■ガードナー美術館盗難事件-消えた5億ドルの至宝-
監督:コリン・バーニクル
2021年製作/210分/アメリカ
1990年、警官を装う2人の男がボストンの美術館に侵入し、
総額数億ドルに値する美術品13点を盗み出した。
この大胆不敵な強盗事件の真相を追う。
(Netflixより)
「『新幹線大爆破』が観たくて、Netflixに入会して以来、
今さらながら、話題になっていた配信を観漁っていました。
それがひと段落ついたので、そろそろ美術の話を・・・と、
探していたところ見つけたのが、このドキュメンタリーでした。
ガードナー美術館盗難事件。
なんとなく聞いたことあるなぁ、と思っていたら。
あのフェルメールの《合奏》が盗まれた事件のことでした。
美術館での盗難事件というのは、
これまでに何度も発生しているものなので、
ガードナー美術館の盗難事件も、そのうちの1つという認識しかなかったのですが。
フェルメールの《合奏》の他にも、
レンブラント唯一の海景画とされる《ガラリアの海の嵐》や、
マネの《トルトニ亭にて》、ドガの素描や中国の青銅器など計13点、
総額5億ドルもの美術品が被害に遭った史上最悪の盗難事件とのことでした。
事件が発生したのは、1990年3月18日日曜日。
ボストン警察を装う2人組の男が、
「騒ぎがあったと通報を受けた」と美術館にやってきました。
警備員はそれを不審に思うことなく、館内に受け入れてしまいます。
すると、警備員はテープで体を縛られ、
館内の地下水道に閉じ込められていまいました。
2人組の犯人は実に81分も滞在し、
その後、13点の美術品とともに忽然と姿を消してしまったのです。
ドキュメンタリーは、全4話構成。
第1話では、この事件に関するいくつもの謎が提示されます。
なぜ、犯人はオランダ絵画を多く狙ったのか?
なぜ、他に数あるフランス絵画の中から、マネの絵を盗んだのか?
なぜ、犯人は監視カメラの位置を知っていたのか?
なぜ、犯人は監視カメラの映像(VHS)も盗むことができたのか?
それらの謎が次々と提示されることによって、
この盗難事件が単純な事件でないことが明らかになっていきます。
美術館の皆さまには申し訳ないのですが、
まるでミステリ映画を観ているようで、妙にワクワクしてしまいました。
事件は、内部犯によるもの?
そこで犯人として急浮上するのが、
当日警備員をしていたリチャード・アバスという男です。
彼は勤務態度がとても悪く、酔った状態で出勤することも多々あったそう。
事件当日も薬でハイになっていました。
そもそも、そんなヤツに警備を任せるなよ!
と言いたくなるような男でしたが、
彼が犯人という証拠は出てこなかったそうです。
結果としては無罪でしたが、
本編では、アバス本人も登場しています。
怪しい人間として紹介されているにも関わらず、
よくこの出演オファーを受け入れたものだと驚かされました。
なお、本編には他にも、当時の館長や職員、
捜査を実際に担当したFBI捜査官や検事なども登場します。
さらに、本件の犯人ではないものの、
別の絵画盗難事件で服役していた伝説の窃盗犯も!
あまりにも普通に出演していて、
堂々とインタビューに答えているので、
役者が演じているのかと思ってしまったほどでした。
さてさて、このドキュメンタリーでは、
地元のマフィアによる犯行の可能性を紹介しています。
実際にその犯行グループの1人の家で、
マネの《トルトニ亭にて》を観たことがあるという証言もありました。
おそらく、限りなくそれが真実に近いのでしょう。
当初はワクワクしながら観ていましたが、
血なまぐさい犯行であることが明らかになるにつれ、
ワクワクしていた気持ちはどんどんと萎んでいきました。
当たり前ですが、現実の絵画盗難事件は、
ルパン3世や怪盗キッドのようなお話ではないのですね。
ちなみに。
現在に至るまで、犯人はまだ捕まっていません。
絵画もまだ見つかっていません。
事件発生から、35年。
全13点というワガママは言いませんから、
そろそろ1点くらい見つかってほしいものです。
(星4.5つ)」
~映画に登場する名画~
《ガラリアの海の嵐》


