コレクションの中核をなす、
浮世絵と江戸絵画をフィーチャーした展覧会でした。
そして、第2弾としてこの夏開催されるのは、
千葉市美術館コレクションにおける現代美術をフィーチャーした展覧会。
その名も“未来/追想 千葉市美術館と現代美術”です。
(注:展示室内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
浮世絵や江戸美術に強い印象があるので、人によっては、
千葉市美術館と現代美術が結びつかない方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実は千葉市美術館は開館以来、120を超える現代美術展を開催してきました。
そうした積み重ねもあって、何を隠そう、
1万点を超えるコレクションのうち約1800点が現代美術の作品です。
本展は、そこから厳選した62名(組)183点を一挙公開するもので。
具体美術協会にはじまり、
マルセル・デュシャンや反芸術の作品、
今もっとも国際的に活躍するレジェンド・杉本博司さんの〈海景〉シリーズまで。
戦後から現在にかけての主な美術運動や動向を、
時系列に沿って、通観することができるようになっています。
これらがすべて、1館のコレクションだけでまかなえているとは!
改めて、千葉市美術館の現代美術コレクションの層の厚さを実感させられました。
残念ながら、DIC川村記念美術館は千葉から消えてしまいましたが、
千葉県にはまだ、実は現代美術も充実している千葉市美術館がある!
そんな千葉県民に勇気を与える展覧会でもありました。


さてさて、千葉市美の現代美術コレクションの一つの特徴として、
1人の作家につき複数の作品を収蔵しているというものがあります。
これは作家が多様な展開をした様を、なるべくカバーしたいからなのだそう。
例えば、ハイレッド・センターのメンバーの一人、中西夏之に関しては、
1960年頃の初期作から90年の作品まで、約10点を所蔵しているそうです。
初期から全盛期までをカバーしているといったら、草間彌生さんも。
千葉市美は寄託作品を含む19点を収蔵しているそうで、
本展はそれらすべてが一挙展示される貴重な機会となっています。
ただ、普通に並べているのではなく、さりげなく、
草間彌生さんコーナーだけ、床面も白で統一されていました。
草間さんの作品は1点でも圧が強いため、
19点も密集すると、相当な圧になるわけで。
それらが真っ白な空間に置かれることで、
絶妙に圧が軽減されていたような気がします。
こういった配慮がなされているのは、
やはり現代美術に力を入れてきた美術館ならではですね。
また、本展では、河原温さんの作品も一挙展示。
千葉市美が所蔵する河原温作品を23点のうちの20点が展示されています。
20点のうち、19点が「Today」シリーズ。
カンヴァスに制作当日の日付だけを描く河原の代表的シリーズです。
1966年1月から始まり、河原が亡くなる2014年7月まで、ほぼ毎日描かれました。
なお、画面左の黒いほうは、1985年6月2日から8日までの一週間、
右の赤いほうは、1994年の1月から12月まで1年間に描かれたものです。
そういえば、「Today」シリーズは数多く目にしているものの、
いまだ自分の生年月日のものに出逢ったことはないですね。
1983年3月20日の「Today」シリーズはどこかに存在しているのでしょうか。
いつか見つけてみたいものです。
ちなみに。
「Today」シリーズを進んだ先、
突き当りに展示されているのは、河原の《百万年―未来》。
全10冊の書物からなる作品で、その中には、
1984年から百万年後の1001983年までの年号だけが記載されていました。
100万年分を記載するのに、10冊を要するということは、
“一億と二千年”分を記載するには、1000冊必要というわけですね。
“一億と二千年あと”がどれほど遠い遠い未来なのか。
百万年を可視化した《百万年―未来》おかげで実感することができました!








