日本を代表する建築家の一人、内藤廣さん。
その半世紀にわたるキャリアを紹介する展覧会が、
現在、渋谷ストリーム ホールにて開催されています。
題して、“建築家・内藤廣 赤鬼と青鬼の場外乱闘 in 渋谷”です。
本展で紹介されているプロジェクトは、全部で45。
それらの中には、内藤さんの出世作ともいうべき海の博物館や、
上井草にあるご存じ、ちひろ美術館・東京、
今年7月に開館したばかりの黒柳徹子ミュージアムなども含まれています。
さらに、学生時代の課題もあれば、
実際は建たなかったアンビルド建築、
現在竣工中の最新プロジェクトも紹介されていました。
会場にはたくさんの建築模型だけでなく、
図面や写真なども、もちろん展示されています。
それだけ見れば、いわゆる普通の建築展なのですが。
本展の最大の特徴ともいえるのが、赤鬼と青鬼による解説です。
建築家としての内藤さんには、2つの異なる思考を持つ性格があるそうで。
情熱的で自己主張の強い性格が「赤鬼」、控えめで禁欲的な性格が「青鬼」とのこと。
まるで、『VIVANT』の乃木憂助のように、
その2つの性格がせめぎ合っているのだそうです。
(注:あくまで、そういうてい)
本展では、プロジェクトごとに、
そんな「赤鬼」と「青鬼」による会話が繰り広げられています。
つまりは、内藤さん本人による解説です。
しかも、一人語りではなく、会話形式なので、
まるでPodcastを聴くように、するすると内容が入ってきます。
誰しもが認める建築界の大御所なので、
自慢げな内容が多いのだろうと思いきや(←おいっ!)。
「あの建築は失敗だった」とか、
「若気の至りでまったくなってない」とか、
過去の自分の作品にちゃんと厳しかったり。
自分自身だけでなく、オーナーや施主さんにも、ちゃんと厳しかったり(笑)
時には、会話に過去の建築家や関係者が亡霊として登場したり。
茨城県天心記念五浦美術館にいたっては、
岡倉天心が赤鬼と青鬼の会話に登場していました。
ちなみに。
個人的に一番印象に残ったのは、JR高知駅についての2人の会話です。
高知ということで、あの出身女優に言及されていました。
今この人をいじるなんて、
ナイツか爆笑問題か赤鬼と青鬼くらいです(笑)。

さて、実は本展は、2023年に島根県立石見美術館で開催された展覧会、
“建築家・内藤廣 BuiltとUnbuilt 赤鬼と青鬼の果てしなき戦い”の渋谷版という位置づけ。
渋谷版ならではの新たな試みとして、
島根県立石見美術館が入る「グラントワ」や、
銀座線渋谷駅の巨大な1/20模型が制作されています。
また、グラントワのある島根県益田市は、
「過疎」という言葉の発祥の地なのだそう。
そこで、現在の益田市と渋谷駅周辺の巨大模型も制作されました。
どちらも同じ面積、700×700mなのだそう。
益田市が過疎すぎるのか、
それとも渋谷駅が過密すぎるのか。
同じ日本でも、こうも違うのかと驚かされました。
なお、超どうでもいいですが、
今さらながらNetflixの『地面師たち』を観たので。
渋谷駅近辺の模型を俯瞰している際は、
ちょっとだけハリソン山中の気分を味わえました。

















